納入フレンドと納入経済、ポジティブ不足の生存戦略について

「友達経済」が流行っている

先日、レトリカ(@team_rhetorica)のイベントに行った。


その中で「友達経済」という話があった。仲良い人たちで集まって、守り合いながらみんなでアウトプットする、そのことによってざわつきを生み出し、友達を広げ、その経済圏でお金を回し合うイメージ。よくわかる。

最近SNS上で話題になっているものの多くはこの構造である。批判したいわけではないから名前を出すとALL YOURSとか。マーケターの界隈とか。大小さまざまなものがあるだろう。

正直、とても憧れる。いろんな人を味方につけてやっていくのすごいなあ……と思う。そういうふうにできたらいいな、と思いつつ、どうもひっかかりがあって、いま一歩踏み出せない自分がいる。


「『友達経済』が怖い」のはなぜか

ぼくは昔から「仲のいい友達グループ」に所属したりするのが苦手だった。ましてや自分でつくったりするのはとても考えられなかった。目立つのは好きだったが、一瞬の切れ味で異常に場を沸かせられればそれで満足だった(伝われ)。

数々の「仲良しグループ」がキラキラしているのを見てきたし、仲良しグループからしか生まれないものはたくさんあるはずだ。でも、やっぱり、苦手である。「無条件で信用できる友達」をめったに作れない。自分の思っていることはなかなか理解されないと思っているし、「内輪感」がすごく苦手だ。

単にプライドが高いだけなのかもしれないけど、「仲間はずれになりたくない」というトラウマや、人のことを厳しく見すぎる性格が大きく影響していると思っている。小学校のときに学級委員長とかやらされたトラウマとか、大して人望もないのに生徒会の選挙に出て落ちたこととかが影響しているような気がしてきた。それはさておき。


個人的には、これは「ヤマアラシのジレンマ」の話だと思っている。

(「ハリネズミのジレンマ」はエヴァの造語らしいよ!)

要するに、離れすぎると寒いけど、近づきすぎると痛い、という話。

「この人たちならこういうこと言える」という安心感は、「この人たちにはこういうことしか言えない(言ってはならない)」という不安感と表裏一体のものでもある。

「この人たちと分かりあえる」という安心感は、「この人たちと分かりあえなくなることはない(分かり合わなければならない)」という圧迫感と表裏一体のものでもある。

たぶんぼくはこの心地よい距離感が、人より少し遠い。ぼくにとっては「友達経済」だと近すぎる。

この感覚をどうすれば乗り越えられるのか。そもそも乗り越える必要はあるのか。


そもそも「ポジティブ」は富裕層のもの

この記事がめっちゃしっくりきた。

そりゃそうだ、ポジティブであればなんでもできるはずだ。死ぬまで無尽蔵にトライアンドエラーできる人が勝つに決まっている。

でも現実としてそうなりにくいのは、人間のやる気が、「ポジティブ」が希少品であるから。これに尽きる。

なぜポジティブが希少品なのか、というあたりをもっと掘り下げると自己肯定感とかの話になる。

親の年収と子どもの自尊心が比例する、というのは、「ポジティブ」の多寡が資本の多寡と密接につながっていることを裏付ける事実のひとつだ。

資本主義リアリズムの話もこれに近い。

資本主義リアリズムとは「お金がある人が強い(資本主義)ということが当たり前だし、それ以外ない(選べない)」という考え方のこと。乱暴な言い方だが、知性があれば資本主義リアリズムに抵抗することができる。しかし、論理的な抵抗手段を持たなければ屈するしかない。

ぼくは平均世帯年収300万円のまちで育った。父母共働きの収入を合わせても、ぼくが広告代理店で新卒でもらった給料のほうが多かった。それと関係あるかないかはわからないが、自己肯定感が低い。基本的にネガティブである。そして他人を信用するのが苦手である。

それはもう自分の人生として向き合うしかない。そうだとしても、友達経済を実践するためのハードルが多くあるぼくには、どういう生き残り方があるのだろうか。


「友達」よりゆるい概念「納入フレンド」

「納入フレンド」とは、業務上の取引をする相手としての良好な関係で、それ以上でも以下でもない関係を指す言葉だ。こないだジュンヨコヤマ氏 @yokoching が言っていた。

「そのスタンスでも、それより近づいて仲良くなれる人が本当の友達なんじゃね?」とはジュンヨコヤマ氏の談。なんか、しっくりきたかも。

またも3分で書いた図。ポジティブが少ないからといって、そんな簡単に人を信用できないからといって、それでダメなことは全然ない。はず。

「この人たちとは全部わかりあえるわけではない」という諦めが、「自分はこの人たちとは違うが、お互いに認め合えるはずである」という知性ある協力関係を築くことができるのではないか。そんなスタンスでも一緒にやりたいと思える相手、あえて近づかなくても、もう少し近づきたいと思える相手が真のマイメンなのではないか。

まあ、どっちもたぶんそれぞれが心地良い人がいると思う。けど、おれはもしかしたらこっちかもしれない。


「納入経済」で生きるために

この「友達経済」全盛期に、どのように「納入経済」で生き延びるか。

アウトプットのクオリティを上げるのか?その方法でつながっていける人とこそ、納入フレンド経済をつくっていけるのか?本当に理解してくれる人と出会っていけるのか?

自分の強い信念があるなら、とりあえずは納入フレンドでも十分なのかもしれない。まずは自分の信念を自分で持てる、語れるようになりたい。まだまだそのへんは手探りかも。


思えばIAMASの1年目に「友達からやっていくしかない」というようなことを言っていた。でもこれは、つよいものを相手にした時に、自分たちは友達からやっていくしかないということだった。

つよいものたちによる友達経済があるときに、自分たちの周りからやっていくことでは太刀打ちできないとしたら、どうするか。それはこれから考えていかないといけないのかも。それでも生きていかないといけないのですから。


どこかでもやもやしてるきみ、友達いなくても死ぬなよ。おれもがんばる。

↓ほんとのきもち

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コメント2件

深夜に読むとちょい泣くやつだ
友達ほしい……うっうっ
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