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ファイナルラスト! 最後のリーグウィークエンド観戦ガイド!

みなさんこんにちは。さねとみです。

みなさん楽しくマジックしてますでしょうか。僕は前回の記事を書いて以降、STX CSに向けて調整したり、STX CSに向けて練習したり、STX CSに向けて修行した結果、STX CSで初日落ちして落胆のあまり幼女になったり幼女になったり幼女になったりMOCSミラーの前座したりしてました。(支離滅裂)

しかし、僕が幼女になっていても時の流れは止まってくれないわけで、いつの間にか最後のリーグウィークエンドが今週末に迫ってきています。
そこで今回は、前回に引き続き今のMPL・MRLリーグの状況を確認しながら、今のスタンダードと(ネタバレ:前回とあんまり変わりなし)、今のヒストリックについてちょこちょこ解説していこうかなと思います!(ちなみに、前回、最近MOCSを優勝された日本No1ストリーマーより「長い!」というコメントを頂いた為、今回は5秒で内容を知れる「まとめ」の項を用意しました。結論を先に読みたい場合は、目次より「まとめ」にジャンプしてください!)

なお、今回のリーグウィークエンドは、石川朋彦さん&ブルナー実久さんのコンビが、公式チャンネルにてミラー配信を実施予定!
贔屓の選手のチャンネルと合わせて、公式チャンネルを開いておくのが個人的にはお勧めですよ!


1.ファイナルグランドラスト!プロリーグの最終局面!

さて、まずはMPL・MRLの現状確認から。
今回のリーグウィークエンドでついに、この長かったMPL、MRLリーグにおける最終順位が全員確定することとなります!
各順位の人間が、それぞれの順位に応じて世界選手権に出場したり、ガントレットに進んだりするわけですが、その内訳を今ここでもう一度確認しておきましょう。

なお、この項の執筆に際しては、ハマキッズの一員であるMusukoさんのスプレッドシートを大いに参考としております。リーグウィークエンド実施中も、リアルタイムでバシバシ更新されていくため、観戦中はこちらのスプレッドシートを開いておくのがお勧めです!
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1xArmccm7kzKi-Vx-hAwmo0wrnwT1okeQGUCrqdoYZ1E/edit#gid=0

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上記の表が現在どのように埋まっているのかを見ていく前に、今更ですが、そもそもこの先にあるガントレットって何なの?という話をしたいと思います。
ガントレットには「チャレンジャーガントレット」、「MRLガントレット」、「MPLガントレット」の3種類あるのですが、「チャレンジャーガントレット」とその他二つのガントレットは実は少し立ち位置が違います。
まずは、チャレンジャーガントレットの説明を見てきましょう。

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(出典:https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034158/)

各スプリットチャンピョンシップ(CS)というのは、つまるところこれまで実施されてきたゼンディガーライジングCS、カルドハイムCS、ストリクスヘイブンCSの三つの大会のことです。

これら三つのCSのいずれかで、MPL・MRLを除外した上位8人ないしは、11勝4敗以上の成績を収めたプレイヤーが、このチャレンジャーガントレットで争うこととなります。

そんなチャレンジャーガントレットのプライズはやはり豪華です。
【チャレンジャーガントレットのプライズ】
・1~4位:2020-2021シーズンのMPL+「第27回マジック:ザ・ギャザリング世界選手権」への出場権
・5~12位:「ライバルズ・ガントレット」へ進む
・13~24位:2021-2022シーズンに開催されるいずれかのイベントへの招待

一発MPLのチャンスがあるだけではなく、12位までに入れば、最低でもライバルズ、ワンチャンスでMPLというライバルズガントレットに進むことができます。
先日発表された通り、来シーズンはMPL・MRLによるリーグ戦は実施されないのですが、契約上報酬に関してはしっかりと支払われる様子。
詳しい額は知りませんが、MPLの報酬は5万ドル(約550万円)、MRLの報酬は3万ドル(約330万円)とも風の噂に聞いているので、言い換えればこのトーナメントは、
1~4位に入れば賞金550万円+世界選手権出場、5~12位までに入れば賞金330万円という、おそらくMTG史上最高のハイバリュートーナメントともいえるのではないでしょうか。

なお、このチャレンジャーガントレットには、KushiroさんKeisuke satoさんYohei Nomiyaさんの3名が参加することが決まっております。今からお三方の活躍が楽しみですね!

