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トランス状態の映像表現方法。Requiem for a Dream


お金は好きですか。
お金が絶対的なものだった時代から少し変わってきた。
お金だけが絶対的なものではなくなってきた現代。
お金以外のいろんなものに関心がいくようになってきた。
情報。信用。技術。人材など。
絶対的なものが崩れてきたことで、
すがるもの、目指すものがぼやけてしまい、
いろんなものに依存しやすくなっているのかもしれない。
世の中には様々な誘惑が潜んでいる。
何かに依存するあまり現実が見えなくならないようにしたい。


映画「Requiem for a Dream(レクイエム・フォー・ドリーム)」は、平凡な生活を送っていた男女4人がテレビ、ダイエット、夢、お金、恋人、麻薬に依存することにより現実逃避したことで人生を崩壊させてしまう物語だ。
登場人物全員がものに依存することでトランス状態となっている。
本作品では以下のような手法により、日常とは異なるその状況を表現している。



1. 瞬間的にカットインされる麻薬でトリップするシーン
このシーンが繰り返されることにより、映画全体としてテクノをきいているような心地よさとなる。


2. 回転しながらズームアウトしていくカメラワーク
これにより、めまいを疑似体験する


3.ひとりの人物を客観視したものとその人物自身の視点を同時に見せる画面分割


4.人物を半透明にし、重ね合せる


5.日常的な音を物理的に編集する
浴槽の中で叫ぶ、食事中の咀嚼音を強調する、テレビ画面の同じシーンを反復する、普段動かない冷蔵庫を動かす


6.魚眼レンズのように周囲を歪める


7.ひとつのシーンの中に再生速度の異なるものを重ね合せる
路上を歩く人物と高速再生させた通行人を重ね合せる。早送りした日常と時計を重ね合せる。


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Requiem for a Dream(レクイエム・フォー・ドリーム)
ジャンル:ドラッグムービー
     見た後落ち込む映画のため、ネガティブなときには見ない方がよいが、様々な映像加工技術が駆使されている点がおもしろい。
公開:2000年
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演者:ジャレッド・レト(ハリー・ゴールドファーブ)
    エレン・バースティン(サラ・ゴールドファーブ)
    ジェニファー・コネリー(マリオン・シルヴァー)
    マーロン・ウェイアンズ(タイロン・ラヴ)


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概要:
平凡な生活を送っていた人々が様々なものに依存することによって人生を崩壊させていく物語である。登場人物は主人公ハリーとその母親サラ、友人タイロン、恋人のマリオンだ。サラは一日中テレビを見る生活送っていたが、ある日テレビの出演依頼がくる。そこで、ハリーの高校卒業式で着たお気に入りの赤いドレスを着ようとするが、当時より太ってしまっており、着られない。ダイエットのため、医師に処方された薬を飲み始めるが、その薬には麻薬が混入されていた。その上、ダイエットを急ぐサラは薬を過剰に摂取し始め、幻覚を見始める。そして、テレビの出演日についての連絡がないことに苛立ち、テレビ局に押しかけるが、異常な言動に気づいたテレビ局職員によって病院に運び込まれる。テレビ出演に向けて憧れの容姿を目指していたサラであったが、病院で電気ショック療法などの処置を繰り返し受けたことにより、やつれ果てみすぼらしい姿となってしまう。一方、サラの息子ハリーは、タイロンとともに、麻薬の密売を始め、デザイナー志望の恋人マリオンと交際を始める。しかし、タイロンは麻薬密売で得たお金で親孝行するつもりであったが、逮捕され保釈金として麻薬密売のための資金をすべて失った上、再度逮捕され、強制労働の日々を送ることとなる。ハリーの影響で麻薬を始めたマリオンであったが、タイロンの逮捕に伴い、麻薬を失ってしまう。すでに麻薬中毒となってしまっていたため、麻薬を手に入れようと必死になり、売人に体を売ることとなってしまう。ハリーは、マリオンとともにアパレルショップを開くことを夢見ていたが、麻薬を連続して注射した腕が壊死してしまい、片腕を切断され入院生活を送ることとなってしまう。このように、映画「Requiem for a Dream(レクイエム・フォー・ドリーム)」では、平凡な生活を送っていた男女4人がテレビ、ダイエット、夢、お金、恋人、麻薬に依存することにより現実逃避したことで人生を崩壊させてしまう物語だ。


画像参照元:YouTube


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