破綻を怖れないストーリー作り

録画「ズートピア」観る。周囲は絶賛の作品。
ややネタバレ注意。一応ぼかすけどね。

評判どおり、映像も、ストーリーもテーマの色んな暗喩も希望も素晴らしい。しかし、、、あまりにも予想どおりの過不足ない展開。主人公と相棒のキャラもまさに定型どおりよく出来ている。本当の敵の裏切り方も。まさに文句なし。最後の相棒の身の振り方は、出来すぎかな?とは思うが。

結論、すごくよく出来ている良い映画だけど、なぁーんか物足りない。もうちょっと逸脱、型破りなとこが欲しかったかなぁ。

ボクも駆け出しの頃、当時、漫画ゴラクの編集長だった東さんに、「ナベちゃんの原作者は本当によく出来ていて作家さんも編集も皆感心している褒めるけど、ボクにはちょっともの足りないんだよね。もっと破綻しなよ」
と言われて、最初は、「え?破綻していいの」と思って悩んだことがある。

悩んだ末、東さんの言っている事は理解できたと思う。
今は至言だったとわかる。感謝している。
「ズートピア」には破綻がない。そんな物足りなさ。

そして東さんに言われてからは出来るだけ、過剰だったり、あえて矛盾を取り込んだり、意識して逸脱した部分を作ろうと心がけている。「築地魚河岸三代目」の主人公、旬太郎も良い人に見えて、実は過剰で、はた迷惑な人物に意識して描いている。
情報もあえて過多であるほど入れ込んだ。
それを可能にしてスムーズに読めるのは、ひとえに、はしもとみつお先生の親しみやすいキャラと抜群のネーム力のおかげなのだけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?