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黒ブラの主👙

   【ふと見上げれば】

浅岡竜二は宅配便の配達員、今日も朝からたくさんの荷物を各家庭に届ける。

地下鉄駅近くの割りと若者が多い地区を担当。暑い日も雨の日も風の強い日も冬の寒い日も休まず配達をする。

今は、コロナウィルスで在宅率も高いが、これはその2〜3年前の話

竜二は今日もたくさんの荷物を、配達の順路通りに仕分けをして、軽トラックに荷物を積み込み、配達にでる。

竜二は駅近くの7階建てのメゾン光陽というマンションに荷物を届けて、ふと上を見上げたとき、2階の部屋のベランダに目が止まった。

そこには女性物のセクシーな下着👙が干してあった、しかも色は黒だ。

竜二は一瞬、目が止まったが、また次の配達先へ車を走らせた。

流石に若者が多く住む街とあって、留守が多い。不在伝票を入れるが、配達の効率は悪い。最近は宅配ボックスも少しずつ増えているが、それはそれで助かってはいる。

竜二はそれからあの黒ブラ👙の事は忘れてるいたが、ふとそのマンションの前を通りかかった時に急に思い出し、2階を見たがそれはなかった。

次の日また、そのマンションの前を通りかかったので、2階を見上げたら、例の黒ブラ👙が干してあった。

竜二は何かそれが気になって、しょうが無くなって、おりました。

「いったいどんな女性が住んでいるのか」 「きっと昨晩、パーティーでもあったのか?それとも水商売の女性かはたまたご主人の趣味で、奥さんか独身なら彼女の趣味か?」

気になり始めると、とことん気になる竜二ではあったが、聞きに行く訳にもいかず、確かめるすべはなし。

  【益々気になるが】

きょうはそのメゾン光陽に配達があった、しかも2階、その部屋は203号らしい、今回の配達先は残念ながら206号だ。 

2階のエレベーターの扉が開き、通路を足早に歩く、荷物を206号に届けエレベーターの方に向かう所で、203号のドアが開いた。

多少、気になっていたので、ふいに203号の方をみた。出て来たのは、年の頃は37~38歳のがっちり体型の男だった。

竜二はその男に軽く会釈をした。

2日後、また、そのマンション、メゾン光陽に配達があった、しかも、例の203号だ。

荷物の伝票には「武田慎一郎」と書いてあった。

配達の為にメゾン光陽に向かった。   玄関のインターホンで呼び出すと、オートロックの扉が開いた。  エレベーターに乗り、2階のボタンを押した。2階に着くなり、203号の方をに向った。

玄関のチャイムを押すと、少し慌て気味に「武田慎一郎」が出て来た。

    【真相は…】

「武田さ〜ん、お荷物です ハンコかサインをお願いします」   
武田さんはボールペンが手元になかったのか、すこし慌てていた。竜二は自分のボールペンを渡そうとしたが、武田はそれをうまく掴めず、玄関の地面に落としてしまった。竜二も慌てたが、武田はもっと慌ててしまい、そのボールペンを拾った。

武田はTシャツに短パンと言うラフな格好で拾おうとしたので、思わず武田のTシャツの中身が、見えた。     正しく色は黒、黒ブラ👙だ。

武田は何事もなかったように、竜二の方を見て、伝票にサインを済ませたが、竜二はハッとした。

竜二は心の中で叫んだ「ブラ男🧒」だ。

竜二の気持ちは急激に萎えた。

俺にはそんな趣味は無い。

他人がどんな趣味だろうが、それはその人の勝手。

最近、テレビで女性用下着を着ける、所謂「ブラ男」がいると。

何かわからんけど俺には

     【最後に】

コロナウィルスで自宅に籠もってばかりで、明るいニュースがないので、この時期、不謹慎とお叱りの方もいらっしゃるかとは思いますが、息抜きにでも。

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