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四面楚歌 #46

四面楚歌
…周囲が敵や反対者で、孤立して、助けや味方がいないこと。孤立無援のこと。

1度は聞いた事がある言葉であり、中には学生時代に漢文で習った人もいるのではないだろうか。
四面楚歌の由来は、史記の話の中の項羽と劉邦のエピソードから出来たものである。

項羽(項王)は覇王と呼ばれていた。
その項羽軍が劉邦(沛公)軍に追いつめられた。
劉邦が率いるのは漢軍。
項羽軍は砦に立てこもった。
項羽軍は兵士が減り、食糧も尽きて、漢軍に何重にも囲まれてしまっていた。
そんなある夜の事であった。
外から漢軍が楚の歌(項羽の故郷の歌)を歌っているのを聞いた。
それを耳にした項羽は、自分の故郷である楚の国の兵士が漢軍に取り込まれてしまったと思った。(漢軍が楚の歌を歌える事はなく、漢軍が楚の歌を歌えるという事は、楚軍だった兵士が敵に寝返ったということが分かるから)
項羽は驚きを隠せなかった。

ここから、四面楚歌という故事成語が出来たのである。

四面が楚の歌。
項羽から見ると周りは敵ばかり。
ということである。

この項羽。
覇王と呼ばれていた事もあり、天下を治めていた人物である。
そんな人物もいつかは滅びるのである。

盛者必衰の理をあらはす。
驕れる人も久しからず。
ただ春の世の夢のごとし。


やはり、この文章はどこの国でもどんな時代にも通ずる素晴らしい文章である。

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