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月に一本、映画とゲームのエンディングを見るという話-22年2月編

 2月は忙殺されてしまっており、何一つ手がつかないといった状況で頭がパンクしておりました。ゲームも映画も見れていない……!でも小説は読めたのでそれはそれで。音声作品の編集やら収録やらをやっておりましたのですが、そのあたりは別途書き起こしでもしてみましょうかしらね。
 それでは今月エンディングを見たゲームです。

NEEDY GIRL OVERDOSE

 WSS playgroundが開発した、最強の配信者になるゲームです。もちろんそれは上っ面の表層だけではありますが。
 ゲーム自体は非常に純粋なパラメータゲームで、コマンドを選択してパラメータを調整しつつファン数を増やしていくというプレイ感自体は非常にシンプルで、ワンプレイの時間もそこまで長い訳ではなく、試行錯誤をして何周もプレイをし、パラメータを上げたりファン数がどこまで増やせるか試してみたりと普遍的な面白さが担保されているゲームになっています。にくいですね。
 この作品の一番の肝というか、味付けはサブカルチャーアンダーグラウンドメンタルヘルス系少女の作品である事です。情緒は不安定で機嫌が良いのかと思うと一点して機嫌が悪くなり、スイッチがどこに有るか見えないタイミングで突然に手首を切り始め、精神安定剤を飲み、ドラッグをキメ、陰謀論をまくし立てながらセックスに性を出し、愛を説く訳です。デフォルメされているように描いているのにも関わらず、時折見せるリアリティ、ディティールの正確さは非常に背筋が凍る物があり、劇中でコミュニケーションを取る方法のLINEの返答には、実際に言われた経験があるような言葉が飛び出してきます。
  極端に見せて置きながらも非常に愛情がこもっており、真摯に取り組んで作られた作品です。楽しめるかどうかといえば賛否あるでしょう。ただこれはよく出来た作品だと、僕は思います。おすすめです。
 百合はありませんが。

最後にして最初のアイドル

 草野原々さんの実存主義的ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF小説です。
 は?ってなりますが、実際呼んだら津波に飲み込まれ手を掴む所もなくその奔流に身を委ね洗濯機に掛けられたかの様に頭と思考と世界を掻き混ぜられます。アイドルはSFであり、ソシャゲやガチャはSFであり、声優もSFであるといった荒唐無稽で飛躍した理論が理路整然と整理され、説得力という暴力で殴りかかってきます。何が起こってるのかを考えるよりも先に世界が展開して行き、答えを見つけるとかではなく、脳に情報を流し込まれ続けて目眩を覚える事に圧倒的な快感を見出す訳です。
 この本は短編が複数収録された作品集で、表題にもなっている「最後にして最初のアイドル」、「エヴォリューションがーる」、「暗黒声優」の3篇が収録されています。まぁ全部凄いです。一番正しい感想がすごかったになる小説にははじめて出会いました。大事なのは百合かといわれたら百合といえなくもないけど規模が大きすぎて百合と言い張れるかわからないが、まぁ百合と言えなくもないみたいな感じです。
 奔流に飲み込まれる快感を得たい人は是非に。

というわけで先月はゲーム一本と小説一冊だけ読んだのがギリギリでした。今はハーモニーを読みつつ時間を作って購入したままのOMORIをプレイ開始しようかと思っている所ですが、仕事もなかなか忙しく、VRCにも良くログインしているので、なんとなく時間を作ろうと思います。というわけで今月は頑張ろうと思います。


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