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家族に手を出す奴は許さない。それがたとえ悪霊であろうと、必ず償いはさせる。

「サユリ 完全版」 押切蓮介

PAKU★★★★☆ POKU★★★★★ BLACK★★★☆☆

祖父・祖母・父・母・姉・弟、そして主人公。憧れのマイホームに引越して来て、幸せな日常が始まる。何が起きるわけでもない。しかし、“何か“は少しずつ主人公の生活を蝕み、愛する家族たちが次々と姿を消していく。

都市伝説やテレビ番組で、「人が一人ずつ消えていく家」みたいなのを見たことがあると思う。この作品が面白いところは、その「人が一人ずつ消えていく家」に居合わせた人の目線で描かれていることだと思う。主人公の家族は一人ずつ消え、最後には自分と祖父だけになってしまう。

私が持っているのは“完全版“だが、元は上下巻の2巻構成だったらしい。前半の1巻は悪霊によって人が次々と消えていく心霊現象が描かれている。後半は、それに対する主人公と祖父の反撃が描かれている。“完全版“に書かれている作者のコメントによると、1巻で買うのをやめてしまう人が多かったそうで、完全版が出たらしい。

押切蓮介さんの作品は、この「反撃」が多い。私はPAKU★POKUに関係なく、押切蓮介さんが好きで、何冊も持っている。大抵、“反撃パート“がある。私としては、POKUがあることが前提なのはありがたい。

悪霊が悪霊になった理由ももちろん出てくるが、この作品において、そこはあまり関係ない。悪霊にも悪霊になった理由があって…みたいなしんみりしたヤツは期待しない方がいい。

 

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