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ことばの手帖|佐藤友子店長×山口絵理子氏コラボトーク

3月2日、「北欧、暮らしの道具店」佐藤友子店長と「ERIKO YAMAGUCHI 」山口絵理子氏のトークイベントに参加しました。

山口さんの優しく力強いことばと佐藤店長のこまやかで精細なことばで溢れた1時間、聴いているあいだがとても幸せな時間でした。
お二人のトークから、特に心に残ったことばをまとめています。
(紹介することばは、スマホでの手打ちメモを書き起こしたものです。若干の意訳が含まれる可能性があります)

念のために解説しておくと、
北欧、暮らしの道具店…クラシコムが運営するオンラインストア。長く手元に置いて大切に使いたくなる雑貨や、着心地の良いアパレルを開発・販売。
マザーハウス…「途上国から世界に通用するブランド」をテーマにミッションにかかげるブランドとして国内外に40店舗以上を展開。ERIKO YAMAGUCHIは、同代表の山口絵理子氏が自身の名前を冠して立ち上げたアパレルブランド。

どちらも素敵なブランドです!

「ERIKO YAMAGUCHI」山口さん

まずは、マザーハウス代表である山口さんです。

「ものづくりをしていると、人とものがつながっていく瞬間がある」

コラボブラウス「hope」の開発ストーリーの中で、インドの生産工場に触れたときに出てきたことば。完全な想像だけど、お話を聞いて、真剣な目でミシンの針先を見つめながらブラウスを縫い進める現地の方を想像しました。
(実際は手縫いなのかもしれないけど…)
布地に手を触れながら感触を確かめていく人の手。そうして、ブラウスに紡いだ人の心が宿るのかもしれない。そのブラウスを誰が受け取るのか。わたし、受け取りたいなあと思いました。

「自分のためだったら辞めている。でも今辞めてしまったらこの国の『ベスト』が止まってしまう。現地スタッフの切磋琢磨を商品で体現したい、現地の引き継がれた技術がお客様に届く手助けをしたい」

トーク後半、お互いへの質問コーナーで、佐藤店長から山口さんに投げられた「どうして弱音を吐きながら何度も打席に立てるのか」という質問へのことば。山口さんが、「(途上)国」という括りでものを見ていると感じたことばでした。多くの企業がお客様のためを掲げている中(むしろそれが普通くらいに思ってました)マザーハウスらしいことばで、とても心に残りました。

「北欧、暮らしの道具店」佐藤店長


つづいて、佐藤店長のことばから。

「服を着ているときって、まわりに意識が向いている。しかし、電車で吊り革につかまったときや保育園での靴の脱ぎ履きで『わたし今大丈夫かな』と、自分に意識が向く瞬間がある。この瞬間がなくなるように商品づくりをしている」

「hope」の紹介シーンでの話。クラシコムでは服の着心地テストの一つに、電車の吊り革に掴まるポーズをするのだそう。それが山口さんにとっては衝撃だった、との流れをうけて、佐藤店長が話していたことばでした。確かに、気に入ってる服を着たときって、まわりに見てほしい気持ちになるときがあります。でも、「いやちょっと待って!!」という瞬間もあるんですよね(笑)それを的確に捉えていることに私も感動したし、文章や構成もそうだなと、ハッとさせられました。

「人に思いを馳せるために、自分の感情を大切にしている。例えば、ルミネの上の階でボトムスを買ったとき。すごくウキウキしているのに、それに合う靴下・靴がなくて不安になり、下の階で靴下と靴を買わなきゃとなる。このときに感じた不安という感情を覚えておく」

こちらも質問コーナーから。山口さんから佐藤店長に向けられた「クラシコムではどういう起点で商品開発するのか」という質問からでした。お客様の悩みからできあがるのか?という問い方だったと思います。それももちろんあるけれど、と前置きした上で、佐藤店長がお話したのは「自分の感情」と上のことばでした。
自分以外の誰かに思いを寄せるって、すごく難しい。私も文章を書きながら、「憑依…!」と唱えることが何度もあります。自分の感情なら分かるけど、目の前のできごとや違う考えに切り替わってしまうと、一瞬の大事な感情も忘れ去ってしまいやすいもの。だからこそ、この言葉にとても共感しました。ちょっとしたときに動いた感情や感覚、流れてしまわないように残しておきたい。


どちらも好きな2つのブランド。参加する前は「何となく雰囲気が似ている」くらいの感覚でしたが、トークを聞いて、私がそれぞれに共感するポイントが、実は違うのに気づきました。

山口さんなら、現地のものづくりを応援する気持ち。
佐藤店長なら、くらしの中の自分の感情に向き合う姿。

それぞれ共感したところは違うけど、どちらも私のありたい姿であることに気づいて、改めて2つのブランドがコラボすることが嬉しく思いました。

お二人が形にした「hope」、発売が楽しみです。

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