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〜椅子について〜

日本に初めて椅子を伝えたのは、禅宗の一派・黄檗宗の僧侶、隠元禅師でした。
江戸時代初期に明(現在の中国)から長崎に来日された隠元禅師は、日本での黄檗宗の開祖として知られ、禅の普及と戒律復興に尽力されました。 隠元禅師が日本に伝えられたのは、仏教に関することだけではありません。禅師は、当時の明の先進文化を日本に伝え、長崎のみならず、後の日本全土の文化や生活に多大なる影響を与えました。

インゲン豆といえば、みなさん誰しも食べたことがあるでしょう。あの豆も隠元禅師が日本へ伝えたもので、名前もそのまま禅師の名前から来ています。 そして驚くべきことに、椅子や足の高い机(つまりテーブル)を日本に初めて持ち込んだのも隠元禅師なんですね。
それまでの日本は、いかに高貴な人といえども床の上に座り、生活を送っていました。それまでは食事や書き物などもお膳やちゃぶ台くらいの高さの机でまかなっていたので、いわゆる足の高いテーブルも椅子とともに隠元禅師によってはじめて日本にもたらされたわけです。

みなさんも、椅子に座ったり、テーブルで仕事をしたり勉強したりご飯を食べたりするときは、隠元禅師のことを思い浮かべてみてください。昔むかし江戸時代のはじめに、船に乗って命懸けで日本へ渡り、椅子を伝えた隠元禅師。われわれが普段当たり前のように使っているものにも、実はそんな歴史があったりするものなのですね。

椅子最高


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