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もうひとり ①

夏でした。すてきな夏でした。
肺に生ぬるい空気だけが入ってきて、深緑だけが涼しいです。

たまにもう1人私が出てきて嫌な記憶をほじくり返したりわたしのことを貶してきたりしませんか。厨二病でなくても。
いま日曜劇場で堺雅人がそういう役をやってるじゃないですか、だからみんなそうなのかなって思ったんです。
そういう時ってどうしていますか。
わたしは私を殴ったりすると「いてっ」と言って消えてくれたりします。

大学を卒業するまでに人間になろうと思って、まずは在宅からアルバイトを再開してみました。
先日『陰キャとか早く人間になりたいとかそういう「自分が空気読めないことを誤魔化す免罪符」ばかり覚えてしまって嫌だ』なんてツイートをしたばかりですが、実際にそうである半面、はやく人間になりたいのもほんとうです。
極度の緊張、人への嫉妬と自分への劣等感、あとは怠惰。わたしには到底それが人間の抱くものだとは思えないです。
ほかの人がそんなふうになっていても、人間にみえるのに!

日々誰にも嫌われていないようにと祈っています。
死ぬのが怖くてベッドで目をつむることができません。
なつやすみに入って穏やかに時間が流れる中で、くちびるを乾燥させながら汚い部屋に横たわっています。

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