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花より団子。いや、どっちも。

今日も楽しみにしていましたよ。
そう言ってにっこりと出迎えてくれる。この、空気感が好きだ。


自己紹介で「趣味、募集中です」と言い続けて何年だろうか。やっと、趣味といえそうなものに出会った。最近、茶道を習いはじめたのだ。もちろん、お稽古自体とても楽しいのだけれど、なによりも先生にお会いするのが楽しみで通っている。

わたしが一人暮らしだとわかるや否や、お稽古の日はご飯を作ってくださる。先生の旦那様が入院中で「一人で食べるのはさみしいから」と仰ってくださるので、遠慮せずにいただいている。
メニューは焼きそばだったりそうめんだったりとありふれたもの。でも、たっぷりのお野菜が入っている。

おばあちゃん子で、大学時代はおばあちゃんの家に下宿していたわたしにとって、この野菜たっぷりの焼きそばやみょうがたっぷりのそうめんがたまらなく幸せ。


東京は、この三連休がお盆。
「今日はお盆だからご馳走よ。あなたが来るから、お仏様とわたしとあなたの分。」
と天ぷらを準備してくださった。具材はピーマンにしいたけ、人参にさやえんどう、そしてみょうが。このチョイスがまた懐かしい。まるで、昔からここにいたかのような錯覚。
「わたしには子どもがいないから、お教室にきてくれる生徒さんたちはみーんなわたしの子ども」
とかわいがってくださる。


そんな先生の口癖は
「稽古とは一より習い十を知り、十より返る元のその一」
稽古とは、繰り返し学ぶことで体得していくものだ。ということ。
確かに先生の指導はとても厳しい。でも、先週のお稽古で習ったことを忘れてしまっても「新しいことなのよ。全部覚えられないのは当然。繰り返しやっていきましょうね。」と隣に座って一緒に動いてくださる。その眼差しがまたあたたかい。お茶がとても楽しい。そして、お稽古後のご飯に、にやにやする。
毎週この日を楽しみに指折り数える。

「今日も楽しみにしていましたよ」
そう言ってにっこりと出迎えてくれる先生にお会いする日を。

#茶道 #お稽古 #先生との出会い #わたしの楽しみ #エッセイ #生活

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