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CIA Vol.1

**なぜアメリカ?

**

料理を学びに行くと思えば、普通はフランスか日本、イタリアだろう
僕も同じことを言うに違いない(笑)

料理業界には3大料理学校と呼ばれるものがある
料理界の東大 辻調理師専門学校
料理界のソルボンヌ コルドン・ブルー
そして料理界のハーバード The Culinary Institute of America (以下CIA略)

そもそも、なぜ日本の料理学校に行かなかったのか...
地元、福岡には今やフランスでミシュランの星を獲得したシェフも多い
中村調理師専門学校
TVでお馴染みの服部調理師専門学校
コルドン・ブルーは日本にだってあるにも関わらずだ

そもそも 日本の教育方針が合わなかったから

順応できな(い)かった僕自身に問題があるのは、置いておこうか(笑)

みんなが同じことをしなければいけない
1+1=2... 
意味が分からなかった... 

別にヤンキーじゃないし、真面目な生徒でもない
若干はみ出してはいたかもしれないけど...

生徒へ配る提出物を持ってくるのを忘れた教師に、職員室から持ってこいと...
なぜ??

習字の授業で文字に薄く影をつけたりしていた
美術の授業があれば、与えられた「色」だけではつまらなくて、色々混ぜたり 
周りにあるものから抽出したりと

挫折ばかりの人生だけど、どうにか学校のテストはうまくいくときもあったりと
1つを極める努力はしてきていなかった

料理は違った...

修行を始めた当初は、叩き上げで料理学校に行かずにシェフになろうと2週間ほどだけ思ったりしていた
元々不器用で、玉葱すらちゃんと剥けない、基本の「き」の字も知らなかった

そう。
努力しないと前へ進めない
でも、やり続けたらできるようになる。
不器用な僕は、 器用な人が1回、2回でできる事に10回、100回とかかる...
そのお陰で器用な人より結果クオリティが上がった

そんな折、たまたまTVでCIAに在学中の日本人を見た。
確か「笑ってこらえて!」の何かのコーナー  
あの人「今どうされているんだろう?」...

そして、この本「料理人誕生」

好奇心を湧きたてられ、実際にCIAへ見学に行くことになった

写真では知っていたが想像以上にすごい...

マンハッタンから電車で約2時間以上離れたPoughkeepsieというなんもない街にある
寮から最寄りのスーパーまで歩いて20分ちょい...
超ストイック

そして、料理以上にこの時に魅力的だったもの。
それが入学する決定打になったかもしれない

世界中の人たちと友達になれる

SNSのお陰で今でも仲良い友達とは連絡を取り続け、N.Y、SF、メキシコやヨーロッパと世界中に友達がいる幸せ

当時、入学するためには半年以上の現場経験、シェフからの推薦状とTOEFL85点以上か相応の英語のテストのパスが必要だった

現場経験とシェフの推薦状に関しては、殆どの人たちが料理人を親に持つ環境だったようで、みんなインチキしてたらしい

飲食と無関係の家系の僕は、18歳から地元の英語の専門学校に通いながら、地元の人気フランス料理店にて、洗い場など見習いとしてキャリアをスタートさせた

修行に関しては後日書こう


無事、見習いを経て推薦状も書いていただき、英語も難色を示しながら突破し入学

所詮学校は学校

当人のやる気が全て

入学しても、毎週末マンハッタンまで電車で2時間かけていき
食べ歩き、美味しいお店や面白いお店に当たれば 片っ端から研修させてくれと頼み
食べ歩いたお店 ➡︎ 翌週には研修(スタジエ)という生活をしていた


CIAの特徴を主観でまとめると、座学が充実している!
実技においては現場で即戦えるように 「教えてる」と言う授業ではない(担当のシェフによる)
幸い、僕の担当のシェフたちは卒業までずっと学校で一番厳しいと評判のシェフたちだけだった 
お陰様で精神的にもタフになり (学校の中では)仕事も早くなった

何度怒られたことだろうか... 実技で怒られることは殆どなかったが
エッセイで「F」ワードや「Shxx」などの言葉を使ってはいけませんと(笑)

座学が充実しているのは、ただ料理をつくるだけの料理人を排出するのではなく
経営者を育てるのを念頭に置いているから。

現に、卒業生の多くは純粋な料理人より経営者やコンサルなどマルチに働いている方が多い

◯実技 授業内容

実技に関しても、以前、日本の某調理師専門学校へ講義のアシスタントへ行った時には驚いた
クラスや班の生徒全員が席に座って、和気あいあいと料理の写真を撮りながら楽しく実習を行うということや、担任の先生(シェフ)が手伝ったり、前日などにデモをするなどもなかった

教えるのではなく、自発的に考えさせるシステム 

これは後に、応用力、適応力、頭の回転の速さの底上げと大いに身になった

基本的に、次の授業の課題を与えられ、その料理を2人1組か3人1組で各々ルセット(レシピ)を調べ、制限時間内に仕上げ、シェフへ提出、片付け。
片付けまで終わったのち、完成させた料理が自分たちの食事となるため 
間に合わなければ、自分たちの料理を落ち着いて食べる暇もなく
ましてや写真を撮るなど不可能に近かった

自分のチームのことだけに集中すれば、1人で全てを仕上げることもできるので時間的にも余裕があるが 
なんだかんだで遅れているチームを手伝ったりしてしまう、インターナショナルのチームワーク

授業は全て2週間1クール
どんな授業も2週間で完了するシステムとなっている 
毎日ほぼ全ての授業において、エッセイの提出、宿題、中間テスト、卒業テストがある
膨大なエッセイのお陰でタイピングの能力が料理人とは思えないくらい僕は速い

2週間ごとの卒業テストと毎回の授業のポイント(A+〜F) F=落第、やり直しだ。

入学に学費を親に出してもらっていた僕は、父親と誓約書を交わし、クラスを一つでも落としたりした場合は、自腹で再構or退学という条件のもと、入学させてもらった。


現在は、アメリカも日本と同じく厳しくなり、怒鳴るシェフは粛清されてしまっているようだが、当時はオールドスクール大歓迎の時代!

時間内に間に合わなかったり、料理を舐めているものどもは怒号の嵐にさらされた

ちょっとおかしいかもしれないが 

僕は怒号飛び交い、軍隊さながらな緊張感に包まれた厨房がたまらなく好きだ


次は Externship編へ...

                                                                                                      To be continued...


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