「レヴェナント:蘇りしもの」のネタバレありレビュー!

4/22公開の『レヴェナント:蘇りしもの』のネタバレありレビューを書きます。

また映画を見ていない人、ネタバレを知りたくない人は、この先をご覧にならないようお願いいたします。


それでは、、、


書いて、、、


行きます、、、


よおおお!!!


『レヴェナント:蘇りしもの』のレビューをお送りします。

・ディカプリオの演技が、最初から最後まですごすぎる

グリズリーに襲われて瀕死の重傷を追い、満足に言葉も話せない状況で、目の前で息子が刺殺されたシーンでの言葉にならない言葉が非常に印象的でした。

口から泡吹いてるし、目が血走ってるし、凄まじい迫力でした。

というように、全編にわたって、ディカプリオ演じるヒュー・グラスのセリフは少ないです。

そして、瀕死の重傷から回復しながら帰還するので、寝てるシーンやボーッと宙を見つめるシーンが多いです。

その時の目や、息遣いだけで伝えてくる演技力は、さすがオスカー!と言ったところです。

・ディカプリオの何事も厭わない体当たり的な演技もすごい

生き延びるために、動物の死骸の骨を喰らったり、雑草を食べたりするシーンもリアルです。

捕獲した魚をそのまま食いちぎるシーンも見事で、バッファローのレバーを生のまま血まみれになりながら食べるところも印象的でした。

さらに治療のために少量の火薬を喉もとに塗って、発火させるシーンは、完全にグラップラー刃牙の安藤さんで、面白かったです。

最もすげえなと思ったシーンは、馬の内蔵をさばいて、裸になって馬の中で睡眠をとるシーンです。

たぶん、本物の馬を使って撮影していると思うのですが、よくディカプリオもOK出したよなあと思いました。

なお、馬肉や馬の血は、傷口の消毒や骨折・打撲に効果があるとかないとかで、そう言った目的で馬の中に入ったんだと思います。

・圧倒的な絶望感がヤバい

言葉を出すのもままならない、右足が死んでて這いつくばるしか出来ない。武器も無ければ、食糧もない。場所は極寒の荒野で、砦までは300km以上離れている。さらにアリカラ族の追手が迫るという、何重苦の状況にあって、見ているこっちが辛いくらい絶望的です。

川辺にたどり着いたグラスが、川辺の岩に「フィッツジェラルド」と書き残すシーンが印象的でした。

生き延びねば、復讐もクソもないわけで、生き延びるために復讐心を忘れないよう書き記したんだと思います。

・助けてくれた別の種族のネイティブアメリカンがいいやつすぎる

二人で口を開け、降る雪を直接食べるシーンは微笑ましかったです。

ああ、グラスも孤独でなくなったこともあり、精神的にも回復してきているんだなと感じさせる一幕でした。

しかし、グラスは瀕死の重傷からの回復途中にあるので、体力面では厳しいものがあります。

ネイティブアメリカンの馬を借り、ハイペースで進むのですが、恐らく氷点下であろう気温と強風が、容赦なくグラスの体力を奪います。

ついに限界に達し、グラスは気絶してしまいます。

ネイティブアメリカンは、グラスのために、風雪から守るための簡素な野営を築きます。

翌朝、目覚めたグラスに待っていたのは、これだけ親切にしてくれたネイティブアメリカンの首吊り死体でした。

フランス人部隊が殺してしまったのです。

グラスは、このフランス人部隊に復讐を仕掛けます。

親切にしてくれた友のためにと、部隊の持つ馬を奪って移動手段とするためです。

そして、このフランス人部隊には、追手のアリカラ族の酋長の娘・ポワカと思われる女性が人質になっていました。

結果的に人質のポワカを助け、部隊への奇襲、馬の強奪、すべてがうまく行きました。

グラスの奥さんがネイティブアメリカンで、奥さんを守れなかった描写があったので、あの時は助けられなかったけど、今回は助けられたことで、ちょっとした贖罪になった、というメタファーではないかと思いました。

これが伏線になって、ラストシーンでアリカワ族に命を奪われれずに見逃してもらったという流れも印象的でした。

・グラスVSフィッツジェラルドの格闘シーンが大迫力

数日前まで瀕死だったのに、グラス強すぎだろ。と思いましたが、フィッツジェラルドも銃弾で打たれていて、それでトントンみたいな設定なのかなと思いました。

このシーンの前になぜ復讐をするのか?と問われた際に「おれには息子しかいなかった。その息子を奪われたからだ」とグラスは言いました。

この映画のテーマでもある「復讐の先に何があるのか?」という問いがあります。

フィッツジェラルドを力づくで倒し、見事に復讐を遂げます。

グラスも無事ではありません。

左太ももをナイフで刺され、右足は先日骨折したばかりです。

またしてもボロボロの状態で来た道を戻る途中で、グラスは幻覚を見ます。

グラスの奥さんが、わたしはもう大丈夫よ。と言った表情でグラスの元を去るのです。

全てを失った男が復讐も果たして、残ったものは何なのか?

わたしは、何も残らなかった。空虚そのものが残ったと考えます。

死んだ息子の分も生きよう、みたいな感じもしません。

ただ、ラストシーンでアリカラ族とポワカとすれ違ったときに、何となくポワカの将来に何かを託している感じはしました。

奥さんも息子も守れなかったが、ポワカは生きている。

ならば、自分がここまで生きてきた意味もあるのではないか。

そう思うことで、何も残らなかった空虚感を満たしたのではないかなと感じました。

・見終えた直後の感想は「イニャリトゥ監督すげえ」でした

レオナルド・ディカプリオのアカデミー賞に賭ける執念のような演技も凄まじかったです。

しかし、その演技をやらせたアレハンドロ・イニャリトゥ監督がすごすぎますね!

死んだ馬の中に入れ、なんてハリウッドスーパースターのレオナルド・ディカプリオに言えますか?って話ですよ。

もう一度、劇場で見てみようかなと思いました。

100点中95点はあげたい作品です。

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