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人は生まれつき「投資」で「損」を出す。〜自分自身の問題を見つめる〜※投資初心者必読

「プロスペクト理論」を小学生でもわかるように説明してみる。

※この記事は続編になりますので初めの記事から読まれる事をお勧めします。(ここをタップしてください)

理論なんて言葉が出てくると、それだけでアレルギー!という人もいらっしゃると思いますので、誰でもわかるように、平易な表現と誰もが「そりゃそうだ。」と思える部分だけを用いて説明しますので、更に詳しく知りたい方はググって見て下さい。深く掘り下げてた内容をブログに掲載させている方はたくさんいらっしゃいます。

あなたは、いきなり私とコインの裏表を当てる勝負をしなくてはならなくなりました。

私:「私に勝てば、1000万円、負けたら500万わたしに支払わなけれならない。ただ、もし勝負をしないというなら、無償で50万あげよう。さぁ、あなたの好きにしなさい。」

さて、あなたはどうするか。おそらくリアリティーをもって考えれば考えるほど、無償の50万を取る人が多くなるのでは、ないでしょうか?

ところが期待値という概念で考えると50万を取るという行動は合理的じゃないんです。

なぜか?

同じ勝負を4回すると考えてみてください。

勝負せずに50万を取る人は、200万円を確実な形でえることになりますが、一方勝負するほうは、2回マイナス500万、2回プラス1000万なので、合計するとプラス1000万ということになります。

「いや、そうなるとは限らない。4回負けてー2000万だってありうる。」

そうおっしゃるなら、こうなる可能性はどうですか?

そうなんです。確率が絡むと、結果としての未来に幅が出てくるんです。ただそれを言葉で表現するときに、「1/2の確率で、最小マイナス2000、最大プラス4000万」とは言わず、その真ん中をとって、プラス1000万というのが一般的です。そして、それを「期待値」呼びます。ですので、今回の勝負で得られる対価を正しく表現するとこうなります。

確実な200万
期待値な1000万(-2000万〜+4000万)

このように見ると、確実な200万は絶対的なのに対して、期待値な1000万は、よくわからないフワフワしたもの、確実じゃないものだというのがよくわかると思います。だから、「普通は確実な200を選ぶ、当然だ。」とあなたは思うでしょう。

ところが、投資行動を行う人にとって、「期待値な1000万」を選択できないことは「致命的」なんです。

「プロスペクト理論」と株投資

例えば、私があなたに投資の話を持ちかけるとしましょう。

「ある株が上がるから、明日それを100万円分買いなさい。1週間ほどで、100万円ぐらいの利益が出ると思うから、そこまでは待つように。もし、逆行してしまうなら、マイナス20万円で損を確定させなさい。」あなたは、言われたとおりにしました。翌日口座見ると、100万だった初期資金が110万に増えているではありませんか。ところが、株価が下がり始め、見てるそばから、110万だった金額が、109,9000円、109,800円と減っていく行きます。あなたの中から、(目の前にある確実な利益を確定させたい。クリック一つで確定できる。どうしよう・・・)という気持ちが湧き出します。あなたは思うでしょう、(とても、口座の残金が200万になるまでなんてまてやしない)と。そして、初めに私が約束した100万の利益のはるか手前、8万円で利益を確定させてしまいます。1週間後あなたは、あの株がどうなったか気になり見てみると、私のいう通りもし保有していたら100万の利益でていた値段に届いています。あなたは思うでしょう、「今回はたまたまそうなっただけで、そうならなかった可能性もあった。だから8万で利益を確定させた判断がそこまで悪いわけではない。」と。

「期待値」という性質のお金より、「確実」という性質のお金を好むので、当然そうなります。

さて、あなたは、再び、同じような投資話を持ちかけられました。また言われた通りに買いました。今度は逆行してしまい、108万だった口座の残高が、98万円にまで、減っています。少し、驚くものの、あなたはこう思います。

「マイナス20万までは、待つように言われている。まだまだマイナス10万。ここは待つべきだ。」

ここで「あれ?」と思えたあなたは、良い感覚をしてらっしゃると思います。プラス8万に対する心の動きと、マイナス10万に対する心の動きが違います。マイナス10万の時の方が心がゆったりしています。非常に危険な臭いがしませんか?

