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空に浮かんだドア


スティールパンが極彩色に鳴り渡る、雲がちな晴れ模様。半袖にはまだ早いほどの耳鳴りが魂を抜かれた顔をする。バルコニーに干しておいた昼をすっかり裏返しにして、もう少しだけの狸寝入りが続いている。天使は現象だけど、一向に降らない雨に不安のひと欠片も含まないとはなんとも能天気な事だ。艶やかな黄身が揺れる色調で薄く引き伸ばされた膜、God bless you.それを前提にとすら意識しないのが我々(ひとりだが)。名前も分からない鳥達も鳴き合ってこぼれている、白い白い窓越しに少しだけ甘く後悔したようだ。夢の住人の声がこれ以上響かないよう頭蓋骨の内側を膨れた毛布で雑にデッドニングする。


※↓こちらのお題を使わせていただきました


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