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涙のROCK断捨離 30.Soft_Machine「THIRD」

ソフト・マシーン「サード」/Soft Machine「THIRD」
1971年

ロバート・ワイアットキャラバンと来れば、次はご想像通り、ソフトマシーンです。
でも、あまり書くことが無さそう・・・。
取りあえず、いつものようにCDをかけながら書いてゆきましょう。

ソフト・マシーンは、そのバンド名をウィリアム・バロウズの著書から取ったと言われているように、ヒッピーやらビート・ジェネレーションとの馴染みが深く、どうにもサイケデリックで危険な薬物の匂いがします。
カンタベリー・ロックというカテゴリーで語られることが多く、キャラバンとは双璧をなす存在ですが、ソフトマシーンの方がインテリ指数が高いような気がします。
バンドの創立メンバーでキーボード奏者のマイク・ラトリッジがオックスフォードに通っていたという情報にも引っ張られているでしょうか。
全く根拠のない個人的な印象なのですが、ロックバカのオヤジとしては、ロックよりジャズやクラシックの方が知的な感じがして、なんだか負けた感じがしちゃうのです。

親しみやすいポップ・ソングのあるキャラバンに対して、こちらはインストゥルメンタル中心で、人を拒むかのような独自の音世界が展開されます。
特に、この「サード」は、もうロックのCDラックに置いておくのが相応しいのかどうか悩むほど、前衛的なジャズ・サウンドです。
リード楽器がサックスだというのもあるでしょうし、実際にジャズ・ピアニストであるキース・ティペットのグループにいたメンバーも多く参加しています。
どの曲も聴きごたえがありますが、3曲目の「ムーン・イン・ジューン」では、ロックっぽいせめぎ合いも聴くことができます。

20分弱の曲が4曲収録された「サード」は、メロディが浮かぶようなヒット曲こそありませんが、ここで鳴っている音は、今、ライブでやっても驚かれるのではないかというレベルで緊張感あふれるものです。
決してコマーシャルな音楽ではないものの、世の中にはこういう音楽もあるのだと知ることは価値があるでしょう。

バンドの歴史において、ヨーロッパのロックにおける重要人物がいろいろと現れては消えるので、名前と参加したメンバーのバンド遍歴を追ってゆくだけでも楽しいのですが、アーティストの演奏を音から拾えるほど自分の耳が良くないのは残念です。

Spotifyでも聴けます。
https://open.spotify.com/album/111J9nxmdhyHSLNHeAL1jO?si=FCU6m9TMThGPcWkogddgpQ