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少女の冒険譚

※9/2,3に開催している展示会向けの創作です。展示会をご覧になった方により楽しんでいただけるよう制作しています。




しぜんとなみだがこぼれてきた。

ここ、どこだっけ?

とぼとぼあるいてると、うしろからこえがきこえてくる。

「ねえきみ、ないてるの?」


おそるおそるふりかえると、そこにいたのはいっとうのおうまさんだった。

「おうまさん??」

おうまさんはつるつるのからだに、いっぽんのぼうがささっていた。


「きみ、どうしたんだい?こんなよなかにあるいてたらあぶないよ」


「パパからもらった大切なものをなくしちゃったの!」


「なんだって?そりゃたいへんだ!でもよみちはひとりじゃきけんだよ。そうだ、ぼくのせなかにのるといい!」


おうまさんのせなかにのってそらをかける。

ぐんぐんこうどがあがってく。

「うわあ!」

あんなにくらくてこわかったまちが、キラキラにみえる。


いろとりどりのあかりが花みたいでとってもきれい!

「さて、きみはなにをさがしてるんだい?」


「あのね、パパからもらったーーー」


「ハッハッハッ!きみのパパはサーカスの団長さんだったんだね!じゃあきっとおめあてのものはサーカスのテントにあるよ」


そういっておうまさんはこっそりテントにしのびこんでくれた。


むらさきときいろのおいしいいろ。

わたしの大好きなやきいものいろ。


やきいものかたちによく似たたからものを、パパがくれたんだ。

「ーーはやきいもがすきだから、とくべつだよ。」

そういってくれたわたしのたからものには、かわいいしずくがついている。


「さあ、せっかくだからこの宝物をつけて回ろう!」

おうまさんにひかれてわたしはやまぶきのなかにあるいくつものてんじぶつをまわりはじめた。


これはパパにもないしょ!

だってよるのカーニバルに1人で来たなんていったら、らいねんは連れてってもらえないかもしれないでしょ?

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