「地方の仕事をする」ことと「地方に移住する」ことはイコールなのか

年の瀬ですね

おばんです、さのかずや (@sanokazuya0306) です。「おばんです」は北海道のあいさつです。

新年のご挨拶からもう1年も経ちましたか。当時はまだ会社員でした。会社をやめようか考え始めていた頃だった気がする。


ぐちゃぐちゃなまま前に進むこと

東京なのか札幌なのか道東なのかわからないままいろいろやっている。

いまのところちゃんと生活のためのお金は回ってるし、その中でやりたいこともやれている。やりたいことに突っ込みすぎると辛くなるのが見えているので、無理ない範囲でできることをじわじわと進めている。今の自分にとってはすごくいいバランス。


東京で鍛錬か、地方に移住か、二拠点居住か、の話

北海道に存在感を轟かす、レペゼン名寄のファシリテーター、黒井姉さんのnoteが結構いろんなひとに読まれていた。名寄がどこにあるか自信ない人は今すぐググってください。いますぐに!!!名寄が読めない人は長万部送りです

3月で28歳だけどギリギリ27歳のワイとしては思うところも多々あり、とてもおもしろかった。でもなんか引っかかるところがあった。なんだろう。と思ったので、考えていることを書いてみる。


「地方の仕事をする」=「地方に住む」なのか

黒井さんのnoteには、いろいろと環境が変わったり、変えたいと思ったりしがちな27歳からの相談が多いので、20代で移住するべきか、30代で移住するべきか、あるいは二拠点居住のような別の選択肢をとるか、経験から比較してみた、というようなことが書いてある(めっちゃ参考になります)。

めっちゃ参考になったのだけど、「地方のことをする」ためには「移住」が必要なのか、については、結構いろいろ考え方があると思う。

たとえば、地方の役場で働く、というようなことは、ある地域に住む人達に行政サービスを提供することが主であるので、基本的には移住が間違いなく必要だろう。農業とか漁業とか、その土地にあるものをずっとその場所で手入れする必要があるものも移住が必要と考えられる。

でも、地方の仕事には、必ずしもずっと同じ場所にいなくてもいい仕事は割とある。観光ガイドであっても、ガイドしないときは必ずしもその場所にいる必要はないし、地域のものを売っていく仕事などは、むしろ外とのつながりのほうが大事かもしれない。同じ場所にずっといても全然進まないことも、場合によってはあるだろう。

さらに言うと、いまの地方で必要な仕事は、極端に言えば、その地域の人手不足を補う安価で都合のいい労働力か、その地域にまだないお金を作り出す仕事しかない。前者は基本的に雇用者の言いなりになる必要があるので、場所の自由は限られるが、後者は、お金をつくるために効率のいい動き方ができればなんでもよいはずである。

つまり、「地方のことをする」ために「移住」が必要かどうかは、自分が何をしたいのかによって変わってくるが、必ずしも「移住」しなくてはならないわけではない、とぼくは考えている。

「地方のことをする」ということと「地方に住む」ということは、イコールじゃなくていい。そこの認識はもうちょっと世の中に広がってもいい、と個人的に思っている。


「信用」がどれだけ必要か

とはいえ、「二拠点居住で地方のことをやるべき」とか「遠くから地方のことをやるのが正解」ということを言いたいわけではない。

ここで鍵になるのが「信用」とその数、だとぼくは考えている。

黒井さんのnoteには、

(前略)「まちづくり」「コミュニティ形成」みたいなところに関わりたいなら、地方は早く行った方がいいと思います。
(逆に言うと、まちづくりとか興味なかったら、早くなくてもいいかもしれないです)

と書いてある。これはぼくもそう思う。なぜなら「まちづくり」「コミュニティ形成」には、まちにいるたくさんの人の「信用」が何よりも重要だから。特にまちのキーマンとなる人とはいつでも連絡が取れるような太い信用を築く必要があるし、そうでない人からも「あの人は頑張ってるな」というような邪魔されない程度の信用を得る必要があるからだ。少なくとも大学院のときに、全国の事例を直接インタビューも含めかなり調べた中では、そういう関係なしにうまくことを進められている人はいなかった。

しかし、黒井さんも()の中で述べているように、地方の仕事は「まちづくり」ばかりではない。言い換えると、地方の仕事は、必ずしもそんなに多くの人から「信用」を得る必要があるわけではない。

例えばぼくはいま、地元の近くのまちで家をお借りして民泊的な事業を始めようと計画しているが、ただ民泊をやるだけであれば、そのために必要な「信用」はさほど多くはない。少なくともそのお家の持ち主や仲介となる方、近隣の住民の方々や近隣で宿泊業などを行う方、書類を提出する先の各機関の担当者さんなどの「信用」は必要だし、そういう方々の「信用」が大きな足がかりになることは間違いないが、こういう事業の場合、関係する方々の「信用」を得るために、移住することが必須であるわけではない。

