ちくわ会長

日本近代文学が好きで、太宰治と梶井基次郎の両先生をぼんやり畏敬しています。超早漏なのは…

ちくわ会長

日本近代文学が好きで、太宰治と梶井基次郎の両先生をぼんやり畏敬しています。超早漏なのは感受性が高い証拠。

マガジン

  • 私はまた旅に出た

    おまえ は もう 静か な 部屋 に 帰る が よい。 煥発 する 都会 の 夜々 の 燈火 を 後 に、 おまえ は もう、 郊外 の 道 を 辿る が よい。 そして 心 の 呟き を、 ゆっくり と 聴く が よい。

  • 日本近代文学

  • ライフワークのような

    太平洋戦争の後半、昭和18年以降、戦局の潮目が変わり、米軍の反撃攻勢に敗退を重ねていった日本軍、とりわけ陸軍、中でも下級兵士たちが、どう戦いどう敗北潰走していったのか、また終戦後誰がどう責任をとったのかの実相を調べ考えていくための記録。

  • 亡き妻Yを思う

    若い時に死んだ妻Yとの、途切れ途切れになった記憶を、ひとつずつ、つなぎ合わせています。全部つながると、きっと、妻が僕の前に現れてくれます。ニコリと笑いながら現れてくれるはずです。

最近の記事

今日も元恋人と少し立ち話をしたけど、このあとお茶しようと、喉まで出ていた言葉を、また、飲み込んでしまった。迷惑かけたくない怒らせたくないという、それだけで。こうして、後になって後悔する!バカだなオレ!(いや、何でもない!独り言です!!)

    • 旅と読書

      以前、旅行で新幹線に乗った時など、前席背中に挟まれている「トランヴェール」なる車内誌をめくるのがちょっとした楽しみであった。東日本エリアではあったけど、地方の町の名所旧跡や名産品を紹介する記事が載せられていたことと、にもまして、巻頭には必ず沢木耕太郎のエッセイが連載されていたからだ。沢木のエッセイは、難意語も気取った体裁もなく、平易な文体で書かれていて、電子辞書とノートが無ければ読み進めることが出来ない私の癖を必要としないので、読むに苦なく、旅の途上の私を大層喜ばせてくれるの

      • 後ろ髪

        先日の夕方のこと。妻は、夜7時キックオフだという地元サッカーチームの試合を応援しに、仕事先から直接スタジアムに行ってしまった。 暇になった私はそれでも一旦帰宅したものの、あれれ、する事ねぇなぁ、持て余した時間をつぶすべく、季節用品棚に並び始めたキャンプ用品を見にでも、と近くのホームセンターに出かけた。 入り口から入って大きな通路を進むと、白いセーターを着たひとりの女が、こちらに向かってくる。 4年前に婚外でつきあっていた元の恋人だった。 「元」恋人の立ち位置からすれば、彼女を

        • +3

          富盛のシーサーと私

        今日も元恋人と少し立ち話をしたけど、このあとお茶しようと、喉まで出ていた言葉を、また、飲み込んでしまった。迷惑かけたくない怒らせたくないという、それだけで。こうして、後になって後悔する!バカだなオレ!(いや、何でもない!独り言です!!)

        マガジン

        • 私はまた旅に出た
          120本
        • 日本近代文学
          5本
        • ライフワークのような
          17本
        • 亡き妻Yを思う
          26本

        記事

          残酷な自分を見つけた件 (お布団の中で反省会)

          不覚にも今更ながら、コロナに羅ってしまった。月曜、仕事を終えて帰宅すると、寒気がする。まあ、冬だから寒いんよね、と思いたい気持ちと裏腹に、寒さとは明らかに違う感覚に気づいてしまったのが敗因。あれよあれよと言う間に発熱と悪寒が全身を襲って来た。当初インフルかと錯覚して、それでも夫婦の寝室から自分の布団を下げ、以前は息子の部屋、今は本のほとんどない「自称」書斎、に運び入れ、そのまま布団にダイブ。 翌日近所の内科に受診して、そこでコロナを告知された。その日と翌日は微熱なのに激しい悪

          残酷な自分を見つけた件 (お布団の中で反省会)

          太宰治の手紙を読む 1

          これから私は、数年前に発見された太宰治の手紙2通を読みつつ、我が座右の銘ならぬ座右の書、猪瀬直樹「ピカレスク」、その第5章「第4の事件」冒頭あたり、第2回と第3回芥川賞を巡る太宰の逡巡のようすを、自分なりに補完しながら思いを巡らせてみようと思うのである。猪瀬先生の偉業に対して、甚だ烏滸がましくも無礼千万な試みと承知はしているけれど、太宰にイカレた一人のじじいの、熱い気持ちを解って頂ければとも思っている。 1,2015年発見の佐藤春夫宛手紙 近年発見された太宰治の手紙が二通

          太宰治の手紙を読む 1

          「津軽」に思いを馳せて

          はじめに ふと点けたテレビでは、ウクライナの戦争やパレスチナの戦争を映し出したあと、最後に、街角で女性が「今の私達は世界がまさに目前で壊れていくさまを見ているのではないか、人類は何も学ばないと言うことが分かった。」とインタビューに答えていた。 この日本でも、北陸地震に潰れた家屋の中で、まだたくさんの人たちが残されている、支援も届かないという、叫びと嗚咽が詰まった惨状を見せている。 どれもが余りに切ない。テレビのこちらで、リンゴを齧りながらそれを見ている自分も、なんだか間抜けで

