Frestonia　/　Aztec Camera

好きだったレーベル、ラフトレードから出たデビュー・アルバム「High Land, Hard Rain」は、よく聴きました。
ダークで難解な音楽も聴いていた時期だったので、精神のバランスを取る意味でも、ネオ・アコ系の音楽は癒しになりました。
世界的なヒットチャートに乗るようなバンドはいませんでしたが、それなりにトレンド感もあったように記憶しています。

じゃあ、選ぶアルバムが違うだろう、と知っている人には突っ込まれそうですが、この時間に聴くならこっちかなと思って、、、。

先に厳しいことを言ってしまえば、「LOVE」とかこのアルバムのような作品は、他にもっと上手くやるアーティストがいるので、これでメジャー・ヒットが出せるようには思えません。
ネオ・アコのムーブメントとともに輝いたロディさんの才能でしたが、最後まで殻を破れなかった感じは、ちょっと残ります。

ただ、当時のリスナーも年を取りました。
元気いっぱい青春真っただ中ではないアズテックカメラに用は無い、と言わず、これは最後に一度聴いてみて欲しい。
勢いや若い切なさとは違っているものの、普通のポップ・アルバムとして、かなりまあまあ悪くないです。
若い頃なら、毒にも薬にもならん、と一蹴したかもしれませんが、今の身体にはこれくらいが心地よかったりもするのです。

年を重ねて、優しさと穏やかさを身に着けた、いい具合に成長した青年の音楽です。