守旧的な「実書店経営者」たちよ、いい加減にしろ

ここ最近、割と論調がおとなしいと言うか、奥歯に衣を着せたような論調の「こらむ」が続いておりまして、多分に煮え切らない思いをなさっておいでだった読者の皆様も少なからずおられようかと存じますが、予告しておきます、今回は紗水あうら激怒しております。問題はこの記事。

馬鹿なの?

一応疑問形にしたのは、私の計らいだと思ってくれて良い。はっきり言ってこのご時世に於いて、だ。こんな世迷い言を言えると言うのは具体的な経済サイクルを見失っている証左だ。

私は決して実書店に失望してはいないし、失われるべきものではないと思っている。それはこのコラムの中でも述べてきたことだ。

にも関わらず、この席上に於いて書店経営者――どこのどなたかは存じ上げないし、今後も別に知りたいとは思わないが、彼らは明確に現状としてブランディングできていない書店に過ぎず、時代の荒波に揉まれて泡沫のごとき消え方をする手前であり、その断末魔の叫びとして議連に対してこう奏上なさったそうである。

自民党の「全国の書店経営者を支える議員連盟」(会長・河村建夫元官房長官)が12日に開いた会合で、出席した書店経営者から「インターネット書店課税」創設の要望が上がった。インターネットによる書籍販売が普及し、実店舗の経営が圧迫されているとして「われわれは固定資産税を払っている。区別を図ってほしい」などと訴えた。
著作物を定価販売する「再販制度」維持のため、ネット販売の過度なポイント還元による実質的な値引きの規制も要請。来年の消費税増税に際し、書籍・雑誌への軽減税率適用を求める声も出た。

もういっぺん訊いていい?

馬鹿なの?

もう、問題点が多すぎて何からツッコんで良いのかわからないが、順を追って整理すると、まず一つ見えてくるのは「ネット通販が実書店を圧迫している」と言うのは実は虚像で、もっともこれは比率的に圧倒的な割合を占める都市部人口が多いがゆえなのであろうが、実際に実書店での購買は、現在でもネット通販に勝っていることが分かっている。つまり売上の上がらない実書店の多くは、売り場面積や店員数の問題を含めた品揃えの豊富さが関わっているのだ。

それと「我々は固定資産税を払っている」と言う発言だが、ネット通販だって物流が存在しているのだから、物流センターがあってそこには建物が存在しているし、その分にはちゃんと課税されていると言う前提が吹っ飛んでいるのはどういうことなのか。そこまで言うならネット通販大手が交通ターミナル周辺にクソデカい実店舗持って来る可能性とかもあるんだけど、その点大丈夫なのかな? わかってないのかな?

さらに言えば、再販制度の維持と言う問題を盾にポイント還元に文句をつけるのであれば、

お前ら紀伊国屋書店にもケチつけたんだよな?

あそこポイントカード始めたんだけど、その点どうなのかな? 大手書店はやっぱり排斥していきたい的な空気有るのかな? そうなんだとしたら、もう疑問形なんて使わないよ。

馬鹿でしょ。

ホリエモンが「これはクソ過ぎる」と一言で切って捨てたのも頷けるほどの悪手。消費者に融通することを悪とし、自分たちのほうへサービス水準を引き下げようとする悪平等主義、そんなことを平然と言ってのけて、最終的には国になんとかしてもらおうという図々しさ。もう全てがダメだ、まったくフォローのしようがない。これからのリアル書店のあり方と言うものを試行錯誤することがないのなら、もう潰れてしまえ

何の業界でもそうだけど、商売ってそういうことじゃないよ。



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