ただのお笑いファン

M-1グランプリという大会を皆さんご存知だろうか。
存じている前提で話を進める。
存じてない方は、M-1のMは萬田久子のMということだけ念頭に置いていただければ差し支えない。

私はM-1当日バイトをしていたため、昼間にオンエアされていた敗者復活戦はリアタイできなかった。
バイト終わり急いで帰宅し、本戦はなんとかリアタイできた。

先日この、リアタイできなかった敗者復活戦を録画で拝見していた。
私は個人的にママタルトのネタが一番笑った。
私はこういった漫才的な漫才をする人たちが大好きである。
“画”を想像させてくれて、想像してたらめっちゃおもろい!ってなる人たち。
笑い飯さんの鳥人やサンタウロスのネタも大好きである。あれも非常に漫才的である。
鳥人の中の西田さんのボケ「鳥と人間の境い目」とか実際にそれが見えているわけじゃないけど、想像したらめっちゃおもろくて仕方ないってやつ。
コントよりも想像力の自由度が高い漫才が私は好きだ。
言うならば、コントは漫画で、漫才は小説みたいな感じだ。コントはキャラクターのビジュがこれですよ、って決まっているのに対して、小説の中に出てくるキャラクターはこちらが自由に想像していい。
恐らく同じ小説を読んでいても、人それぞれ違うのだ。それがいい。
漫才もそこがいい。

ママタルトさんが敗復で披露していたネタの件りで、ハンモック内の肥満さんの財布がビヨーンってなってどっか行っちゃう、って件りがあったんだけど、こんなんめっちゃ好き!!
想像してたらめっちゃおもろい!
(知らん人はハンモック内の肥満さんの財布ビヨーンって何?この文章?ってなっているでしょうね)
私は笑いすぎて、一旦自分の笑い待ちするために一時停止をしたぐらいだ。
さらに私はその件りから派生し、以前生で劇場で見たママタルトさんの別のネタの別の件りを思い出し笑いしていた。

公園のジャングルジムの中に子どもたちに財布を投げ込まれて肥満さんが全く取れない、という件りがあった。
これもめちゃくちゃおもしろい。
肥満さんの財布がどっか行っちゃうっていうのがこの人たち好きなんだな、と思って面白さが増幅した。
その人たちの手癖、というか、これを面白いとこの人たちは思ってるんだという一本の線が見えた瞬間が私は面白いなと感じる。

きしたかのさんの「揺れて落ちるな!恋心じゃないんだから!」もそう。
以前きしたかのさんを劇場で生で見た時にコントをされていて、そのコントの中で唐突に“揺れて落ちる件り”が出てきたのだ。
この人たち揺れて落ちるの好きなんだな、気に入ってるんだな、というのが見えた瞬間がおもしろい。

あと敗者復活戦で特筆したいのは、ななまがりさんについてだ。
私は以前無限大ホールでななまがりさんが今年の敗復で披露した「あいのり」のネタを生で見たことがあった。
無限大ホールはすり鉢状になっていて、地下に舞台や客席が作られている構造になっている劇場なのだが、ななまがりさんがネタをした瞬間に無限ホールが地上に出た。
そのぐらいべらぼうにウケていた。
私は一昨年のM-1の1週間前になかの芸小でモグライダーさんを生で見ていた。
決勝で披露したネタ「さそり座の女」をやっていたのだが、べらぼうにウケていた。
優勝すんじゃねえか?!と嘘じゃなく思った。
他の芸人も面白かったのだが、モグライダーさんのウケ方は格が違っていた。
ファイナリストになる人はこんなにもウケるのか!と思った。
私が無限大で見たななまがりさんは、それに匹敵するぐらいウケていた。
確実にM-1で決勝いくだろうな、と思った。
ファイナリストのウケ方だった。
芸人は一般の人よりもこういった耳の記憶力が良い。
私はもっと色んなウケ方を耳に記憶したい!
いっぱいいっぱい面白い人のネタを生で見たい!
もっと肌で“ウケ”を実感したい!


ただのお笑いファンの文章になってしまった。
とにかく私が今仮に車に撥ねられでもしたら、走馬灯でジャングルジムの中の財布を必死に取ろうとしている肥満さんを思い出し、医者にキモがられながら、ケタケタ笑って死んでいくと思う。

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