もちろん、移住は「信用」を得るために非常に手っ取り早い手段ではある。毎日顔を合わせる人のほうが信用できるのは当たり前だ。

ただもっと当たり前のこととして、ぼくらは生活していかなくてはいけない。地方で働くことと都会で働くこと、自分のスキルを活かすことによる生活のコスパと「信用」を得るコスパ。ぼくはそこを天秤にかけた結果、都会で生活し、そこでつくったお金と時間で「信用」を得に地方へ行く、ということが自分にとってベストであると判断した。そして今のところ、それは間違ってなさそうだ。


「信用」を得るには「やれることをやる」がすべて

地方で活動している人の多くは、単純に近くに住んでいる仲間が増えてほしいので、大体地方に引っ張り込もうとする。それはそれで当たり前だと思う。人によっては「地方に住んでないと地方のことをする資格はない」ということを言う人もいる。

でも移住しなくたってできることはたくさんある、ということだけは強く言いたい。

前から言っているし論文にも書いたが、住んでるけど土地に愛着なんか全然ない人もいるし、住んでないけど土地への愛着はすごくある人もいる。住んでないけど行動できている人もいるし、住んでても行動できない人もいる。自分で行動しないけど誰かの行動を毎回支援している人もいるし、なにかやろうとしても行動する手段がないから頑張って調べたり、試行錯誤している人もいる。その状況に優劣はなく、当たり前だけど、等しく尊い。状況を前に進めるために、やれることやってる人はみんな偉い。

ぼくが、少なくとも民泊的なことを始めようと取りかかれるくらいの信用を得られたのは、これまで地元に強い愛着と執念を持って行動してきて、その結果助けてくれる素敵な大人にたくさん出会えた結果、信用が信用をつないでくれた、ということだったように思う。助けてくださっている人の出会いを遡るとどこまでいっても人の繋がりがあり、そこは「信用」というほかないようなきっかけだったように思う。これは別に地方に限った話じゃないですね。

なんでもいいからちょっとずつ行動して、いろんな人の助けや状況の運に支えられながら、「信用」を得ていくことだけですね。今年も来年も。

具体的に目に見える結果も残さずに、二拠点居住とか、あちこちでやってるアピールとかを主張してるだけだと、一見羨ましそうには見えるけど、実態がバレたときに信用失うからやめたほうがいいと思う。ぼくが二拠点居住とか言わないのはそういう理由が大きい。黒井さんが「二拠点居住は体力が要る」と言うのも、そういう部分が大きいと思う。

1年かかったけどこういうことっぽい


「できることをやる」ための仕組みづくりを

最近、自発的に行動することを促す必要はないのではないかと思ってきた。自発的に行動する人、自発的に行動できる人が周りに多くなってきたからかもしれない。道東みんなアホみたいなエネルギーありすぎ。

道東のアホエネルギーについてはこちらをご参照ください

一方で、いくら自発的な行動を促そうが、実際に行動を起こせる人は本当に限られている。Twitterとかnoteとかは行動起こせるマンの天下一武道会だからみんな行動起こせるように錯覚しがちだけど、その内容にもよるが、目に見えるような行動を起こせるのは実際はごく限られた人たちだけだ。

自分で行動する人は「世界の中心」がどこにあろうと頑張れる。でもそんな人は世界にごくわずかしかいない。そういう人たちだって最初は絶対誰かの助けがあったはずで、自分で行動する人になれるまでは「世界の中心」の動きに触れていたはずだ。

自発的に行動を起こせる人のアホエネルギーを最大化することも、もちろんそれはそれで大事。でもむしろ、そういうアホエネルギーがなくても、個人が持つ愛や執念を示すことのできる行動手段を整えること、そういうシステムをつくっていくことのほうが、世の中によっぽど価値があるのかもしれない、と最近思い始めている。それはたとえばウェブサービスなのかもしれないし、事業なのかもしれないし、会社なのかもしれない。まだわからない。

そういう、愛から生まれる行動を最大化できる「システムづくり」をやっていきたい。ポジショントークだらけの天下一武道会に参加しなくてもやっていける、個人の能力や知名度や資本力やなんやらに依存しない、でもできるだけ多くのひとの力によって動いていくシステムを。

ずっと前から考えてはいたけど、最近やっと足がかりが作れそうな気配がしてきたので、2019年はそういうことを見据えてやっていきたいですね。


という、ポジショントーク全開の暑苦しい文章を書いて今年最後のnoteにします。

今年中にはてなブログで毎年やってる「これがよかった2018」という記事を書くのでおたのしみに!しかし29も30も仕事だ!ほんとうに書けるのか!?


皆さま良いお年を!!!


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