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70's Rockアルバム Aja 1977

秋も深まった夕方の冷たさを感じながら原宿の坂を独り下っていく この頃の私の原宿へのイメージは灰色で人は多くなく落ち着いた街だった 向かった先はセントラルアパートのカフェ「レオン」伝説になっている喫茶店だが単に本を読むだけ 地下にはブティック街もあったが私には似合わない レオンは中庭にあり横にレコードショップがあった そこでこのスティーリー・ダンのAja彩と書かれたアルバムを買った ジャケットに登場しているのがモデルの山口小夜子さんということで話題にもなったし彼らで一番売れたのでは

アパートに帰って聴くとすっかりはまってしまい、その日のうちに何度も聴いてしまった。スティーヴィー・ワンダーでいうところの「キー・オブ・ライフ」みたいな上手い人たちが完ぺきな演奏・構成で作り上げたような、硬質で無駄のない音が詰まっていた ドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカーがラリー・カールトン  リー・リトナー   チャック・レイニー  ジム・ケルトナー  ウェイン・ショーター等々をそれぞれの曲に合わせて人選組み合わせをしたとか で 結局これ以上の作品は出来ない

このアルバムを買うときレコードショップにとてもきれいな人がいた レコードを探している様だったが無かったのかしばらくして出ていった 知り合いの店員さんが近づいてきて「あの人男だよ」とささやいた 私は赤いワンピース後姿を確認したがうなってしまった やっぱ原宿はすごいわである このレコードとあの人の印象が重なって記憶に残っている そしてあの人を見たのはそれが最初で最後 いつか表参道に事務所を持ちたいという夢が出来た20歳

スティーリー・ダンのアルバムは6枚目のこのアルバムからバックして4枚ほど買ってよく聴いた 2007年8月六本木にBillboard LIVEが出来てそのこけら落とし的に彼らはやってきた 見に行った感想としては「上手いけど緊張感は無くこなしている感じ」だったがお歳だし仕方がないと思い生で見られて嬉しかった

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