では次に、このチャレンジャーガントレットの先にあるMRLガントレットとMPLガントレットがどのような大会なのかを見ていきましょう。
この二つはよく似た構成をしていますが、端的に説明すると「ガントレットのプレイヤーがMPL・MRLどちらになるのかを決める大会」です。(言い換えれば、このMPL・MRLガントレットのプレイヤーがチャレンジャーになることはありません)

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(両図出典:https://mtg-jp.com/reading/publicity/0034158/)

出場条件は異なるものの、MPL・MRLガントレットの違いは、MPLになれる人数だけです。

1.1世界最強MTG星人集団!MPLの今!

さて、このリーグの先に待っているものを確認したところで、各リーグの現状を確認していきましょう。まずはMPLから。

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灰色で塗りつぶされているプレイヤーは、これまでのリーグで既に順位が確定しているプレイヤーです。なので、今回のリーグウィークエンドでは3位のセスマンフィールド選手から、18位のリー・シー・タン選手までの16人で争うこととなります。
それを踏まえて、リーグの見どころを探っていきましょう。

①Rei Sato選手の世界選手権出場をかけた戦い

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Rei Sato選手は現在40点で8位につけています。MPL確定&世界選手権出場のボーダーラインまでは3点差と、少し開きがあるように見えますが、今上位にいるプレイヤーでも、何かのきっかけで大きく停滞してしまうのがリーグの恐ろしいところ。
例えば、今3位(49点)のセスマンフィールド選手なんかは、前回のリーグ開始時点では5位(35点)でした。しかし、前回のリーグを8-2で終え、その後STX CSでトップ8に残った結果、一気に14点を獲得し不動の3位に踊り出ました。
一方で、前回のリーグ開始時に2位(41点)だったガブリエル・ナシフ選手は、前回のリーグで2-8とつまずいてしまった後、STX CSでも加点がなく、現在4位(43点)と、5位以下のプレイヤーの射程圏内にまで後退してしまいます。

今回のリーグでRei Sato選手が大きく勝ち越すことがあれば、4位から7位のプレイヤーを飛び越して、世界選手権出場の権利と来季のMPL枠確定の座を射止めることも不可能ではありません!
Rei Sato選手の活躍に期待しましょう!

②Ken Yukuhiro選手のMPLガントレット出場を守る戦い

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現在11位(38点)に位置しているKen Yukuhiro選手。直近ではセカコロ本戦に出場するためのデッキを決めるための配信内にて、オリジナルデッキを組み上げいざ初回回しだ・・・!というタイミングでデッキ提出期限の時刻となり、慌ててデッキをサブミットした(つまりそのデッキを回した回数は・・・)という事件があったりと、日本MTG業界を楽しく盛り上げてくれていますが、現在はMPLガントレットへの出場圏内にとどまっています。
とはいえ、ライバルズガントレット圏内のボーダーラインは37点と、その差はわずか1点差。余談を許さない状況と言えるでしょう。
現状維持ができればいいという見方もあるかもしれませんが、その現状維持が難しいのがMPLの戦い。
毎回独創的なデッキで観戦者を楽しませてくれるKen Yukuhiro選手ですが、果たして今回のユクヒロスペシャルはKen Yukuhiro選手のMPLガントレット出場を守ってくれるのか。今から楽しみですね!

