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あんまりにもきれいなものを見ると、この世のだれよりもつまらなそうな顔をして自分を守ろうとするわたしがいた。

ひとりで考える時間が、人生にはときどき必要なのかもしれない。それは、きっと今なんだろうと思う。
鬼怒川温泉から山を越えダムを越え、バスに揺られながら、そんなことを考えていた。

行き先は、鬼怒川だろうと草津だろうと伊豆だろうとどこでもよかった。ただ、今すぐにでも東京から出たかった。先日の宇奈月で温泉から見える夜景に味を占めたわたしは、なんとなく、行き先が温泉だったら幸せだろうと思った。できれば、行ったことのないところに行きたい。秋だし、紅葉も見られたら素敵だな。

直感で選んだ鬼怒川とその奥の川俣温泉は、想像以上に紅葉で彩られていた。「レッドでイエローでちょっとグリーン」。この旅のお供が「ぼくはイエローでグリーンでちょっとブルー」(ブレディみかこ)だったこともあり、とにかく鬼怒川のレッドとイエローとグリーンを探して歩いた。

黒部峡谷上高地がイエローでイエローでちょぴっとグリーンだったのに対して、鬼怒川はとにかく二色ときどきグリーンがバランスよく描かれていた。

トンネルを抜けるたび、次のトンネルを越えたところにはトトロがいるんじゃないだろうか。なんて、ちょっと真剣に考えながら歩いてしまうような、森の中。あんまりにも綺麗だから、ちょっとこわい。現実の世界に帰ってこられなくなっちゃうんじゃないかと心配になり、足早に歩いたことは、ここだけのヒミツ。

夜には、 #旅と写真と文章と のクルーが教えてくれた通り見事な満月を見ながら贅沢な貸切露天風呂。
あんまりにも綺麗なのに、綺麗すぎてちょっとこわい。でも、こわがっていないということを示したくて、この世のだれよりもつまらなそうな顔をしてみた。
だれも見ていなかったんだけれども。でも、そうして踏ん張っていないと現実の世界に帰ってこられなくなるんじゃないかと心配になっていたことも、ここだけのヒミツ。

ここ最近、いろんな本を読み、いろんな人と話をしてもらった。インプットしたものをそのままにしておいたから、頭の中の引き出しの前で、それらが散らばっていた。ただボーッとすることで、わたしの頭の中にある引き出しの、収まるべきところに収まっていくのをじっと待つ、そんな時間が必要だったのかもしれない。

帰り道、何かが解決したわけでもなければ、明日からやりたいことが見つかったわけでもない。ただちょっと、すっきりした。だから、とりあえず東京に住むわたしとも向き合ってみようかな。とりあえず、家に帰って部屋の片付けをしよう。

1日ぶりにみる我が家が、ちょっぴり愛おしく感じる。そろそろ、コタツを出してもいいかもね。


今日も一日お疲れ様でした☺︎


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