レンズの彩度を自分で調節するということ

※感想ブログではないです

あのLiSAさんのファン層がたった1回のイレギュラー対バンで批判されてしまう事がなんとなく腑に落ちなくて、個人的な気持ちとしては「いくらなんでもキャリアある国民的アーティストだし…LiSAさんレベルのアーティストなら客層教育もしているはずでは」と疑問に思ったので、色々調べて見たら、どうやら世の中には建前上のモッシュ・ダイブ禁止令という風習を持つ界隈がある事を知ったので、そこから思ったことを書いてみました。

私はa flood of circleのファンで今回のライブにはフラッドを観る目的で参加しました。LiSAさんのライブは初参加。知っている楽曲は決して多くはないのですが、国民的アーティストさんなので期待値も高く、世の中のLiSAっ子さんを差し置いて、オルスタという滅多にない貴重なライブを私みたいな、にわかがお会いしちゃっていいんだろうかという畏れ多い気持ちも持ちつつも、本当に楽しみにして今回のライブに臨みました。

実際にライブはとても楽しくて、贅沢な一夜になりました!
同じマインドのアーティストが同じステージに降り立つだけで、ライブ会場に魔法がかかったようで、どの場面も思い出深いライブになりました。

嘘を書いても仕方ないので本来あったことを書くと、素晴らしいライブの一方で、見受けられたのはダイブやモッシュの多発と、またそれらが禁止されていたにも関わらず、ルールを守らなかった客層に対するファンからの様々な言葉たちでした。

公演前、ダイブ・モッシュは禁止の旨が説明されていました。
LiSAさんへの期待値もあり整理番号も良かったため、私は前衛に待機。ある程度の圧縮などは覚悟しつつ臨んだのですが、先発のLiSAさんのライブが始まるなり、ダイブとモッシュが4小節おきくらいにゾロゾロ起こるので(笑)禁止と分かりつつも頭部保護を最優先で、前に投げ出す一味に加わってしまいました。あとそこから逃れる隙間もなかったです。

ダイブ、モッシュは意想外でしたが、ステージ前衛というのは、その日のライブの雰囲気によって熱気が激動するポジションだと思っているので、そこに居合わせていたことに関しては、自己責任なので後悔する余地もないと思っています。

続くフラッドのライブも、個人的な感覚ですが、これまでにないくらいの熱量になっており、普段よりはモッシュ・ダイブ・リフトが発生しました。
LiSAさんのつくった会場の熱量に当てられて、フラッドファンがいつもより増してダイブ回数を増やしたのか、実はLiSAっ子が転がってきただけなのか、今となってはよく分かりません。とりあえず、フラッドにしてはいつもよりダイバーの数は多いなという肌感覚がありました。

禁止と言われれば起こりそうにないダイブやモッシュが、会場の流れに乗じてなのか、そのまま後奏のフラッドの演奏でも発生した事実に関しては少々驚きました。
ライブの流れって、良くも悪くも断ち切れない一つの空間なのだと思いました。生き物ですね。

コロナ禍を経てここ数年は落ち着いていますが、元々フラッド単体のライブではモッシュ・ダイブ・リフトは許容範囲内で起こります。多発ほどではないですが、盛り上がる楽曲の際に前衛にいればそこそこ起こる程度。静かな鑑賞スタイルではないけれど、かといってモッシュやダイブが主流でもないです。

前衛に行けばモッシュ・ダイブが起こる事もあり、後方にいればパーソナルスペースを保持しながら立ち見可能。フラッドファンの中ではこのくらいの感じで共通認識されているように思っています。(古参ファンでもないので間違っていたらすみません)

ですのでこの日は、事前アナウンスがなければ、いつも通りモッシュ・ダイブは許容範囲内で起こるだろうと思い、アナウンスがあれば禁止という認識。
今回、禁止のアナウンスがあった為、私は前衛ぎゅうぎゅう詰めはあるものの、ダイブやモッシュは起こると想定していませんでした。
そして前述に戻ります。

とても良いライブだったために、後味の悪い感覚を感じた方もいらっしゃるかと思いますので、ここから先は、その感覚が少しまぎれたらいいなぁ、という気持ちで書いてみます。

これは私も初めて知ったことだったのですが、界隈によっては建前上の「ダイブ・モッシュ禁止令」があるそうで、特にハードコア・パンク界隈では常態化された認識のようです。

ダイブ・モッシュ禁止のアナウンスをしつつも、実際にはそれが起こっても公演が中止になったりすることはなく、アーティストとファンの間で「してもいい、けど責任は各々で。アナウンスはした」という暗黙のルールとして容認されているそうです。

「ダイブ・モッシュ・建前」と検索されてみて下さい。
一般常識かの如く書かれています。

フェスによっては、主催者が禁止と提示していても、出演するアーティストの傾向によっては自然発生する事もあるようで。調べていて興味深かったのが、打首獄門同好会の投稿でした。
メトロック側がすでに禁止を提示しているにも関わらず、さらに『ガチで禁止』と再説明しているのは、それを入れないと、建前上の禁止令と認識したファンが、メトロック会場でモッシュ・ダイブをするおそれがあるからです。



