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サンガからレンタル移籍中の選手の状況(9月10日時点)

今週はJ1がお休みでゆったり。
といきたいところですが私はサッカーを見ないと死んでしまう病。

なのでDAZNは開くのですが、開いたところで「どこの試合を見ようか」と悩んで思いつきました。
「サンガからレンタル移籍中の選手たちの様子を見てみよう」と。

パフォーマンスが良かった選手・悪かった選手と、サンガ復帰後を含めた今後の展望の話をまとめています。
早速どうぞ。

田中和樹(ジェフ・フル出場)

ジェフのサポの皆さんが「完全移籍で欲しい」「借りパクだ!」とツイートしている意味がよく分かりました。
もらっておけ得やお世辞ではないと。贔屓目抜きにして欠かせない戦力として扱われています。

田中の動きは、パスサッカーを展開する千葉にあって良い意味で異質です。

二度追い三度追いする執拗で強いプレッシャー
失った瞬間の切り替え
裏狙いによる突破/ラインの押し下げ
カウンター時のサイド爆走
ロングスローでのチャンス創出

献身的に走って走って走って、チームのために走り倒す。
「俺は曹貴裁サンガから来た選手だぞ」とプレーで語っていました。
走力や守備だけでなく攻撃でも良い動きをしていたと感じます。

サンガでは右サイドバックの候補の1人として扱われているように見受けられるというか、扱っている人が多いのですが、ポジションや動きが完全にサイドハーフ(WG)です。
タイプ的には豊川と一緒ですね。

豊川、山田楓喜とポジションを争うのか。
曹さん得意の魔改造で右サイドバックに適応し福田とポジションを争うのか。
間違いなく必要とされているジェフでもう一年腕を磨くのか。
いろんな選択肢がありそうだなと。

島村(熊本)との比較

右WGといってもタイプは様々。
パス・ビルドアップといったテクニカルな面で目立つ島村と比較すると、クロスでのチャンスメイクや「走るより走らされる側」の選手であることが見えますね。

シュート部位とクロス部位の差が面白い

基本的にシュート部位とクロス部位は同じようなグラフが並ぶのですが、田中は特殊。クロスは右が多い一方でシュートは左が多い。

右利きが右からカットインするのは珍しいですね。
右でのクロスを読まれたら中に切り込んでシュート、のパターンを作っていることが伺えます。

個人の話はここまで。チームの話。
ジェフは8位ですが、プレーオフ圏内6位の岡山と勝点51で並んでいます。5位の長崎との勝点差も3。
昇格は現実的な目標になりつつあります。
プレーオフに殴り込んで最後まで応援させてほしいですね。

自身を伸ばし、チームの躍進に貢献して、キャリアの選択肢を増やす。
良いレンタル移籍になっています。

イスマイラ(栃木・フル出場)

得点こそ奪えませんでしたが、良いポジショニングといやらしいブロックでチャン・ミンギュのミス(OG)を誘い決勝点に関与。
貴重な貴重な首位からの3ポイント奪取に大きく貢献しました。

前節では2ゴールで勝利に大きく貢献。
良い関係を作れていた根本凌が大怪我で戦線離脱してしまいどうなることかと思いましたが、助っ人ストライカーとしてしっかり期待に応えています。

特に、後ろから大きく飛んでくるハイボールへの競り合いやサイドや裏に流れる動きでチームを助けていました。4-4-2ブロックの1st DFとしてもきちんと守れています。突撃しすぎて穴を空けてしまう場面もありませんでした。
期待されているであろう役割を果たす意識の強さにポジティブな変化を感じました。
(足下へのパスが集まらないのは連携不足なのか信頼されていないのか...)

