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【イベントレポート】個人事業主の悲喜交々 #4『マサさん、 開業10年目 どう過ごしますか?』

こんにちは!1166バックパッカーズスタッフの村上(スーさん/SUE)です。

3/2(火)にオンラインにて開催された、「個人事業主の悲喜交々 #4『マサさん、 開業10年目 どう過ごしますか?』」のイベントレポートを書かせていただきました。
(投稿が遅くなってしまいすみません。。)

「個人事業主の悲喜交々」はその名の通り、ゲストハウスオーナー等の個人事業を営む方の想いや苦労に迫るイベント。毎回ゲストをお招きし、お話を伺っています。

前回は、福井県福井市のゲストハウス『SAMMIE'S』の森岡咲子さんをゲストに迎え、ゲストハウスの開業に至った経緯や、子育てをしながらの宿運営に関してお話を伺いました。

今回のゲスト、櫻井雅之さん

※下記にて掲載している画像は、当日の資料より抜粋をしています。

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今回のゲストは、神奈川県鎌倉市でゲストハウス『亀時間』を営む櫻井雅之さん(以下、マサさん)。2011年4月からこの地でゲストハウスを運営しています。

そんなマサさん、ゲストハウス開業前には世界一周の旅に挑戦するなど、様々な経歴を持った方です。今回はマサさんがゲストハウス開業に至るまでの経験や心境の変化を、「人生の決断」をキーワードに語っていただきました。

人生の決断その1 ネパールでのボランティア

現在でこそ様々な活動を積極的に行われているマサさんですが、学生時代は「やりたい仕事も特になかった」そうで、就職活動も挫折してしまいます。

そんな折、当時通っていた大学のスペイン語講師からの誘いを受け、ネパールでボランティア活動に参加することに。マサさんにとって初めての海外、異なる価値観に触れたことが大きな刺激になったといいます。

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約半年のネパール生活を経て帰国する頃には、マサさんの心には「世界を旅したい」という気持ちが芽生えていました。そして同時に、旅行資金を得たいという思いから、初めて仕事に対する意欲も湧いてきたのだといいます。

人生の決断その2 世界一周旅への出発

レコード会社で働き始めたマサさん。会社員生活が3年ほど経ったあるとき、勤めていた会社が解散します。

3年間で旅行資金も貯まってきており、マサさんとしては「旅に出ろ」という合図かと思ったものの、別の仕事のオファーなどを断ってまで旅に出るか否か、心が揺れていたといいます。

そんなときにマサさんの頭に浮かんだのは、「旅に出るのと出ないのと、後悔しないのはどっちだ?」という問いだったそうです。

「会社員で学べることも多いが、ずっとその働き方というイメージはない。自分らしい生き方を見つけたい」という思いがあり、ついに世界一周へ旅立つことを決意します。

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マサさんの旅程は、大阪を出発しアジアを横断、そしてアフリカを南下していくというものでした。

今回のスライドでは旅行中のエピソードも写真と一緒に多数紹介いただきました。当時の旅の様子はマサさんのnoteでもご覧いただけるとのことですので、こちらもぜひチェックしてみてください。

この旅のなかで、マサさんのその後の人生に大きな影響を与えたのが、南アフリカ・ケープタウンでのカフェ運営の経験と、ジンバブエでの民族楽器との出会いでした。

アフリカを縦断して南アフリカまで達したマサさんですが、旅の途中で資金が枯渇してきたことで、お金を稼ぐ必要に迫られます。ここでひょんなことから、現地の方とアメリカ人の旅人と一緒に、カフェを共同経営することになりました。

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それまで全く経験のないカフェの立ち上げを、海外の地で経験したことは、マサさんにとって自分で仕事をつくることの原点になったと振り返ります。

結果的にはカフェ経営で旅費を稼ぐところまではいかなかったため、世界一周は断念することになったものの、最後に寄ったジンバブエでまたしても運命的な出会いをします。

それが、ジンバブエの民族楽器・ムビラ。8ヶ月にわたるジンバブエ滞在でムビラの技術を習得したマサさんは、「日本にムビラを広めよう!」と決意し、帰国します。

人生の決断その3 脱サラ~亀時間の開業

帰国後のマサさんは、フリーターで生計を立てつつ約5年に渡ってムビラのバンド活動を行います。

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その後結婚を機に正社員の仕事に就きますが、ふと将来を考えたときに、自由がなくなっていくと考えたマサさんは、ある考えに行き着きます。

「ムビラで生きていく」のではなく「ムビラを続けられるように仕事をする」

正社員の仕事は経済的に安定するものの、「ライブがあるので休みます」などとは簡単には言えず、活動には支障が出る。ならば、自分で仕事を作ろう。
こうしてマサさんは、脱サラを決意します。

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脱サラしたマサさんが出会ったのが、トランジションタウンという、自然との共生を前提とした社会への移行を目指す市民運動でした。この活動の中で出会った仲間とともに、ゲストハウスを立ち上げることを思いつきます。

『亀時間』と名付けられたゲストハウスの開業は2011年の4月。東日本大震災の影響を大きく受けた中でのスタートでした。

『亀時間』はトランジションタウンの理念に基づき、「鎌倉を亀時間で旅する宿」というコンセプトのもと、景観に配慮した建物や地域に根差したイベントを通じて、まちづくりの一端を担う場所として運営が続けられてきました。

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旅先での出会い、異国でのカフェ立ち上げの経験、ムビラとの出会い…行き当たりばったりのように見えて、マサさんの人生の全てが『亀時間』という場に収斂していると、今改めて振り返ります。

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コロナ禍の中、10周年を迎える『亀時間』

2021年4月、『亀時間』は開業から10周年を迎えます。10周年にあたりイベント開催を計画しているものの、コロナ禍で先が見通せない状況。それでもマサさんは前を向きます。

「やれるところまでやる」「明日死んでも後悔しない選択をする」

そんなマサさんの言葉に、自分も含めた参加者の皆さんは勇気づけられたことと思います。

今回はマサさんの他にもゲストハウスオーナーの方々が参加されていたとともに、「これからゲストハウスを開きたい」という方々も何人か参加されていました。イベントの最後には、予定の時間を大きく超えて、ゲストハウスを開きたい人へのアドバイスがあり、とても濃い時間となりました。

マサさん、熱い時間をありがとうございました!

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