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福島旅行記 〜原子力発電所の事故を現地で学ぶ〜

水戸の次は旅の目的地福島。

ちきりんさんのVoicyを聞いて、これは行かなくては!と思いちきりんさんが紹介されてた場所のうち時間の関係上3つだけ選んで行ってきました。

ひとつめはここ。

海のすぐ近くにある学校ながら、死者を一人も出さなかった請戸小学校。
津波の破壊力を体感できると共に、地震が起きる前からみんなで逃げるまでがまわる順番でパネルになっていて当日の体験を追体験できる。

津波が来たライン。高い。。!!

時間の経過もあるけど中はボロボロ。

海側にあった教室は津波の勢いで壁が流されてない。

当時置いてあったものがそのまま。
意外とちゃんと残ってるもんだな。

給食の調理室は奥の小部屋に部屋の備品が波で押し込まれてえらいことに。

これが時系列のパネル。
絵本をもとにした絵付きのパネルもあった。順々に見ていくので臨場感がある。

こちらは海とは反対側の面にあった入り口。津波の直撃受けてないからかわりときれいに残ってる。

二階も見れました。自衛隊の方の応援メッセージの上に請戸小学校にいた子や地元の方々が黒板に色々書いていた。

こんな記事も。
原子力発電所ってやたら安全をアピールしてたよな。私も子供の頃中電で働いてた親に連れられて原子力発電所の見学に行ったことあるけど、何も知らない子どもにやたら安全をアピールされたことを覚えてる。
今思えばこっちが聞いてもないのにやたらと安全アピールしてくるってのは逆に怪しいなと思ってしまう。

津波が来る前の請戸地区のジオラマもあった。

家にひとつひとつ住んでいた方の名前。畑の持ち主まで書いてある。地元の人たちが思い出して書いたんだなと思うと何とも言えない気持ちになる。このジオラマに地元の方の思いがものすごくのっているのを感じた。確かにここに住んでいたということを忘れたくないんだよな。

津波によりひん曲がったプールの手すりも展示されていた。設置された場所によって受ける力が違ったらしい。

次はこちら。原子力災害とはどんなものだったかを教えてくれる伝承館。

建物に入ると、被災者の方のお話が聞けるとのことでまずは伝承者の方の話を聞きに行く。
40分かかるとのことであまり時間もなかったので途中退席。幸せな日常がいきなり避難によって崩れていく様を語ってくれた。

有名なこの看板。今はもう崩れてしまってないみたい。大きな写真パネルで飾られていた。

震災前は原子力がいかに大事かの啓蒙活動が盛んに行われていたのがよく分かる。
子どもたちにポスター書かせて原子力は社会の発展に欠かせないものだと刷り込んでたのが見てとれる。

震災関連死の方もけっこういた。
体育館からライトが落ちてくるから地震のときには上に気をつけてねというライトの展示もされていた。

津波で引っこ抜かれて流されたポスト。
津波のパワーがよく分かる。

これは本当に悲惨な事例。
寝たきり患者の方の避難は相当に大変。バスの中や避難先で座ったまま亡くなった方もいたとか。。父も寝たきりで介護病院に入院しているので、あの状態の人たちを避難させるなんて本当に筆舌に尽くしがたいことが起きてたんだな。。

展示もとても凝ってた。
ここは普通に震災関連の物が展示されているだけと思いきや、定期的に映像と音声と共に物に対してスポットライトが当たる演出もあり。

猶予もなくいきなり避難しないといけなくなって、住み慣れた我が家を置いていくしかないところに獣が入り込んで荒らされる。
今回双葉町を通り過ぎたとき、家はたくさんあったけど障子に穴がたくさんあいていたり誰も住んでいなさそうな家ばかりだった。一見街は普通に見えるんだけど、避難して避難先で生活基盤もできて、もう戻って来ていないんだというのが見てとれた。

畜産農家の方々が育ててきた牛を安楽死させざるを得なかった悲哀も展示されていた。これはものすごくつらい。

伝承館は本当に色々と考えさせられる展示が多かった。
原子力災害とはどのようなものか、地震、津波、原子力災害による避難と三重に苦しみが襲いかかるとはどういうことか、ということがとても分かりやすく展示されてきた。
最後、被災者の方々の写真パネルが説明と共に飾られている廊下があったけど、それを見たら涙が止まらなかった。同じ日本の同じ時代に生きた人たちが、こんなにも辛い思いをしてきて、それでも毎日生きていかなければいけない状況がパネル写真からひしひしと伝わってきた。
明日は我が身だし、常にこういう危機が起こるかもしれないと念頭に置く必要があると改めて感じた。


次はこちら。東電の施設。廃炉資料館。

あまり期待していなかったけど、ここもすごかった。
さっきは電子力災害の被害にあった方々の目線だったのが、今度は被害を起こした側の目線の施設。

最初入ると、まずはシアターに案内される。
冒頭いきなりの反省とお詫び。なぜこんな事故を引き起こしてしまったのか、当日何が起こっていたのか、これからどうしていくのかが分かりやすく説明される。
説明員のおじさんも丁寧に説明してくれた。
原子力の仕組みがどうなっているのか、なんで制御棒差し込むと止まるのか、使用済燃料ってどういうことなのか、今までよく分かってなかったことも分かりやすく教えてくれた。
写真撮り忘れちゃったけど、当日原子炉で何が起きていたのか時系列で分かりやすく教えてくれる映像展示もありました。
4号機の爆発は3号機で発生した水素が配管を通じて4号機に漏れ出たせいで爆発したとか知らなかった。そもそも4号機は原子炉は稼働していなくて使用済燃料がプールに入ってただけだったのよね。

なぜ事故を防ぐことができなかったかの根本原因を示したパネルもあった。
システム開発してる身としては、こういう根本原因の振り返りは、身につまされるものがあります。

時間がなくてじっくり見れない展示もあった。1時間じゃ全然足りなかった。

原子炉って意外と小さい。
もっと巨大なものかと思ってた。
格納容器が大きいってことなのかな。

伝承館と廃炉資料館はあまり写真撮れてなくてこの程度の説明しかできなかったけど、2つとも展示方法が凝っててすごく分かりやすかったし、とても勉強になった。
今改めてこういった施設を巡ることの価値は相当あると思う。
特に首都圏の電力をずっと賄ってきた福島の人たちが、いざというときにこんな大変な目にあってきたということや、緊急事態はこのような状態になるのだというのは知っておくべきだと思う。
まだまだ他にも福島以外にも震災関連の伝承館はいくつかあるみたい。
また足を運んでみようと思います。

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