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猫屋奇譚コピー本 そこ文委託参加

第九回 2023年12月10日(日)そこの路地入ったとこ文庫
11:00~16:00、入場無料
烏丸御池「Cafe YoKoSo」さんにて開催予定
京都二条城の近くにありますカフェでのイベントです!
主催様のnoteリンク☟です。
https://note.com/sokoroji_kyoto/n/nf3c50fcbbe7c?sub_rt=share_h

コピー本で委託参加をします。
猫屋奇譚 干支鈴 2話収録 200円
猫屋奇譚 竜胆  2話収録 200円
こちらの2冊になります。

猫屋奇譚とは。
喫茶店猫屋を営む陰陽師である橘が、従業員であり鬼である晴に烏天狗の乾などとともに猫屋に持ち込まれる非日常世界の依頼に取り組む。
そしてその依頼は生きている人間だけでなく、亡者に物の怪からも持ち込まれる。
和奇譚 和風ファンタジーになります。


猫屋奇譚 干支鈴

☆「猫屋奇譚 干支鈴」
2023年11月に発行しました「猫屋奇譚 百鬼夜行」から
最終話「干支鈴」とひな祭り奇譚「弥生」2話をコピー本に仕立てました。
「百鬼夜行」は4話からなる連作となっています。薬師と呼ばれる鬼がキーワードとなり、猫屋の従業員であり鬼である晴が語り手となって話が進んでいきます。連作ですが、最終話である干支鈴単体でも楽しめます。
「弥生」は化け猫である紺青と、たたりもっけの話になります。

干支鈴 冒頭部分
【干支鈴】
 1
猫屋。
十二月も残すところあと二日となった。はっきり云えば今日は三十日で明日は大晦日となった。
猫屋の店内を飾り付けていたクリスマスツリーにサンタの置物もすべて店二階の押し入れに仕舞った。
橘さんは今は正月の飾りつけに余念がない。ホームセンターで購入したお飾りに鏡餅は大安吉日に僕も手伝って飾った。
童子らが隣の店の婆さんと出かけた酉の市で買った熊手はカウンター後ろの棚に飾ってある。
だけどここまできて正月の飾りつけに欠かせない品が足りないと始まった。
「晴君、何処かで見ませんでしたか」
「見たって何を」
「干支の置物ですよ。干支鈴です。私も集めてみようかなんて思いまして」
「へぇ、見てないから。そこらにあるんじゃないの。まさか自分で歩いて何処かに行っちゃったなんて」
「歩いてなんて考えられませんね。箱から出して見て、その時はまた仕舞ったんです」
「まさかと思うけど、クリスマスの飾りと一緒になってるんじゃないの。もう明日でいいんじゃない」
「そうですね。そろそろ時間ですし」
今年最後になるだろう陰陽師組合からの依頼人が来る。
本当は今日は僕と橘さんで忘年会の予定だった。猫屋を閉めてからだから、夕飯を食べて飲むだけだけど楽しみにしていたのに。
橘さんも正月三が日が過ぎてからでは如何ですかと組合を通して聞いたらしいが、どうしても今すぐにでも相談をしたいらしい。
ぎぃ、猫屋のドアが開く。
「いらっしゃいませ」
「ここは猫屋ですか。陰陽師組合から紹介をしてもらった竹田と云います」
「お待ちしておりました。どうぞカウンター席にお座りください」
橘さんは依頼人をカウンター席に誘導しながら僕に目くばせをする。ドアが開けっぱなしだった。風が吹き込み、暖房で暖めた店内が冷えるのを感じる。
「紹介状を確認させてください」
「これです。急いでいます。すぐに何とかしたいんです」
「お急ぎのようですが、お話を聞いて今すぐにどうにかなるかは分かりませんが」
「分かっています。ですが時間が無いものですから」
 僕は会話を聞きつつドアをしっかり閉めて、カウンター内に戻った。
「では伺いましょう」
「はい。お願いします」
竹田が背を伸ばし、座り直した。


猫屋奇譚 竜胆

「猫屋奇譚 竜胆」悲しんでいるあなたを愛する
「竜胆」と「春一番」2話収録。

悲しんでいるあなたを愛するは竜胆の花言葉になります。
2冊目のコピー本を仕立てるにあたり、猫屋奇譚の中でも特に気に入っているこの「竜胆」を選びました。

「竜胆」
会いたい人間がいると猫屋の橘を訪れた半面の物の怪竜胆。
物の怪である自分と会って人間に触りがあるといけないから、橘に一緒に来てしてほしいと依頼をする。
時を同じくして猫屋の従業員である晴と烏天狗たちの動きが活発化していた。竜胆の昔の手下達が集結を始めており、晴らと縄張りを争う事態にまでなりつつあった。
橘は烏天狗らにその昔に竜胆に何があったのかの話を聞き、何故、竜胆は人間に会いたいのか、そしてその人間とは誰なのかと考えることとなった。


12月10日の開催とは別に主催者様が通販もしてくださります。
宜しければ猫屋奇譚もお買い物リストに加えてくださいませ。
開催概要に通販詳細は主催者様のnoteにてお願いします。
上の方にリンクを貼っています。