見出し画像

T'S BAR 86夜 DEREK AND THE DOMINOS

Live At The Fillmore / DEREK and the DOMINOS

フィルモアの流れで聴くことにしたのですが、正直に言うと、全然聴いた記憶がありませんでした。
アルバムがリリースされた90年代半ばと言うと、音楽の関心はイギリスにありましたし、会社勤めが忙しく、こうしたセッションのせめぎ合いを聴くような音楽との向き合いができなかった時期でした。
学生の頃とは違って、CDは躊躇い無く買えるようになっていたのですが、そのせいか、買っただけでろくに聴いていないものも、この時期には多いです。
残念ながら、このアルバムも、たぶん一度くらいしか聴いていなかったと思います。
「なんだ、レイラは入ってないのか」くらいな感じです。

この架空の音楽バーを開いたのは、そういう音楽と向き合えていなかった時期があったことを後悔しているからという理由もあるので、今回、改めて聴くことができたのは良かったと思います。

個人的に、エリック・クラプトンのギターで一番好きなのは「ブルースブレイカーズ」のプレイなのですが、このアルバムもなかなかに弾きまくっていて良いです。

彼の来日公演は何度か行きましたが、いつも流石だなと感じたものの、なんだか予定調和的でスリリングなものは感じられませんでした。
お客さんも、ヒット曲を求めているので、延々とセッションを続けるようなことはウケないでしょうから、あれは正解なのだと思います。
でも、こういうライブ盤を聴いてしまうと、この時間と空間を共有できた観客は幸せだったろうなと思わずにいられません。

意外とまとまった演奏で、ミュージシャン同士のせめぎ合いというよりは、クラプトンが好きに弾きまくっているというように聴こえます。
これはブルースブレイカーズでも、クリームでも、ブラインドフェイスでもなく、デュアン・オールマンのいないデレク&ドミノスだからだと言ってしまえばそれまでですが。
(クリームやブラインドフェイスの曲も演奏してます。)

今はもう望まれないスタイルのライブでしょうから、せめてCDで楽しみたいと思います。

常識のある大人になる前のクラプトンが聴けます。