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BBC Radio 4

幼少期にロンドンで過ごしていた際にはまだテレビもラジオも限定的でした。今でこそ民放がありますが、当時は国営のBBCとごくわずかな民放しかなかったのですね。

BBCラジオはそのころ、1から4まであり、Radio 1がロックやポップス、Radio 2が大人向けポップス、Radio 3がクラシック音楽、Radio 4がニュースや時事問題などでした。この棲み分けは今も変わりません。私がもっぱら愛聴したのはRadio 1だけ。QueenやELOなどを聞いたのもRadio 1のおかげでした。もっとも、当時のDJたちはその後設立された民放ラジオに随分転職されてしまいましたね。

一方、一番食指が動かなかったのがRadio 4。何しろ英語が難しいですし、それより何より話題が政治や文化、宗教など多様にわたり、まったくわかりませんでした。通訳者になってからは「話題そのものを知らないと聞き取れない」と痛感しますが、まさにその状態でした。

Radio 4が面白いと感じるようになったのは、放送通訳を始めてからです。特に朝放送されているTodayという番組は、キャスターたちのインタビューが鋭いことで知られています。イギリスでは「政治家たるもの、Todayのインタビューを堂々と受けて初めて政治家と見なされる」という考えがあるほどです。

ニュースをネタにしたクイズ問題もこれまた楽しい!時事問題を知っていないとまったくわけがわからないのですが、出題者と回答者たちの会話が掛け合い漫才のようで、時事ネタでここまで盛り上がれるとは、と思わされます。

他にも船舶向け気象情報や礼拝の時間、ガーデニング番組など多種多様。Radio 4は今やネットラジオでいつでもどこでも聞けます。ありがたい時代です。

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