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世界で唯一のベンベルグ®︎の生産地

ベンベルグ®︎ラボ第5講は、旭化成株式会社創業の地である宮崎県延岡市に一泊二日で遠征し、延岡工場で生産されている<ベンベルグ>原糸とナイロン66繊維<レオナ>の製造工程、及びその関連製品について学びました。

<ベンベルグ>原糸の紡糸工程は、なかなか見ることのできない特別な機会。クリスマスに浮き立つ世間をよそに、空港の出発ロビーでいまかいまかと出発アナウンスを待つ彼らの姿に、繊維に魅入られた彼らの気概を感じずにはいられませんでした。

延岡工場に到着後、<ベンベルグ>工場管理室室長から延岡工場の歴史とコットンリンターが糸になる紡糸工程について、詳しく説明をしていただきました。

延岡工場は2018年で設立87年目を迎える歴史ある糸の生産工場。諸外国の<ベンベルグ>事業が途絶えてくなか、なぜ世界で延岡だけが唯一継続して生産を続けていられるのか。それは、原液の製造工程で排出される廃棄物を再び原料としてリサイクルする”回収技術”に優れていたことが大きいと言われています。この回収サイクルは地域環境への負荷が少なく、製造コストを抑えることにも繋がりました。また、独自の”高速紡糸技術”を作り上げ、より効率的な生産が可能になったことも要因だそうです。

自然環境に配慮しながら、常に高みを目指す技術者たちの探求心が実を結び、延岡<ベンベルグ>工場の現在があります。

続いて、主原料となるコットンリンターが「原液」になるまでの原液工程を始め、「原液」が紡口を通り紡糸漏斗に押し出され、繊維状の糸になるまでの紡糸工程を解説していただきました。

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ひととおりの説明が終わり、2班に分かれ工場内を案内していただきました。延岡工場では、原液工程、紡糸工程、検査工程などの<ベンベルグ>の生産作業に約500人のプロフェッショナルがたずさわっています。

原液が紡糸漏斗から流れ落ちて糸になり、徐々に精錬されていく様子はここでしか見ることのできない貴重な体験です。

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延岡工場の見学終了後、延岡市内を見渡せる愛宕山に向かいます。1931年に旭化成創業者が工場建設の候補地として愛宕山におとずれた際、山頂から市内を一望し、この地に工場の建設を決めたそうです。ベンベルグ事業を可能にしたのは、延岡の豊かな天然資源があればこそ。産地を堪能してもらったところで延岡遠征の一日目は終了しました。

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延岡遠征二日目は<レオナ>繊維工場の見学です。まずは、樹脂・原料工場と繊維工場の2工場体制で運営する<レオナ>工場の説明と、ナイロン66繊維、<レオナ>の生産工程について解説いただきました。その後、作業服に着替え工場内を見学。<レオナ>と<ベンベルグ>の生産工程や性質、合成繊維と再生繊維の違いがよくわかりました。

ナイロン66繊維は、生産をスタートした当時は女性用ストッキングを生産していた時期もあったそうですが、現在では産業資材としての用途をメインに生産しています。

見学終了後は旭化成延岡展示センターに移動し、延岡・日向地区にある各工場の説明や、旭化成株式会社の開発した製品の数々を体験させていただきました。

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今回の延岡遠征では旭化成株式会社の成り立ちや、<ベンベルグ>と<レオナ>の生産工程を通して、これまでとは違う角度で”ものづくり”に対する理念を学びました。
最終講では、これまで<ベンベルグ>ラボで学んできたことをアウトプットする、プレゼンテーションがおこなわれます。彼らの自由な発想からどのような提案が生まれるのか、楽しみが大きく膨らむばかりです。

事務局


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