写真: 2024/1/20 石垣島川平湾のウミガメ

石垣島に行ったので、石垣島の特産品の一つ、トビウオについて紹介します。

トビウオは太平洋、インド洋、大西洋の亜熱帯から温帯の海に生息する海水魚で、世界で50種ほど、日本近海でも30種弱ほどが知られています。

トビウオが飛べるのは？

トビウオが飛べるのは、外敵から逃げるために進化したからだそうです。水中ではマグロやシイラなどの泳ぐのが速い捕食者に追いつかれてしまうので、水面から飛び出して逃げるのです。
トビウオは大きく発達した胸ビレや腹ビレを翼のように使い、尾ビレで水面を叩いて空中に飛び出します。飛行のための軽量化で、骨密度が低く、胃もない無胃魚で、食べた餌をすぐに消化するそうです。トビウオの飛行距離は約300m～500m、飛行速度は時速約60kmにもなります。


イカも飛べます。

トビイカは、全長30cmほどで、水面から飛び出して空中を滑空することができます。水中を高速で泳ぎ、水を勢いよく吐き出して水面から飛び出します。このとき、腕をたたんで水の抵抗を減らし、空中では、腕とヒレを広げて翼の役割を果たし、浮力を得て滑空するそうです。トビイカの飛行距離は30m～50m、飛行速度は時速約36kmです。

タコはどうでしょうか？

タコは飛べません。タコもイカも水中で水を吐き出してジェット噴射で移動しますが、イカは空中で飛ぶときに水ではなく空気を吐き出します。タコはイカと違って水と空気の切り替えができないので、水面から飛び出すことはできません。
その代わりに、タコは色や形を変えたり、貝殻や瓶などを使って身を守ります。タコの頭が大きいのは、複雑な知能を持っているからで、9つの脳を持っていて、各足にも脳があるそうです。タコは、例えばビンの蓋を開けるなど、道具を使ったり、パズルを解いたり、学習能力が高いことが分かっています。また、タコは鏡に映った自分の姿を自分だと認識することもできるそうです。これはチンパンジーやイルカなどのごく一部の動物にしか確認されていない高度な認知能力です。タコとイカは同じ頭足類に属しますが、それぞれに適応した進化をしてきたようです。生物の進化って凄い。


話しが逸れましたが、トビウオとトビイカに戻ります。

トビウオもトビイカも美味しいと言われています。トビウオは淡白であっさりとした味わいで、もちもちとした食感があります。トビイカはコリコリとした歯ごたえと甘みが特徴です。どちらも刺身や煮物、揚げ物など様々な調理法で楽しめます。

トビウオは低カロリー、高タンパクでビタミンやミネラルが豊富です。

トビウオは脂肪分が少なく淡白な味ですが、沖縄のトビウオは、他の地域のものよりも脂がのっていると言われています。ビタミンEやビタミンB12、ナイアシンなどのビタミン類や、リンやマグネシウムなどのミネラル類も豊富に含んでいます。また、不飽和脂肪酸やアミノ酸も多く含まれており、動脈硬化や心筋梗塞の予防や、二日酔いの緩和などの効果も期待できるそうです。

トビウオは夏が旬とされていますが、沖縄では冬にも美味しいトビウオが水揚げされ、刺身や塩焼き、唐揚げなど様々な料理に使われています。トビウオに合う調味料として、石垣島の生ポン酢がおすすめです。もろみ酢の原液とシークヮーサーなどを使った非加熱のポン酢で、トビウオの旨みを引き出します。また、トビウオの卵はトビッコと呼ばれ、珍味や寿司ネタになります。トビウオは出汁の原料としても利用され、九州や日本海沿岸ではアゴと呼ばれる練り物やあごだしに加工されます。

トビイカは沖縄県や鹿児島県島嶼部でしか食べられない貴重な魚介類です。

トビイカは夏から秋にかけて漁獲されるイカで、方言ではひんがーいかと呼ばれています。トビイカは煮付け、刺身、干物などの食べ方があります。特に、天日に干したトビイカは夏の風物詩で、ビールのつまみに最高だそうです。

トビウオも一夜干しは美味しいです。一夜干しとは、魚を塩水に漬けてから乾燥させることで、水分が抜けて旨味を凝縮される方法です。トビウオとトビイカは、脂が少なくて淡白な魚なので、一夜干しにすると風味が増します。旬の時期に新鮮なものを選んで食べると、より美味しく味わえます。

日本酒にも良く合います。

トビウオの刺身には、まろやかな酒が良く合います。ぬるめに燗をつけることで、柔らかさを出すのも良いかも知れません。トビイカの刺身には、ある程度ミネラルを感じる硬めの酒質がおすすめです。いずれの場合も、濃醇なタイプのお酒は淡白なトビウオやトビイカが負けてしまうので避けた方が無難です。また、酸も強くないほうが良いと思います。

沖縄に行ったら、是非、沖縄のトビウオやトビイカも試してみてください。

P.S. 記念に絵も描いてみました。

Fini