へぇ〜そんな界隈常識があるんだと思いましたが、この常識が汎用されているという事は、その界隈ではそれが普通という事です。
界隈ルールを知らないファン層と、認識の差でトラブルがあるのも今に始まったことではないようです。それゆえ、建前アナウンスについてもいくらか論争もあったそうです。(調べた情報の一部だけ引用します)


建前アナウンスなんて、客層教育をきちんとしてこなかった運営の責任だとか、今いるアーティストはそれで育ったんだから排除するのは…etc、どこのエンタメ業界も一定の問題を抱えつつ、現状と共生しているのだと思いました。

これについて是か非かを論じたい訳では全くなく、私が感じたのはLiSA界隈もこの一般常識だったのでは、という事です。

フラッドのファン層から見れば、ルールを守られていないと思いますが、LiSAっ子が「建前ルールのやつだからやってOK」と認識している層であれば、自分たちの常識の範囲内で動くと思います。

なので悪意やコンプラが低いとかの類ではなく、向こうは向こうの常識でライブを楽しまれただけなのかな、と思いました。

ここからはネトサしたキモオタクの言い分ですが、LiSAっ子たちの反応を見たら(ネチネチダネ...)「(フラッドのファン)禁止と思ってたんだ」「ダイブ・モッシュできるね!(公演数日前の投稿)」などポストがあったので、界隈の認識の相違だと思いました。(悪意ではない)

会場アナウンスも「モッシュ、ダイブ禁止です。ですがそれでも前方は窮屈になる可能性がありますので、気にされる方は後方へお下がり下さい」と、このような感じの案内だったと記憶しております。

その時はずいぶん不可思議なアナウンスだなぁ(笑)...と思って聞いていました。
これも建前アナウンスの言い回しなのかもしれません。

LiSAさんは今でこそホール、アリーナ公演が主体ですが、過去のように、オルスタライブであればそういう暗黙のルール側のアーティストさんであっても、曲系統的にも、へんではないのかなと思っています。

あくまで予想で語っているだけなので、詳細ご存知のLiSAっ子さんの方がいたら教えて欲しいです。

なのでお伝えしたいのは、悪意があってルールを破ったのではなくて、自分たちの界隈常識内で普通に楽しんでいただけであった、かもしれない、という事です。

建前アナウンスの存在については、今回の対バンというよりも、業界の風習による広範囲で根深い問題であると思うので言及は避けます。

タックルされた、ひっぺがされた→それはどの界隈でも起こったとしても非常識な出来事なので、怖いし悲しい気持ちになりますね。

LiSAコール→アニメ関連のアーティスだと文化的なもの。LiSAっ子にとっては普通だった。最初はびっくりしますね。

呼ばれた側なのだからLiSAコールするな→この件に関わらず、呼ばれた側だから○○しては行けないという常識って一体どこから生まれたんだろうって思ってしまいました。膨大な数の個人的価値観が一人歩きしている風潮…数が多ければモラルとして集団認知する事実して受け止めていいのだろうか、とLiSAコールに関係なく色々疑問だけがわきました。公式が、お呼ばれ時コール禁止と明示しているなら判断もできるのですけど…なんとも結論でない感じ...終わり。

「ルール破ってる不快!」と思っている方に関しては、今回に関しては建前アナウンスという常識を持つ人達だけだったかもしれませんね、色々なルールがあって色々な人がいるね、で気がおさまればいいなぁと思いました。(しかし火に油でしたらすみません)

これは余談ですが、会場の雰囲気を感じ取られたのかLiSAさんは「a flood of circle先輩に迷惑かけんなよ〜」ってMCをされていたし、圧迫で苦しそうな人には、そこブレスですよね?って思われる場面でも「大丈夫?」っと口パクしながら手を差し伸べていたりして、とにかく休まない。それさえもパフォーマンスに魅せる。

長いステージングのなかで、これほどまでにファンに対して気遣いしつつパフォーマンスを両立させる方がいるのだと、ただただ感嘆しました。自分がステージにいるうちは絶対に楽しい気持ちにさせる、信念と呼ぶべき意思さえ感じました。
LiSAさんの人間性の深さに魅了されたので、いつか彼女のワンマンライブも行ってみたいです。

今回の件を通して、私個人としては、対バンがある時はその界隈の「一般常識」を調べてから行こうと反省しました。対バンに行く時は、ファンの年齢層などはなんとなく予想することはありましたが、リサーチは怠っていました。予想とリサーチは違います。そしてリサーチと実態も、きっと違いますね。

自分の常識範囲内で物事を見てしまうと、民度やマナーという言葉で置き換えて終結してしまいますが、まずは一回、相手側を知ろうとすることで、捉え方は変わるかもしれないし、自分自身のモヤモヤさえも消えるかもしれないね、という、しがないオタクの小言でした。

個人的にはネチネチオタク性分を使ったおかげで、世の中には「建前アナウンス」があることを知り勉強になりました。逆に知ったことで、LiSAのファン層へ抱いた気持ちが変わりました。
どの界隈でも共通認識される非常識な行為をとった方は...いつか他人の気持ちに気づける人になれますように。

長文、駄文、最後まで読んでくださりありがとうございました。



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