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T'S BAR 98夜 BAUHAUS

In the Flat Field  /  BAUHOUSE

今で言えば、ゴシック・ロックということになるのでしょう。
ダークで過激でシリアス。
40年も前の日本の高校生には、かなりの劇薬でした。

自分たちの中から生まれ出る衝動を抑えることもせず、そのまま音にして放つ。それは社会通念上は不適切であったり、グロテスクであって人を不快にさせるかもしれない。けれど、その過激さは常に諸刃で、自分自身も同時に傷つけているような危うさがありました。
優しく美しい表現とは対極にありながら、耽美的なものを感じるのは、そのせいでしょう。

T-REXやデヴィッド・ボウイのカバー曲などからも感じられるように、グラム・ロックの激しさ、妖艶さ、演劇性などは意図的に取り入れていたと思われます。
さらに音楽的にはヴェルベット・アンダーグラウンドのような、サイケ感も感じられます。
これらをさらに研ぎ澄ましてゆくと、E・ノイバウテンのようなノイズ・ミュージックなどへ展開してゆくのかもしれませんが、バウハウスはまだ十分に音楽的です。

ちょっと寝る前にアルバムを1枚聴いて気持ちをリセットしよう、というウチの店のコンセプトには合わなかったかもしれません(笑)。

若い頃に刺激を受けた音楽ですが、還暦を控えた今でも、なかなかに刺激的です。