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ひとりの普通の少年がいた。彼の名前は「プンプン」。当たり前の日常を当たり前に過ごしただけのたわいもない日々を知ってください。

「おやすみプンプン」 浅野いにお 全13巻

PAKU★★★☆☆ POKU★★★☆☆ BLACK★★★★☆

主人公の名前は「プンプン」。ごくごく普通の男の子。彼の態度ひとつとっても、かつてクラスに一人はいたと思われる少年だ。

しかし、家庭環境は非常に過酷。具体的なことは本編を読んで欲しい。「ありえない」身の上ではない。しかし、「あってはならない」身の上を歩む。

周りの大人たちをどこか冷静に観察しながら、プンプンは徐々に大人になっていく。ゆっくりにしかし確実に少年の成長を描いている。

何よりシュールなのが、主人公のプンプンだけが人ではない姿で描かれている。それの示す意味は、各個人で見解が違うと思うので、ここではあえて書かない。

シュールでありながら、暴力的なリアルがそこに展開していく。

決して闇を描いているわけではない。しかし、人の心には闇があるのだと嫌というほど知ることになる。

個人的には、ちょっと「NHKへようこそ」とかぶるところがある。しかし、こちらの方が闇が深い。

初恋が怖くなるかも知れない1冊である。初恋とは時に、モンスターとなる。

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