          「津軽」に思いを馳せて

          首里城で鎌倉芳太郎

          先日、妻を連れ沖縄へ旅行に出かけた。 朝一の新幹線で東京へ、11時の飛行機で沖縄那覇へ。2時に那覇空港。送迎バスに乗りレンタカー屋さんへ。3時過ぎには那覇の街へ出発。沖縄そばなど食べて、夕方には予定通りホテルに身を置く事ができた。改めて日本の交通システムの正確さに感心する。 さて翌日。沖縄も今回で18回目なので特に観光地に行くつもりはなかったのだが、いや待て、ここだけは、今どうしても、と向かった先は、、、 1、首里城再訪 週末はあいにくの曇り空だったけど、2019年秋に消失

          首里城で鎌倉芳太郎

          夏の清掃センターは悲しからずや

          いや何とも中原中也に申し訳ない記事タイトルなのだが、ある初夏の土曜日午前、市の運営する清掃センターに粗大ゴミを捨てに行った。その特異な建物を見ての帰途、私の脳裏に浮かんできたのは、まさにこのフレーズなのである。 「夏の清掃センターは悲しからずや」 うーん(-_- ) 片づけ 野遊び道具を買いまくった結果、とうとう我が家の物置に入り切らなくなって、とても困った、とっても弱った、さてどうしたものか、なんとかせねば、と相成った次第。 勢いで買ったツールーム(2room )テント

          夏の清掃センターは悲しからずや

          先ほど、私のそばを通り過ぎた元恋人が「昨日お誕生日でしたよね。おめでとうございます」と声をかけてくれた。婚外とは言え恋愛をした数年前の思い出が、通り過ぎた彼女から発する香水の甘い香りに溶け、辺りにふわり漂って、なんだか幸せな気持ちになれた。←後ろ髪引かれてる感ありあり、すまん⤵

          先ほど、私のそばを通り過ぎた元恋人が「昨日お誕生日でしたよね。おめでとうございます」と声をかけてくれた。婚外とは言え恋愛をした数年前の思い出が、通り過ぎた彼女から発する香水の甘い香りに溶け、辺りにふわり漂って、なんだか幸せな気持ちになれた。←後ろ髪引かれてる感ありあり、すまん⤵

          野坂昭如の語る「火垂るの墓」

          1,はじめに 僕は野坂昭如「火垂るの墓」がとても嫌いである。好きなんだけど嫌い、なのである。 小説でもアニメでも例の三宮駅構内のシーンから始まるのだけど、それが出てくると、もうたまらない。涙腺崩壊などという低レベルの哀しみではない、胸の奥がギュッと締め付けられ、ギュッギュッとマジに痛くなる。開始1分でもう見ていられない、つらい。無理! 2,朗読CD さて、会社の始業前や昼休み中は、スマホに入れた音楽を聴いて過ごしている僕なのだが、時々は音楽だけでなくてCDからダウンロードし

          野坂昭如の語る「火垂るの墓」

          思ひ出

          1、先日のこと。 なんだか高性能のワイヤレスイヤホンが欲しいのではないか、そんな気がする、という暇つぶしの理由を無理やり見つけて、私は近くのショッピングセンターに出掛けた。売場では、あれやこれやと見たものの、流行りものなのかイヤホンの種類の多さに圧倒され、これと言ったものが絞り込めず、まあネットでお勧めを調べてまた出直そうと、ひとまず帰ることにした。田舎のショッピングセンターに良くある、屋上階に造られた駐車場。そこに置いた車に戻ろうと、売り場階から傾斜のついた「動く歩道(オ

          沢木耕太郎「天路の旅人」

          今年は運がよいのだろうか、1月のある日の夜、リビングに設えたコタツに首まで埋まりつつ、見るともなしに見ていたNHK。ニュースが終わり、始まったクローズアップ現代。なんとそこには沢木耕太郎が出演していたのである。 おおっ! 途端、私は飛び起きてテレビの前まで走り(と言っても三歩くらいだけど)18才で初めて行った生麦ストリップ劇場のとき以来、久々のかぶりつきで、番組を食い入るように見た。 そこでは沢木の新刊「天路の旅人」を基に、その主人公、西川一三(かずみ)の旅の足跡とその後の

          沢木耕太郎「天路の旅人」

          「夢」二題

          1, 今の、このままの顔と心持ちで女の身体になって、なぜか花と鋏を手に持ち、明るい倉庫の中、切り花の出荷作業をしている自分、、、というまるで脈絡のない、断片的な夢を見た。 これが私にとって今年の初夢だったことだけは、さすがにちょっと狼狽している今なのだが、あれは女の身体になってではなくて、女装をしていた気もしてきて、目覚めた直後スウェットパンツの中で激しく勃起していた事実からは、その夢には自分の性癖に沿った続きがあったのかも、あらあら忘れちゃった、と残念がったりしながらも、ニ

          「夢」二題

          今月から、同じ敷地内だけど、期限付きの出向に出ている。先ほど昼食を終えて社員食堂から出てきたら、別れた彼女にぱったり会った。ニコッと「制服似合ってますね」と声をかけてくれた。うまく返せなかったけど、例の優しい声にとても嬉しかった。嫌な事ばかりの毎日だけど、彼女の一言で救われたよ。

          今月から、同じ敷地内だけど、期限付きの出向に出ている。先ほど昼食を終えて社員食堂から出てきたら、別れた彼女にぱったり会った。ニコッと「制服似合ってますね」と声をかけてくれた。うまく返せなかったけど、例の優しい声にとても嬉しかった。嫌な事ばかりの毎日だけど、彼女の一言で救われたよ。