なぜ無給のプロゲーマーがこんなにも多いのか?

eスポーツコーチングプラットフォームGamerCoach代表のsanma3です。こちらのサイトでは現役プロからOverwatchをはじめとしたゲームタイトルのコーチングを受けられます!

先日プロチームに疑問を呈するエントリを読みました。

このエントリは要約すると

•プロとアマの線引きって何?無給なのにプロ名乗らせていいの?

•募集要項に給与の記載がないチームがプロ名乗っていいの?

という2点の内容でした。私はこのエントリを読んでチーム目線での物事の見方とプレイヤー目線での物事の見方は大きく異なると感じました。しかし当然チーム目線での物事の見方がチーム運営者により語られることはないだろうと思ったので今回私が「なぜプロゲーマーが無給の人が多くこの状況は改善されないのか」についてまとめます。

そもそもなぜみんなプロゲーマーを名乗るのだろうか

プロゲーマーをあなたが名乗れるかどうかはチームの意向にかかっています。
チームが君は給料をもらってないけどプロだ!と言い切っちゃえばプロだしセミプロだと断言すればセミプロです。そこに明確な線引きやラインなどありません。しかしほとんどのチームがセミプロではなくプロを名乗っています。そこには明確な理由があります。

理由1 プロを名乗るほうが得だから
プロを名乗れば仕事が降ってくる可能性が上がります。第3者の仕事を依頼する立場から見ればそのチームの実態が公式サイトを見ただけで即わかるわけではありません。しかしセミプロを名乗っているチームとプロを名乗っているチームではプロのほうが仕事を依頼される可能性が高くなります。なので多くのチームがプロを名乗ります。

理由2 プロのほうが人員募集に便利だから
新部門や追加募集を行う際にプロチームのほうが人が集まりやすいです。印象が良いからです。なので給料をもらってるか否かにかかわらず生存戦略としてただ多くのチームがプロを名乗っているにすぎません。

なぜ多くのプロチームが無給なのか?

こちらの理由は非常に単純です。プロチームが新規で人員募集を行うと無給でも人が集まり、プロチーム側は多くの部門を抱えることによるメリットがあるからです。

プロゲーマーは非常に供給過多の世界です。ゲームという分野は参入するのにパソコン一台あれば始められる場合がほとんどでゲームが上手い人はいくらでもいるためプロチームが募集すれば恐らく募集の10倍ほどの人を集めることは容易だと思います。なのでゲームが上手いこと自体でお金を生み出すことは非常に難しくゲームが上手いというスキルは飽和しています。

そしてチーム側の目線で言うと多くの部門を持っているほうが有利です。無給でチームを雇いどこかの部門が大会優勝や配信者として成功した場合チーム自体が有名になります。そのためポートフォリオとして多くの部門を抱えるチームのほうが生存戦略として有利になる、また供給過多で無給でもプロを名乗れるならチームに入りたいという人が多くいるため現在のような状況になっています。

この状況はスポーツでも変わりません。稼ぐがすべて Bリーグこそ最強のビジネスモデルであるの205ページにはこう書かれています。

アメリカではスポーツ界の事を「ドリームジョブ」という。需給バランスが崩れていて、求人はほとんどないのだが、スポーツ界に就職することを希望する人は星の数ほどいる。(中略)スポーツ(企業)側にも問題があり、それだけ需要と供給のバランスが崩れていると足元をみて、「給与やすくても働いてくれるならいいよ」という姿勢に当然なってくる。

スポーツ界はこうなっていますがeスポーツも似た状況にあると思います。無給でもプロを名乗るほうが得でありモラルハザードのような状態になり企業側もそれに甘んじて無給で選手を雇っています。ですのでプロゲーマーを目指す人は業界自体がこのような構造になっているという状況を理解したうえで戦っていく必要があります。

そしてこの状況をやりがい搾取と揶揄するのは非常にナンセンスです。文句があるなら自分でチームを作りプロとしてやっていくべきです。プロチームと選手の関係性は別に誰かから強制されたわけでもなく自分の意志でチームと契約を結び関係性を築くだけなのでそこにやりがい搾取といった要素はありません。

記事冒頭で紹介したエントリに私からの意見を述べるとすると

•プロとアマの線引きって何?無給なのにプロ名乗らせていいの?
→プロと名乗ったほうが得なので無給でもプロを名乗ります。

•募集要項に給与の記載がないチームがプロ名乗っていいの?
→募集要項に無給と記載してしまうと他のぼかしているチームに人が流れる可能性が高くなります。チーム側が無給と断言するインセンティブがありません。これを規制したい場合法律などで制限し全員が同じ土俵で給料を記載させる以外の方法がありません。

うちは月に20万選手に絶対払いたいしそうなるまではプロは名乗らないよというチームがあるとすればただ他のチームに対して不利になるだけです。要は無給のプロゲーマーが多いのはただチームが生存戦略としてゲーマーを無給で雇いプロを名乗らせた結果での話でしかないんじゃないかと私は考えています。

次回のエントリでは現役プロゲーマーからのこの状況に対しての意見や解決案、現状存在するプロゲーマーのマネタイズ方法などまとめます。
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コメント1件

「これを規制したい場合法律などで制限し全員が同じ土俵で給料を記載させる以外の方法がありません」

これは職業安定法第五条の三(労働条件等の明示)で「業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と書かれていますね。

https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=75001000&dataType=0&pageNo=1
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