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人を縛ったことはありますか

 人を縛る。一方的な行為です。
病院で治療する際に、拒否や理解が乏しい患者様に対し、ミトンや、ひもで縛り、点滴を打ったり、処置をすることがあります。
 これは、患者様の命にかかわるためです。
私も、数えきれない方の腕を縛り、足を縛りました。

 でも、これはどうでしょうか。
認知症の方がおむつを外してしまうので、縛りました。
縛らなかったとしても、鍵付きのつなぎ服を着せました。
車いすから立ち上がって危ないので、車いすに縛って固定しました。

 …していました、私。

 数えきれない方を縛り、この方法が当たり前のような毎日でした。20年くらい前の実話です。

 私が勤めていた施設が決して異常だったわけではないのです。
残念ながら。
 きっと、この時代は一般的でした。

今でも苦しい、私の黒歴史です。正直にnoteに書くことも躊躇しましたが、やっぱりほんとうにあった話で、残しておきたくなりました。

 ソワソワと落ち着かない認知症の方と一緒に歩いて時間を費やすこと。
 歩きたくて転んでしまった方の事故報告書を書くこと。
 何度もトイレに付き添うこと。

仕事は増えましたが、この時間がもてる今が幸せです。
それは、私が経験しているからこそ、実感できることです。

 今、介護の勉強をしている方には、信じられないことで、きっと経験せずに勤務することになるでしょう。 
 何度も同じことを繰り返す方にイライラし、ベッドに4点柵をし、強めの睡眠薬を使いたくなるでしょう。

 でも、人間の尊厳を失って、縛ればいい、なんてモノ扱いしてしまう感覚を、どうか異常だと思ってください

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認知症の方の昔を知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
写真つきで、リアルです。



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