3.3 コンテンツ概要 | さのかずや修士論文

「オホーツク島」は、2017年1月時点では主にウェブサイト/facebookアカウント/twitterアカウント/instagramアカウントの4つのメディアからなる。これらのメディアの総称として「オホーツク島」とする。これらのメディアを使用した理由は、2016年現在、個人のリソースでも活用可能で、いずれもその必要性が高いメディアであると判断したためである。「オホーツク島」の名前の由来については3.4の制作過程で示す。

図12 ウェブサイト

まずウェブサイト(図12)に関して述べる。ウェブサイトはウェブサービス「Tumblr」を使用し、別途取得した独自ドメインをリンクさせている。こうしたウェブサイトを制作する際に2016年時点で最も一般的であったのは「WordPress」であったが、ウェブ実装を行った筆者の技術力、かけられる資金と時間、運営の際の手間、見た目の美しさなどを考慮し、ウェブサイト制作力がある人の協力を得られるまではTumblrを使用することとした。制作協力者の募集に関しては3.4で詳しく述べる。

コンテンツとしてはトップページの他に、現在1つのページと3つのカテゴリーがある。ページは「島役場へ」であり、一般的なウェブサイトのAboutページにあるようなものである。

「島役場へ」内の「島のものがたり」については、「オホーツク島」を通して伝えたい、一般的にはやや「意識が高い」、重いテーマのメッセージを、極力堅苦しくなく伝えていくため、ものがたり調、絵本のような表現で制作を行った。

また同じく「島役場へ」内の「このサイトについて」では、「お金稼がない」「地域おこさない」という2つのメッセージを掲げている。1つめの「お金稼がない」については、北海道オホーツク海側地域のような、自力で商売をしてお金を稼いでいるような人が極端に少ない地域において、「お金を稼ぐ」ということは「人を騙す」「搾り取る」ということであるとみなされがちであることを踏まえ、「お金稼がない」と宣言し、実際にこのウェブメディア単体では広告出稿や資金を受けての宣伝などを行わないことにより、「いいこと言ってるけど人を騙してるのでは?」といったような批判を避け、地域の人々から信用を得ていくことを目的としたものである。2つめの「地域おこさない」については、「地域おこし」というほとんど実態を持たない言葉が流布していることに対し、そうした一時的な流行りに乗っかったものではなく、本当にこの地域のことを考えているからこそ、自分たちのために行動を起こし、その結果地域に対する貢献になるべきである、という筆者の考えを表現し、その考えをこのメディアを通して実践していくことを宣言することにより、同じような問題意識を持った仲間を惹きつけることを目的としている。

またこのページの他に「島の開拓者」「島の語り手」「村長ラボ」という3つのカテゴリーのコンテンツを制作している。「島の開拓者」は筆者がインタビューしたオホーツク関係者(在住者、出身者を中心とした、オホーツクに関わりのある人)の記事であり、「島の語り手」はオホーツク関係者による連載、「村長ラボ」はオホーツクに関係のある噂やデータなどを元にしたオホーツクに関する情報の分析を、オホーツク島のキャラクター「クマ村長」「子グマちゃん」「フクロウ博士」による掛け合いによって伝える記事である。

「クマ村長」や「子グマちゃん」といったキャラクターを立てている理由は、「島のものがたり」と同様、筆者のような特定の人物によるメッセージというより、地域に紐づく、地域のイメージを持つキャラクターによるメッセージ伝達のほうが、説教臭い堅苦しい高尚なものにならず、より気軽な気持ちで読むことができるのではないかと筆者が考えたことに基づく。大まかに、クマ村長が地域に関する情報、子グマちゃんが地域外の情報を提供する存在というキャラ設定をしている。こうしたキャラクターは、ウェブサイトのコンテンツのみならず、Twitterやfacebookの更新においても活用している。こうしたキャラクターを用いたメッセージ伝達の有効性は、筆者が2015年に制作したウェブメディア「イアマ速報」にて実践したことにより確認したものである(注:「イア子」と「マス男」というキャラクターを立てて更新した。架空のキャラクター同士がTwitter上で交流している様子を自作自演することにより、IAMAS生やIAMAS関係者を中心に様々な交流が生まれるなどした)。

図13 Twitter オホーツク島 公式アカウント

Twitter(図13)に関しては、「オホーツク島」公式アカウント「クマ村長」アカウント「子グマちゃん」アカウントの3つを制作・運用している。Twitter「オホーツク島」公式アカウントは、更新したコンテンツの宣伝や、Twitterを使用しているオホーツク関係者の情報をリツイートなどを用いて拡散するために使用している。また「クマ村長」「子グマちゃん」アカウントについては前述のキャラ設定に基づき、公式アカウントで述べるほどでもない情報などを投稿し、閲覧者とコミュニケーションをとる(とろうとする)ことを主な目的をしている。

図14 facebookページ

facebookに関しては、facebookページ(図14)に「クマ村長」が投稿を行うという設定で、新しい記事の投稿や、facebookやインターネット上に掲載されるオホーツクに関する情報をシェアすることをメインに運用している。facebookでシェアされることにより閲覧数が上がることが予想されたため、シェアされやすいような見出しやOGP情報(注:OGP…Open Graph protocolの略。SNSでシェアを行う際に、リンク先の内容を表示する仕組み。ウェブサイトにOGPに関する情報を仕込んでおくとSNS上で仕込んだ通りに表示される。逆に言うと、SNS上で画像などが綺麗に表示されるためには、画像の大きさをSNSできれいに表示される大きさで表示させておくなど、ウェブサイト上に適切な形態の情報を仕込まなくてはいけない)等を含めて投稿することを意識している。

図15 Instagramアカウント

Instagramアカウント(図15)に関しては、Twitterやfacebookと若干異なるトーンで運用を行っている。筆者の感覚であるが、Instagramを日常的に使用しているのは明らかにTwitterやfacebookとは異なる層の人々であり、そうした人々にアプローチするためには、Twitterやfacebookよりも洗練され、落ち着いた印象を与える、よりクリエイティビティが高い(と筆者が考える)ものを投稿する必要があると考えている。

このように、「オホーツク」という記号に関係する人々に、極力様々なメディアで様々なタイプの人々にアプローチできるよう、活動と工夫、見直しを適宜行っている。


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さのかずや

Freelance BizDev, Technologist / 新規事業と技術演出 http://sanokazuya0306.com

さのかずや 情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修士論文

さのかずやの情報科学芸術大学院大学(IAMAS)修了時の修士論文「特定の地域にまつわるクリエイティブ・コミュニティ形成のためのメディアの可能性」(2017) を全文掲載しています。
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