③Shota Yasooka選手の躍進

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日本が誇るコントロールマスター Shota Yasooka選手は、現在17位(35点)と、ギリギリライバルズ降格圏内に位置してしています。しかし、その上のステップであるライバルズガントレットまでは1点差、さらに上のステップであるMPLガントレットまでは2点差と、まだまだ逆転可能な圏内です。
とはいえ、周りのプレイヤーが世界の頂点に位置するMPLにおける2点差です。勝率50%でも「うまくやった」という評価になる過酷なリーグの中では、この2点差も高い壁となることは想像に難くありません。
しかし、そこはShota Yasooka選手。世界中のプレイヤーが認める巧みなプレイで、華麗に2点差を跳ね返す姿が週末見れることを楽しみにしましょう!

1.2 鎬を削るMTGの達人達!MRLの今!

では次に、ライバルズリーグの現状と見どころを確認していきましょう。

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①Yuta takahashi選手、Riku Kumagai選手のMPL・世界選手権へのデッドヒート

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Yuta Takahashi選手は現在5位(43点)、Riku Kumagai選手は6位(42点)。現在のMPL確定&世界選手権出場ラインは44点ですので、なんとその差1点と2点!この二人は、まさにMPL確定&世界選手権出場をかけたデッドヒートの中にいると言えるでしょう。
競う相手はチャネルファイアーボールの総帥LSVと、敵もかつてないほど強大ですが、Yuta Takahashi選手とRiku Kumagai選手ならあるいは!
二人の戦いから目が離せませんね!

②Shintaro ishimura選手のMPLガントレット出場を守る戦い

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RizerことShintaro Ishimura選手は、現在16位(38点)と、MPLガントレット出場圏内。今回のリーグを乗り切ることができれば、このままMPLガントレットに出場できそうですが、1点下の37点はライバルズガントレット圏内と、余裕しゃくしゃくというわけではないようです。
誰もが想像しないような、ユニークなデッキを持ち込むことで全世界のプレイヤーを楽しませてくれるShintaro Ishimura選手が今回持ち込むRizer印のデッキは、果たしてMPLガントレット出場を守ってくれるのか、今から楽しみですね!

③Yoshihiko Ikawa選手とKenta Harane選手のMPLガントレットを目指す戦い

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Yoshihiko Ikawa選手とKenta Harane選手は、それぞれ25位(36点)・16位(36点)と、二人してちょうどMRLリーグの中間の順位につけています。現時点ではライバルズガントレットへの出場圏内にいるものの、MPLガントレットへの出場ラインまでは後1点!十分射程圏内と言えるのではないでしょうか。
しかし、その1点の間には5人ものプレイヤーがひしめき合っている超団子状態。こうなると、1勝の差が大きく順位に影響してくることは想像に難くありません。
二人がこのMRL過密地帯から抜け出し、MPLガントレットに歩みを進めるのか、固唾を呑んで見守りましょう!

2.環境末期!スタンダードの「答え」とは?

さて、お次はスタンダードが今どのような環境なのかを確認していきましょう。
とはいっても、前回のSTX #2から新しいエキスパンション、及び禁止カードが出たというわけではない為、環境に大きな変化はないものの、それでも細かい動きがあるのがマジックの常。
スタンダードにどのような変化があったのか、直近の大型競技イベントである、ストリクスヘイブンCS、及びセカッピーコロシアム決勝大会を参考としながら、ひも解いていきましょう。

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2.1 新たな新New Challenger!! ヴァドロック変容登場!

ストリクスヘイブンCSは、使えるカードプールがSTX #2と変わらない為、メタゲーム自体に大きな変化はないと(さねとみの中で)予想されていました。
細かな変化でいうと、STX#2の結果を受け、セスマンフィールド選手の活躍こそあったものの、全体で見ればどちらかというと負け越しの多かったイゼットドラゴンがポジションを下げ、イゼットドラゴンに不利だったサイクリングや、単色アグロがポジションを上げるのかなといった程度です。

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そんな中で迎えたストリクスヘイブンCSのメタゲームがこちら。

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(出典:https://mtg-jp.com/coverage/stxchamps/article/0035100/)

