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その少女、くるぐるにして、くるぐるなかれ。操ったのは誰なのか、狂ったのは己か兄さんか。

「くるぐる使い」 原作/大槻ケンジ・作画/大橋薫

PAKU★★★★☆ POKU★★☆☆☆ BLACK★★★☆☆

「くるぐる」は造語である。この作品では“シャーマン“と位置付けられている。いわゆる占い師の類だ。「くるぐる」は狂人がなる。己の意志を持たぬ狂人が「くるぐる」になるのだ。

そういった独特の世界観は読めばすぐに引き込まれる。同名の小説が原作で、そこにオカルト作家である大橋薫さんの絵柄が見事にマッチし、独特の世界観を展開している。

上質な「くるぐる」を探していた主人公は、町外れに住んでいた少女にシャーマンの気質を感じる。主人公はなんとかして少女を手に入れたいために、恐ろしい計画を立てる。主人公の卑劣な計画のもと、「くるぐる」に仕立てられてしまった少女は主人公の「くるぐる」として旅を続ける。

主人公によって心を狂わされ「くるぐる」にされた少女。無垢な少女を「くるぐる」にしてしまった罪の意識に徐々に蝕まれ、心が狂っていく主人公。

この二人の悲しい追いかけっこが、美しく、悲しく描かれている。

漫画を読み終わった後、原作も読みたくなること間違いない。

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