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魔法の鏡


朝起きて、目覚めると意識が覚醒していく。
夢の中の記憶が薄れていき、昨日までの現実がやってくる。

気分が重いのは、また同じ現実がやってきたから。

私の人生はもっと幸せなはず。私の人生はもっと愛されるはず。

ズキズキと何かが痛むのに、どこが痛いのかわからない。

それは小さいころ、傷ついて倒れた時に刺さったままのガラスの破片。
いつも痛くて、いつもイラ立っていた。

「痛い、助けて!」と叫んでも、私が見えない痛みは、他の人にも見えなかった。

「あなたの見えない痛みをとります」という看板は、
どれも蜃気楼だった。

もう疲れて、全てを終わりにしたいと思った時、ある人が鏡を持って現れた。

「あなたの傷はここにあるよ。本当はここが痛いんでしょう?」

そこにいたのはずっと探していた私。認めたくても怖くて認められなかった私。誰よりも私を必要としていた私。

鏡を持って現れた人は「幸せになってください。」といって去っていった。

それから私はまた歩き出す。
ずっと探していた自分と共に。

自分を信じる勇気と決断さえあれば、これまでと全く違う人生が造れるんだ。