こども食堂めぐり #3

飲食街の中のこども食堂

けっこうな人が乗り降りする駅の近くにある飲食街。通りは若者から年配者、学生から社会人、近くのスーパーに買い物に行く人たちでいつもにぎやか。そんな中にある、飲食店が運営しているこども食堂。階段をのぼった右側が店舗、左側がこども食堂と区切れていて、理想的なつくり。そこで月に複数回、テイクアウトとイートイン形式で開いている。

看板はふつうの飲食店のものなので、入るのに抵抗はない。知る人ぞ知るというこども食堂。たまに大人だけの人やひやかしの人が来るらしいけれど、それは丁寧にお断りしているという。

運営のむずかしさ

プロの調理人が作っているごはん。イートインのできたてほやほやは、とってもおいしそう。栄養もしっかり考えられている。

助成金をもらっての運営だけれど、やはり限界があり、寄付金をあわせても、もちだしの金額がかなりあるとのこと。それでもやっていけるのは、飲食店の経営という基盤があって、じぶんが子育で大変だった時にたすけてもらったし、もっとサポートがあったらよかったという想いがあるから、と。

ここ最近の値上がりもかなりこたえているという。一般家庭でさえひしひしと感じる値上がり。電気代だけでも相当なもの。テイクアウトの容器代がばかにならない、とは、こども食堂関係者が口をそろえて言っている。

こどもたちに、回数を減らすのと、一回100円にするのとどちらがいいか、アンケートをとったら、回数は減らさないでほしい、という回答が多かったらしい。それだけ心のよりどころになっているのだろう。数か月前からこども100円で提供している。とはいえ、こどもによっては、こっそり寄付金で補ってあげるときもある。

世の中いろんな人がいる

けっして利益のためにやっているわけではないけれど、批判的なコメントが大なり小なり飛んでくる。大人をなんで排除するのか、といった怒りにも似た言葉を投げかけられたり、偽善だと言われたり。それが何よりもストレスで、なんでそんなこと言われてまで続けるのだろう、という気持ちにもさせるという。

匿名で言いたい放題言えるこの世の中。批判するのは簡単だけれど、それで何になるのだろう。政治を批判するのとはわけがちがう。そのパワーを他に向けたら、いろんなことができるだろうに、と思ったりもする。

理想と現実

そこは完全予約制。大々的に宣伝しているわけではないけれど、遠方からわざわざ来る人もいれば、他のこども食堂から紹介されて来たりもする。

学生もウエルカムなので、留学生も交じっていたりと、地域交流の場としても機能している。そこに来ていた学生たちが、こんどはボランティアとして手伝うといった、ステキな循環が生まれている。

すごく理想的なこども食堂。でも来る子たちは増えても、助成金は増えず、もちだしが増える。持続可能な運営というは、ほんとに難しい。

ステキなこども食堂、ずっとこのような形態でつづけてほしい。でも言うだけ、願うだけで、定期的に支援できるほどの財力はない。こういうところに税金を使ってくれよ、と思うけれど、いまの政治に期待はもてるはずもなく・・・。ボランティア頼みの未来は、明るい?

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