見出し画像

小学生の頃に宗教を作った話

こんにちは。
実家が全焼したサノと申します。

僕は小学4年生か5年生の頃に、
「宗教」を作ったことがあります。

友達と3人で下校していた時に、
薄汚れたファービーが道端に
落ちていたことがきっかけでした。

道端に転がっていたファービーを見て、
なぜか僕たちはそれを
粗大ゴミ置き場にあった
冷蔵庫に保管しました。

それ以降、毎日粗大ゴミ置き場に行って、
ファービーを見に行くことが
僕たちの日課になりました。

毎日ファービーに会いに行っていると、
だんだん僕たちはファービーに
愛着を持つようになりました。

そして、ある日誰かがファービーを

「ファービー様」

と呼ぶようになりました。

ファービー教の誕生の瞬間でした。

それ以降、なんとなく僕たちは
秘密基地に行くような感覚で
ファービー様に会いに行き、
仲のいい友達にだけ
ファービー様を見せるようになりました。

普通に考えると相当僕は
頭がおかしいやつなのですが、
僕の友達も大抵は頭がおかしかったので、

「すげーーーーwwwww」

と友達からは喜ばれました。

ここから僕は何をとち狂ったのか、
ファービー教の「仕組み化」に着手しました。

具体的には、
ファービー様を唯一神としたうえで、
信者に階級制度を作ったのです。

階級は5段階あり、
入信したらまずは新人からスタートします。

入信しても特にノルマなどはありません。
また、階級によって差別などもされません。

ただし、 階級が上がると
「お願い」をする権利が与えられます。

「お願い」とは例えば、

「授業のノートを見せてほしい」

「消しゴム忘れたから貸してほしい」

とか、そんな程度の
「お願い」が多かったように思います。

お願いは自分よりも
低い階級の人が叶えてくれます。

もちろん「お願い」は命令ではないので、
嫌な「お願い」は断れます。

しかしなぜ多くの「お願い」が
叶えられるのかというと、

・1人紹介すると3P
・自分より上の階級の人のお願いを聞くと1P

これらの方法で3ポイント貯めると
1つ階級があがる仕組みだったためです。

正直なところ思いつきで
作った制度だったのですが、
思いのほかしっかりと機能しました。

誰かにお願いを聞いてほしい人が、
どんどんファービー教に招待してくれるため、
あっという間にクラスの大多数が
ファービー教に入信しました。

そして、わずか1週間足らずで
先生にバレました。

先生はファービー教を知った時、
大激怒していました。

そしてその日にクラス会が開かれました。

先生は怒りに震えながら

「誰が考えたんや。」

と僕たちに言いました。

一瞬の沈黙が流れた後、クラスの女の子が

「サノ君です。」

と言いました。

クラスメイトはファービー様の
信者ではあるものの、
僕の信者ではないので当然の結果です。

先生は僕たちに向かって、

「私たちに、優劣なんてありません。
私たちはみんな、平等です。
階層でわけるなんてもってのほかです。」

と冷静に説きました。

僕も悪ふざけとはいえ、
度が過ぎていたと反省しました。

先生やみんなに謝ろう、と思いました。

すると歯医者の息子のA君が突然、
先生に歯向かいました。

A君は先生に

「じゃあ先生は、校長先生に向かって
タメ口きけますか?」

と質問しました。

先生はしばらく黙りました。

そしてなぜか、僕の頭を叩きました。

こうしてクラス会は幕を閉じました。

後日、ファービー様に会いに行くと、
粗大ゴミと共に消えて無くなっていました。


いただいたお金は、切ないことに使います。