お馴染みのデッキが勢ぞろいですが、一つこれまでになかったデッキが登場しています。そう、JESKAI MUTATEこと、MFC(Masuda Fainel Crash)です。

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(出典:https://mtgmelee.com/Decklist/View/141657)

存在自体は昔からしていたものの、競技性のあるトーナメントで使用されることが少なかったこのデッキは、マイナーなコンボデッキとしてあまり注目されることがなかった印象ですが、ストリクスヘイブンCSにおいては、チーム増田こと日本人プロチームが調整して持ち込んだ結果、メタゲームの一角を占めることとなりました。(デッキの動きなどについては、日本が誇るMFCマスター増田さんの記事を読みましょう!)

結果的にMFCことジェスカイ変容は、ストリクスヘイブンCS スタンダードの部において最も成功したデッキとなり、以降の大会においてもメタゲームの住人として定着することとなりました。

また、ナヤアドベンチャーがメタゲーム上の数を増やしていたのもストリクスヘイブンCSの特徴だと言えるでしょう。ナヤアドベンチャーは、デッキは強力なものの、環境で最も数が多いスゥルタイ根本原理に不利とされていたため、数を減らしていたデッキでした。
スゥルタイ根本原理自体の数は減っていないのに、何故ナヤアドベンチャーが増えたのか。それには、スゥルタイ根本原理の構成が関係してきます。
ここでは例として、ストリクスヘイブンCSにてTop8に入ったMatt Sperling選手のスゥルタイ根本原理を見てみましょう。

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(出典:https://mtgmelee.com/Decklist/View/141918)

なるほど!!!

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ということで、スゥルタイ根本原理は、同型やイゼットドラゴンを意識して、軽量除去(≪取り除き≫など)のスロットを、打ち消し呪文(≪神秘の論争≫や≪軽蔑的な一撃≫など)に差し替えている傾向にあったわけです。
このようなメタゲーム上の微妙な間隙を察知して、ナヤアドベンチャーを選択したプレイヤーが多かったのではないかと個人的には考えています。

とはいえ、Top8とTop16のデッキ分布を見るに、やはりスゥルタイ根本原理の壁は厚かったのかなということができるのではないでしょうか。

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2.2 激闘!セカッピーコロシアム決勝大会!!

さて、ストリクスヘイブンCSの熱も冷めぬうちに、セカッピーコロシアムの決勝大会が実施されます。セカッピーコロシアム決勝大会は、2回の予選を通過した16人のみが出場できる超ハイレベルトーナメント。日本国内に閉じた大会とは言えど、この大会に出場する選手たちがどのようなデッキを持ち込むかについては、世界中が注目していたと、言われていたり言われていなかったりします。

結論から言うと、セカッピーコロシアム決勝大会のデッキ分布はこのような形に。

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16人の出場者にあって、最も多いデッキでも使用者数が2という所に、スタンダードがいかに群雄割拠かということが見て取れるかなと思います。環境としては末期も末期であるにも関わらず、ここまで様々なデッキが存在し続けているのは珍しいのではないでしょうか。

結果として、優勝はティムールルーカ。

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(出典:https://twitter.com/Sekacolo_info/status/1406158558777856001/photo/2)

準優勝は緑単と、これまでのメタゲームにおいては珍しいデッキの1・2フィニッシュとなりました。

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(出典:https://twitter.com/Sekacolo_info/status/1406158558777856001/photo/2)

これは、環境末期に新しいデッキが突然2つ出てきた!!というよりは、基本的に今のスタンダードは様々なデッキに勝つチャンスがあると理解したほうが素直かと思います。

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2.3 スタンダードの最終回答

さて、これまでの流れを踏まえて、スタンダード最後の「答え」を導きましょう。とはいえ、ここまで読んできてくれた皆様なら、もう「答え」はわかっているのかなと思います。
そう、スタンダードの答えとは、「これまでに積み重ねた、練習時間」です!

