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さよなら、今日の日。明日の朝、また会おう。

一日のうちで一番好きな時間はいつかと聞かれたら、夕暮れどきと答えるようにしている。

陽が差し込んでくる朝の時間帯も清々しくて好きだけれど、朝寝坊とか二度寝とか朝を寝過ごすイベントも大好きだから、自信をもって好きだとは言えない。だけど、夕暮れどきは気持ちさえ向いていればその時間を毎日楽しめるような気がしている。

一日のうちでどんな時間が好きかだなんて、子どもの頃はそんなに意識することなく毎日を過ごしていたと思う。夕暮れどきが好きになったのは、カメラを手にしてからのこと。

陽の入りや夕暮れどき、水平線に対して、太陽が0度から6度までの角度に位置する時間帯にマジックアワーと名付けた人は本当に感受性が豊かなのだろう。 

日没後の薄明かりの時間帯は、素人のわたしでも、まるで魔法(magic)のように芸術的写真が撮れてしまう。

旅先の街の人たちからしたら日常の風景かもしれないけれど、旅人にとっては魔法にかけられたかのようなタカラモノの時間になる。

この時間が大好きで、旅の日程はアバウトに決めるわたしでも、日没の時間をどこで過ごすかはだいたい目星をつけてその日一日を過ごすことが多い。

3年ぶりに訪れた神戸では、港町ハーバーランドで。

葉山を訪れた日は、ホテルのテラスで。

ウラジオストクを訪れたときは、降り立ったばかりの空港で。

太陽が落ちていく時間は僅か数十分とあっという間の時間だけれども、その時間を今か今かと待つ時間は、30分近くあることが多い。そしてその時間は大抵旅の終わりになりがちだから、その旅を振り返ったり旅の終わりを惜しんだりするのにぴったりで。


青から紫、そしてオレンジ色に変わっていく空のもと、カメラを片手に旅の余韻に浸る時間が、愛おしくてたまらない。

一日の時間の中にも好きな時間ができたことは、旅が好きで、カメラが好きなおかげ。そして、わたしと一緒に旅をしてくれる人たちがまた、夕暮れどきを静かに寄り添ってくれる人たちばかりなので、思う存分浸れるのも幸せで。

カメラを手にしていてもしていないくても
きこえてもきこえなくても
朝が得意でも苦手でも
夕暮れどきの美しさは感じられるから。

わたしがきこえにくいという事実も、その瞬間はどうでも良くなることもまた、この時間を愛する理由なんだろうな、なんて思いながら、次の旅先ではどこで夕暮れどきを過ごそうかと云々悩んでいる。

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