修士論文「特定の地域にまつわるクリエイティブ・コミュニティ形成のためのメディアの可能性」 | 目次

【これはなに】

私さのかずや @sanokazuya0306 が2017年に修了した大学院、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)で書いた修士論文です。2017年1月に書いたもので、実践は主に2016年後半に行ったものであることをご留意の上、お読みください。

お問合わせは上記Twitterか sanokazuya0306@gmail.com までどうぞ!



インターネット地域メディア「オホーツク島」

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約85,000字、90ページ

※以下の記事に分けているものと中身は一緒です。


目次

はじめに

第一章 研究の背景と目的
1.1 研究背景
 1.1.1 資本主義・消費主義の限界と「まやかしの幸せ」
 1.1.2 「地方」の限界、「都市」の限界、国家の限界
 1.1.3 「第三の柱」の可能性、集団活動によるボトムアップの可能性
 1.1.4 クリエイティブ・クラスの台頭
 1.1.5 「限界費用ゼロ社会」と「協働型コモンズ」
1.2 研究の目的
 1.2.1 自ら問題解決を行うことの意味
 1.2.2 複数人で何かをつくることの意味
 1.2.3 場をつくることの意味
 1.2.4 「地方」に焦点を当てることの意味

第二章 地域にまつわるクリエイティブ・コミュニティとメディア
2.1 新しいデジタルネイティブとクリエイティブ・コミュニティ
 2.1.1 デジタルネイティブに関する世界/日本の議論
 2.1.2 「デジタルレジデント」という集団
 2.1.3 デジタルレジデントとクリエイティブ・コミュニティ
2.2 コミュニティとメディアの事例
 2.2.1 地域コミュニティとメディア
 2.2.2 インターネットの「加速」とクリエイティブ・コミュニティ
2.3 研究課題

第三章 インターネット地域メディア「オホーツク島」制作
3.1 事前調査
 3.1.1 事前調査の目的および内容
 3.1.2 北海道オホーツク海側地域におけるインタビュー調査
 3.1.3 北海道オホーツク海側地域出身者を訪ねるインタビュー調査
3.2 目的・要件定義
3.3 コンテンツ概要
3.4 制作過程
 3.4.1 SNS等を通じた協力者募集
 3.4.2 制作準備からリリースまで
 3.4.3 運営

第四章 反響と考察
4.1 事後調査と考察
 4.1.1 調査の目的、内容
 4.1.2 調査の結果
4.2 観察できた反響と考察
4.3 インタビュー調査、観察結果のまとめ
4.4 今後の方針
4.5 デジタルレジデント、クリエイティブ・クラスの再定義
4.6 事例の一般化の可能性の検討

第五章 今後の展望
5.1 マス・ローカリズム
5.2 post-truth時代を生きる
5.3 「デジタル」のない10年後の世界に託すもの

おわりに


謝辞
参考文献


概要

資本主義および消費主義が世界の大部分を覆い、「企業」の力が大きく強まってきたアンバランスな現代の世界、そして日本は、閉塞感と絶望感と、それらを紛らわす「まやかしの幸せ」に満ちている。それにより、私たちの多くはより良い世界について思考することを止めてしまっている。この状況を打破するためには、政府でも企業でもない「第三の柱」=「政府や投資家に所有されていないすべての団体」による影響力の形成、が重要である。とカナダの経済学者ヘンリー・ミンツバーグは述べている。

このミンツバーグの考えをもとに、本研究では、リチャード・フロリダの提唱する「クリエイティブ・クラス」という階層の考え方、またクリエイティブ・クラスはクリエイティブ・ クラスが多いところに集合する、といった傾向をベースに議論を進める。クリエイティブ・クラスの提唱から15年が経ち、この考え方の中心となる人々や、そのコミュニケーション環境・手段は急速に変化している。これを受けて筆者は、これまでクリエイティブ・クラス の中心を担ってきた「デジタルネイティブ」と、現在そして今後その中心を担っていくと考えられる、幼少期〜青年期の特定の時期にインターネットの影響を受けてきた1990年前後生まれを中心とした人々である「デジタルレジデント」という集団の捉え方を提示する。

そしてデジタルレジデントが持つ特性を踏まえ、主にインターネット上を中心とした活動によって、クリエイティブな人々によるコミュニティ(本研究においてこれを「クリエイティブ・コミュニティ」と呼ぶ)を形成する。それにより、特定の地域に関して何らかの良い影響を与えうる、ゆくゆくは企業や行政にも劣らない影響力を持つ存在となる、そうした可能性を見出すことを目指す。

特に今回は、筆者の出身地でもある北海道オホーツク海側地域にまつわるウェブメディア 「オホーツク島」を制作し、この地域に関係がある人々によるクリエイティブ・コミュニティの形成を試みた。その結果、半年程度の準備期間、そして2017年1月現在まで4ヶ月程度の運営にも関わらず、どこにいても地元に貢献することができる場の形成の兆しや、既存の地域コミュニティの人々にも影響を与える兆し、そして北海道オホーツク海側地域に影響力を形成する兆しが見られた。さらに、活動を継続していくことでこの取り組みが広がっていく見込みもある。そしてこのメディア、および活動はある程度他地域でも適用可能なモデルであるとも考えられる。

こうしたごく小さな活動が多数発生していくことにより、地域の問題解決につながり、そのモデルが他地域でも活用されうるものとなり、ひいては世の中全体に良い影響を及ぼすものにつながっていくと考えられる。


筆者

さのかずや

1991年北海道遠軽町生まれ。2013年、大阪大学工学部応用理工学科機械工学科目卒業。2013年から2年間、広告代理店にてマスメディアを取り扱う営業として勤務。2015年から岐阜県立情報科学芸術大学院大学(IAMAS)、2017年修了。株式会社QUANTUMにてBizDev Associate/Technologistとしての勤務を経て、現在はフリーランス。

映像表現にとどまらない、ガジェットや電子工作を活用するVJとして活動する傍ら、インターネットを活用した非営利なメディアとコミュニティ形成の相関について研究している。


著作権について

本論文は、Creative Commonsライセンス<表示 - 非営利 4.0 国際 (CC BY-NC 4.0)>にて保護/公開されています。出典・引用物を除いた筆者に著作権が帰属するものについて、、「非営利目的、かつ筆者の名前を明記する」という要件において、自由に引用・改変が可能です。営利目的など、条件にそぐわないものになりうる場合は、お気軽に sanokazuya0306@gmail.com あるいは各SNSアカウントなどでご連絡ください。


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さのかずや

さのかずや 情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修士論文

さのかずやの情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了時の修士論文「特定の地域にまつわるクリエイティブ・コミュニティ形成のためのメディアの可能性」(2017) を全文掲載しています。
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