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あながち冗談ではなく、もはやメタゲーム上特段の優位を持つデッキも少なく、各プレイヤーが最も得意とするデッキで出場することも、一つの選択肢になるのではないかと考えられます。
そうはいっても考えるのをやめられないのがMTGプレイヤーの性。メタゲームの動きを考えるのであれば、まず焦点が当たるのはスゥルタイ根本原理かなと思います。

先述した通り、スゥルタイ根本原理は採用する除去の枚数など、構築に裏目があります。具体的には、ナヤアドベンチャーや単色アグロを見るのであれば除去の枚数を増やさなければならないし、ヴァドロック変容や同型を見るのであれば、打ち消しの枚数を増やす必要があるでしょう。
受けるデッキの宿命ともいえますが、環境に存在する、オフェンシブなデッキの攻め筋が多様であればあるほど、受ける側の裏目は多くなっていくわけです。

そういう意味で、スゥルタイ根本原理は少しリスキーな選択肢になるともいえるでしょう。
そして、もしスゥルタイ根本原理が減るのであれば、ナヤアドベンチャー、ヴァドロック変容、イゼットドラゴン、サイクリングあたりが、強力かつ、それぞれ有利な相手が存在するデッキとして存在感を増してくるのではないでしょうか。

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あれ?なんかフルボッコあってる奴が・・・

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ということで、スゥルタイ根本原理を無視するのであれば、これまた綺麗な3竦みが誕生。しかし、各矢羽根の覆しやすさには差があるかなと思います。

まずはイゼットドラゴン→ジェスカイ変容の矢羽。ジェスカイ変容は、デッキの構造上≪黄金架のドラゴン≫を着地させることが必須となる為、イゼットドラゴン側が守り入ると途端に苦しくなってしまいます。この≪黄金架のドラゴン≫に依存した構造からの脱出は難しく、イゼットドラゴン側の引きこもって守るプランを覆すことは並大抵ではないでしょう。

また、ナヤアドベンチャー→イゼットドラゴンという矢羽も覆しにくいのかなと考えられます。というのも、ナヤアドベンチャーが細かくアクションして攻め立てるデッキであるのに対し、イゼットドラゴンはカウンターベースのデッキです。1マナや2マナのアクションに対し3マナのカウンターを当てているようでは、ナヤアドベンチャーの攻め手を捌くのは現実的とはいえないでしょう。

一方で、ジェスカイ変容→ナヤアドベンチャーの矢羽は覆しようがある方なのかなと考えています。ジェスカイ変容は、除去を火力やバウンスに頼っている為、意外と≪恋煩いの野獣≫の5/5というサイズが辛かったり、墓地を利用してコンボを決める、もしくは圧倒的なリソースを稼ぎ出すデッキですので、墓地対策も効果的だったりします。また、墓地からカードをプレイする関係上、≪ドラニスの判事≫や≪乱動する渦≫などの対策もある程度有効であったりと、ナヤアドベンチャー側の対策にかなりの選択肢があるわけです。

というわけで、ここまでの話を纏めるとこんな図に

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というわけで、もしかしたら環境の最終回答はナヤアドベンチャーになるのかなーという気がしています。

この1年リーグ戦でひたすらに戦闘力を上げてきたプロ達が、この群雄割拠のスタンダードに対してどのような「答え」を示すのか、今から楽しみですね!

3 死屍累々!多くの屍を乗り越えたヒストリックの今

お次はヒストリックです。ヒストリックもスタンダード同様、大型競技大会をベースに環境を確認していきたいところですが、6/4ー6/5に実施されたストリクスヘイブンCS以降、実はヒストリックのプロレベルの大会は開催されていなかったりします。
但し、皆さん知っての通り、ストリクスヘイブンCS以前と以降では、環境に大きな違いがある為、ここでは比較的レベルが高い大会であると想定される、Insight eSports主催の一連の大会の結果を追うことで、直近の環境を確認していきたいと思います。
なお、ヒストリックの歴史は血塗られた歴史であることは、皆さんも重々ご存じですよね?

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3.1 ミスティカルアーカイブの齎す嵐!激変ヒストリック!