現在あなたに与えられた選択肢は2つ

確実なマイナス10万
期待値なマイナス20万〜プラス100万

さて、今度は、「確実性」を取るより「期待値性」に掛けたくなります。

どうしてそうなるのでしょう?

カーネマンの言葉を借りて一言でいうと「人間は損したくない生き物だから」ということになります。利益が出ている局面では、その利益を失いたくないと、「確実」を選択するのに対して、損が出ている場面では、損を確定させたくないので、「期待値」を選択してしまう。投資を行う人間の心理とはそういうものだとカーネマンはいいます。

さて、その後、マイナス20万には至らず、思惑通り、プラスに転じました。しかし、利益が、1万、2万と乗ってくると、また、選択肢が、「期待値」から「確実」に変わります。届くかどうかわからない100万を待つより、今目の前にある2万を確定させてたいという衝動が抑えられません。しかも、今回は、マイナスの局面をしっかり味わっているのでなおさらです。そして、またもや、あなたは100万の遥か手前で、利益を確定させてしまいます。

あなたの心の赴くままに取引をすると、損は、確実に決めたところで確定させるのに、利益は、決めたところまで待てないという事になります。つまり、あなたが取引するといつもこのような図式が成り立ちます。

損>利

全ては、期待値な1000万より、確実な50万を取りたいという多くの人が感じる心の動きから起こります。多くの人と言ったのは、全員が全員そうではないという事です。私の友人で商売上手な方がいるのですが、彼に、この質問をすると迷わず「1000万」と私を驚かせました。商売も投資と似た面があります。「将来儲かるかもしれないという期待値的なものを、目の前にある確実なものより優先させなければならない。それが出来ないなら、儲からないどころか、損する」というのを彼は感覚的にわかっていたのかも知れません。

時間管理マトリックス

この言葉を聞いたことがある人が多いと思います。ビジネススクールでよく使われているもので、仕事で成功するのに優先順位をつけるとしたら以下の4つをどう並べるか?

重要で緊急性が高い仕事
重要で緊急性が低い仕事
重要でなく、緊急性が高い仕事
重要でなく、緊急性が低い仕事

ビジネススクール受講者「このままでいいんじゃないですか?」
ビジネススクール講師「実は、一番大切なのは、二番目にある重要で緊急性の低い仕事だなんです。」
ビジネススクール受講者「え!?」
ビジネススクール講師(ドヤ顔)

という定番のやつです。(もし聞いたことがないと言う人で詳しく知りたいと言う人は、時間管理マトリックという言葉でググってくれればいくらでもあると思います。) 簡単に説明すると、「重要+緊急」というのは、クリーム対応などで、「重要+緊急性低い」といのは、将来の計画、どんなクレームが起こり得るかそういうことを考える、そのような時間の事なんですね。「目先の事にとらわれて動くのは動物、未来のことを想定できるのが人間」当然、後者が強いですよね。逆に前者ばかり追いかける会社はやがて倒産すると言われています。

投資家においても、ビジネスマンにおいても「将来を大切」にするというのが、勝利を収める要諦であると共に、逆にできないことが敗北する理由にもなっているのです。「株やFXはギャンブルだ、短期はギャンブルだけど、長期ならそれは投資だ。」なとどこからが投資で、どこからがギャンブルなのか、よくわからないと思われてる方が多いと思いますが、そこに明確な線を引くとしたら、「今日よりも明日のため」と言う姿勢なのかそうでないのか、そこだと思います。

以上がダニエル・カーネマンによって提唱された「プロスペクト理論」の中身です。私はいきなり現金を使った投資をするべきでないと別の記事で書いていますが、こう言うことがあるからなんです。現金を使わないデモの取り引きを通して、自分が損や利益に対してどう言う風に振り回されるか体験して見る。そうする事で、「では、プロスペクト理論に打ち勝つためにはどうすればいいのか?」と言う新し問いが生まれ、本当に損をしてしまう前に、対策を立てることができるのです。

今回の記事は長文になりましたが、ここまでご精読いただありがとうございました。

(デモ取引のやり方についての記事を読む。)

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