押される展開が多く何度もチャンスが巡ってくるわけではありません。
しかし守備は後ろに任せて攻撃に集中でき、泥臭いながらも前線にボールを供給できる手段が作られているのが栃木SCで、チームにフィットしているなと感じました。

一方で...。
ボールが来れば頑張れるのですが、ボールがないときの動きがサンガにいた時から変わっているようには見えず。

フィジカルで圧倒できるJ2では驚異になれても、ディフェンダーの個人能力がグッと上がるJ1で活躍するのは難しいのではと感じてしまいました。

パトリック・山﨑・原・木下と争うサンガに戻ってポジションを確保できるかと言われると...。
残り8試合を含め見守りたいですね。

木村勇大(金沢・73分出場)

率直に言って、心配です。

J1で戦うサンガに戻ってきてもらうためには、目に見えて分かりやすい結果を出さないといけません。
が、しかし。

ツエーゲンの守備が想像のはるか下を行く酷さです。守備に割くリソースを攻撃に割いているとかでもなく、攻守両面でひたすらにバラバラなのです。
(フルタイムで観戦していない方はハイライトを見てみるとよいと思います。6〜7分で十分深刻さは伝わります)

前から追うのか。引いて守るのか。
そらしく後ろから繋ぐパスで何を目指しているのか。チーム全体でどう相手を動かし、どうフィニッシュするのか。
なぜ枚数が足りきっているのにエリア内で相手がドフリーになっているのか。

大宮・水戸との2試合+αほどしか見ていませんが、それで十分把握できてしまうほどにバッラバラなのです。

まともなボールが入らないと言いつつ、木村自身も単発のロングキックとむりくり奪ったボールから得た2度の決定機で決められず。
「勇大だけは良いんだけどなあ」とも言い難いパフォーマンスです。

チームがこれだけ組織として成り立っていない状況で、得点やアシストを量産するのはとても難しいように感じます。

今更言っても仕方がないことですが...。
組織がしっかりしていて、守備は固く前線までは運べるけれど、最後のフィニッシュワークだけが課題なんだよね。なチームに行った方が良かったのではと感じてしまいました。
J2の群馬・熊本、J3なら鹿児島など候補となりそうなチームは多々あります。
(私はInsiderではないため、多数あったであろうオファーの中に当該チームが入っているかは分からないですが)

想像以上に厳しい道ですが、今更悔やんでも仕方ない。
組織として整っていないからこそ結果を出した時の価値も高まるのだ。との考えもできます。
勇大が自分で決めた道で結果を出してくれると祈るしかありません。

飯田貴敬(大宮・85分出場)

すっかり背番号が41であることを失念しており
「大宮の右サイド良い選手いるなあ」と眺めていたら飯田だったとのオチ。
お恥ずかしい。

基本と言われる「止める・蹴る・走る」以前のところで、他の選手との差を感じます。つまり、身のこなしや準備動作一つをとっても洗練されていて、J2下位チームにいるような選手でないことが分かるのです。
(そんな褒め方されても嫌でしょうが...)

とはいえ、抱える問題は勇大と同じ。
組織としての整理が全くされておらずチームが好転する兆しすら見えません。サイドバックなのでできることも限られます。
チームを残留に導くという目標は遠いなと感じてしまいました。

金沢はFW、大宮はネームバリューのあるの選手を補強していますが...。
問題の本質はそこだったのでしょうか。
試合を見ていて強く疑問に思いました。

点が取れる選手を補強するのが大事なのは大前提です。
しかし、点が取れる選手とてシュートを打つためにはボールを持たなければなりません。
チームのために戦い、走り、ボールを奪ってシュビルツォクや勇大に届ける選手は必要と考えなかったのでしょうか。

...選手を受け入れてくれるチームのことを悪く言いすぎるのは気が引けるのでこのあたりにしておきます。

ウッド(甲府・出場なし)

ついに控えメンバーにも名前を見なくなってしまいました。
失った信頼を取り戻すところからです。

さいごに

数年前までJ2で同格のライバルとして戦っていたクラブがレンタル先になっているのは、チームとしての地位が上がったと考えてよく喜ばしいことです。

とはいえJ2のクラブに選手を貸し出すことが目的なはずはありません。
転職で成功する人失敗する人がいるように、レンタル移籍で価値を出せる選手と出せていない選手の明暗が分かれています。

合わないクラブや活躍できる土壌がないクラブに行くと選手のキャリアに暗い影を落とすリスクがある。ディビジョンを下げれば必ず成功するものではない。なので、サンガのサッカーや選手と水が合うチームといい関係を築く必要がある。

当たり前のことを改めて実感しました。
そして、一つづつチームとしての土台を上積みしてほしい(積み重ねたものが無に帰さないようJ1に居続けてほしい)とも感じた、そんなJ1お休みウイークでした。

中身は以上です。
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