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-富士吉田産地遠征レポート-

<ベンベルグ>ラボ2期の第5講では、先染め高級織物の産地として古くから知られる山梨県富士吉田産地の見学を行いました。今回は受講生に加え、修了生や旭化成株式会社のコーディネーターの方々など、職種や経験もさまざまなメンバーが新たに集結。より広い視点で<ベンベルグ>の生産工程を学ぶことができそうです。

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最初に訪れた富士技術支援センターでは、繊維技術部主任研究員の五十嵐哲也氏による講義が行われました。センター内にある実際の織機に触れながら、ドビ ーやジャカードの基礎を学びます。また、センター内にある製品の品質や機能性を調べる研究施設も見学しました。

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中盤は「織物産地から見たテキスタイルデザイン」をテーマに、機屋さん目線で生地の作り方や考え方を教わりました。「素材」「糸の風合い」「染色方法」「糸密度」「組織」「加工」など、その仕様ひとつで織物はガラリと変わります。求められるテキスタイルのイメージを具現化する織工さんたちの気が遠くなるほどの努力がよく伝わりました。

講義の最後には、江戸時代に生産されていた山梨産地の誇る絹織物「甲斐絹」を紹介。甲斐絹のもつ「先染め」「精巧」「軽い」「高級」といった技術は、ハタオリマチ富士吉田の伝統として、いまにしっかり受け継がれているそうです。

昼食を挟み、<ベンベルグ>裏地が織り上がるまでの工程を各工場で学ばせ ていただきました。株式会社富士セイセンでは、「染色」と「整理加工」を見学。染色には「先染め」と「後染め」の 2種類あります。さらに先染めに は「チーズ染め」と「かせ染め」など様々な技法があります。資料室では、これまでに工場で作った糸のサンプルを回覧。

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続いて<ベンベルグ>裏地を手がける「撚糸屋」さん、「整経屋」さん、「機屋」さんをそれぞれ訪問。それぞれで工程について丁寧に説明いただきました。少し作業を体験させていただきましたが、「糸を機械にかける」そんな何気ない動きひとつさえマネすることができません。

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産業とくらしが密接に絡み合いながら、山梨ハタオリ産地としての伝統を守ってきた富士吉田。<ベンベルグ>裏地の高い品質となめらかな美しさは、多くの工場さんたちが受け継いできた知恵と技。そして豊かな自然が織り上げる、 ハタオリマチの文化そのものでした。

一度見ただけではわからないこともありますが、これをきっかけに学びを続けていきます。見学させていただきました皆さま、ありがとうございました!

次回は、「尾州」遠征です!

※ベンベルグ®は旭化成の再生セルロース繊維・キュプラのブランドです


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