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有名人を使用した宣伝戦略がAIにより破壊される明るい未来

 この記事は、「文藝春秋SDGsエッセイ大賞2023」への応募記事です

 未来のためにできること、それは宣伝・広告が卑しく恥ずべき行為であるという文化を醸成することです。

 世の中は、意味のない広告等であふれています。
 TV番組、動画配信、webページ等の媒体が伝える情報の約二割ほどが広告でしょうか。
 しかし、それら広告に関心を持つものは一厘にも満たないでしょう。
 大いなる無駄です。

 必要なのは広告等を法律で制限することでありません。対症療法ではなく根本治療が必要なのです。

 つまり、宣伝・広告は、再生産に結びつかない行為であり、これに関わることは「恥」であると捉える文化を作り出すのです。

 具体的な内容は以下の通りです。

 消費者は、宣伝等に踊らされ、自らの判断による商品や役務の選択を放棄する姿勢を恥じるべきです。
 また、映像等を無料で享受する代わりに見たくもない広告等に我慢することの愚かしさを自覚しましょう。役務には正当な対価を払うべきです。
 
 生産者、提供者は、品質・質の向上よりも、欺瞞のための宣伝等に重点を置く姿勢を恥じるべきです。
 騙してでも商品を購入させればよいという態度は改めるべきです。
 また、消費者が、宣伝等を嫌悪している現実を受け入れましょう。

 芸能関係者は、無責任に虚言、妄言を弄する行為を恥じるべきです。
 自らが何ら関与していない商品をもっともらしく宣伝することはとても間抜けです。間抜けは本業だけにしましょう。
 また、自己の発言には責任を持ちましょう。伝統的に卑しいと看做される身分であるにしても、何を言っても許される訳ではありません。

 宣伝・広告業者は、私の提案通りの社会が実現すれば嫌われ者となります。
 しかし、広告は社会にとって不要と言う訳でもありません。必要悪としての分を弁え、ひっそりと活動しましょう。

 上述の文化が定着すれば、次のような効果があります。
 宣伝等にかかる物質的、人的資源を他の分野へと振り分けることできます。
 消費者の意識が変わることで、生産者の商品開発サイクルが長くなります。これにより、無駄な新発売、新開発が抑制され、資源を節約することができます。
 消費者の慎重な選択により、劣悪な商品・役務を市場から締め出すことができます。これは、暮らしの質や安全性の向上へとつながります。

 以上の提案が、私が考える「未来のために、今取り組むこと」です。

古往今来得ざれば即ち書き得れば即ち飽くは筆の常也。と云うわけで御座います、この浅ましき乞食めに何卒皆々様のご慈悲をお願い致します。