今となってはヒストリックの中心ともいえるミスティカルアーカイブ達ですが、導入されたのはちょうどSTX #2リーグが始まる前。
≪渦巻く知識≫と≪信仰無き物漁り≫によって究極完全体となったイゼットフェニックスや、≪表現の反復≫や≪思考の欠落≫により強化されたジェスカイコントロール、≪時間のねじれ≫に寄りデッキが成立したジェスカイターンなど様々なデッキが誕生することとなりましたが、それら全てを差し置いて、環境を制したのは≪汚れた契約≫と≪タッサの信託者≫の2枚コンボデッキ、オラクルパクトでした。

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(出典:https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/324972/show/)

この超見にくいデッキリストからもわかる通り、ほぼハイランダーにより構築されるオラクルパクトは、MTG Arenaのバグにより≪アズカンタの探索≫が使用不可というハンデを持ちながらも、STX #2において最高の使用率を誇ると同時に、最高の勝率をたたき出すという、まさに板of板として君臨したのでした。

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勿論このような1強デッキが許される筈もなく・・・、STX #2が終わって間もなく、ある告知がなされます。

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なりたくないと言っても許されるわけもなく、≪タッサの信託者≫は禁止となります。

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3.2 次の犠牲者は誰だ!ストリクスヘイブンCS殺人事件!

≪タッサの信託者≫が禁止になったことで、環境の1強デッキが消え、再び白紙に戻ったヒストリック環境ですが、今度こそイゼットフェニックス、ジェスカイコントロール、ジェスカイターンによりメタゲームが回り始めます。

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イゼットフェニックスは、豊富なドロー手段と途切れることのない攻めにより、ジェスカイコントロールに有利ですが、
メインに打ち消しが入っていない為、大ぶりなアクションに弱く、ジェスカイターンに不利でした。
そんなジェスカイターンは、大ぶりなアクションが多いためジェスカイコントロールに不利となっており、この3つのデッキでじゃんけん構造になっています。

一応他にもセレズニアカンパニーやグルールアグロ、ジャンドサクリファイスなどもあることにはあるのですが、ミスティカルアーカイブの恩恵をフルに生かした、これら青赤系のデッキを前にしては、さしずめ餃子といったところ・・・。

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但し、ジェスカイターンはサイドボード後イゼットフェニックスが投入する≪霊気の疾風≫や≪丸焼き≫が厳しいとされており、全体を見ればイゼットフェニックスに分があるのかなという下馬評もあったりなかったり。

そんな中開催されたストリクスヘイブンCSですが、最も優れた成果を収めたのはジェスカイターン。

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(出典:https://mtgmelee.com/Decklist/View/143963)

サイドボード後は、≪ヴェロマカス・ロアホールド≫に変えて、≪原初の潮流、ネザール≫と≪サメ台風≫に攻め手をスイッチすることで、従来苦手だった打ち消し系カードを克服するという見事なプランニングにより、ネクストレベルへと進化したジェスカイターンは、Top8に5人を送り込む圧倒的な成績を残しました。

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(出典:https://twitter.com/mtg_data/status/1401830345511780353/photo/1)

当時の勝率マトリクスを見ると、ジェスカイターンがいかに狂った勝率をたたき出していたのかが分かるかなと思います。
勿論このような1強デッキが許される筈もなく・・・、ストリクスヘイブンCSが終わって間もなく、ある告知がなされます(1か月ぶり2回目)

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なりたくないと言っても許されるわけもなく、≪時間のねじれは≫は禁止となります。(1か月ぶり2回目)

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3.3 終わること無き禁止の連鎖・・・ヒストリックはどこへ向かうのか・・・

2枚の犠牲者を経て健全になるはずのヒストリック環境。
ですが、ここでもう一度先ほどの勝率マトリクスを思い返してみましょう。

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ここからジェスカイターンが消えた場合、一体環境はどうなるでしょうか。

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一見するとイゼットフェニックス1強になりそうですが、果たして本当にそうなっているのか。Insight eSportsの大会を通して見ていきましょう。

メタゲームにおける占有率と、勝率はこんな感じ。

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このグラフからも見て取れる通り、イゼットフェニックスには基本的に使用率はトップでありながら、勝率も50%を上回り続けている様子・・・

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直近の勝率マトリクスを見ても、主要なデッキ全てに勝ち越していることが分かります。誰もが知っている環境トップデッキなのに、誰も止めることができない・・・これはつまり・・・
と思うのは少し早計です。上記の表を見ると、イゼットフェニックスに大きく有利なデッキが存在していることが分かるでしょう。
そう、5C二ヴミゼットです。

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(出典:https://mtgmelee.com/Decklist/View/143900)

Autumn Burchett選手の調整チームがストリクスヘイブンCSに持ち込んだことで少し話題となった5C ニヴミゼットですが、実はイゼットフェニックスに対して非常に強力なデッキとなっています。
5Cニヴミゼット側は、イゼットフェニックス側が採用しているクリーチャーに対して的確に除去を当てれる一方で、イゼットフェニックス側は≪ニヴ=ミゼット再誕≫や≪ハイドロイド混生体≫をスマートに対処できません。
サイドボード後も7枚採用されているハンデスが打ち消しを構えることを許さず、イゼットフェニックス側は除去で攻め手を根こそぎにされたうえで、≪ニヴ=ミゼット再誕≫や≪ドミナリアの英雄、テフェリー≫に蹂躙されるわけです。

1強のイゼットフェニックスに勝てるのであれば、このデッキが真の板ということになるのですが、もちろんこのデッキにも弱点はあります。
それは、この手のトップメタに対して強いデッキにありがちな、イゼットフェニックス以外には勝てないというものです。

なので、ヒストリックの今の環境を整理すると、このように纏められるでしょう。

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これ以外の登場人物としては、アゾリウスオーラや

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(出典:https://mtgmelee.com/Decklist/View/147584)

蘇った≪不屈の独創力≫デッキなど

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(出典:https://mtgmelee.com/Decklist/View/147938)

新しいデッキも存在してはいるものの、いずれもイゼットフェニックスの攻略には至らずといった様子・・・
これでは、5Cニヴミゼットという天敵が生まれたとはいえ、ヒストリックはイゼットフェニックスの天下となってしまう予感がしてきましたね。
ということは・・・

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とはいえイゼットフェニックスは弱点も明確なデッキ。プロ達がイゼットフェニックスを打倒するデッキを持ち込んでくるのか、今からデッキリスト公開が楽しみですね!

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まとめ

【スタンダード】
・ナヤアドベンチャーに注目!

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【ヒストリック】
・イゼットフェニックスに注目!

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4.〆

今回の観戦ガイドはここまでです。
これでリーグも終わりかと思うと、長かったような短かったような・・・いや、長かったですね。長かった。
発表された当初もざわつきましたし、直近もざわつく発表があったりと話題に事欠かないリーグですが、個人的には面白い試みだったのかなと感じています。ただ、選手達の負荷を見るに、もう少し公式のプロモーションとか頑張っても良かったんじゃないかなーと思ったりも・・・
まぁとはいえもうすべては過ぎ去っていくことなので、色々差し置いて、今は最後のリーグを戦うプレイヤー達を純粋に応援しようかなと思っている所存です。まる。

さて、ここからは宣伝です。
筆者のさねとみは実は細々と配信活動をしております。
MPL/MRLが始まったちょうど1年前は視聴者0人の廃墟のような配信でしたが、お陰様で最近は見てくださる方が増えてきており、家くらいにはなってきました!
最近は版権の世界を脱出して幼女になったりしているので、是非見に来てくれると嬉しいです。
だいたい月・火・金の20:00くらいから配信しております。

では、今回の記事はここまでということで。
ご精読ありがとうございました!!
(ご意見・ご要望はTwitterまでお願いします!)

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