見出し画像

#12 サーフィンから人生を学ぶ⁉

土曜日、日曜日と1週末に2つのサーフィン大会に出場してきた息子。毎日でも練習できる環境に移住したことでサーフィンの調子は良くなってきていたのですが、土曜日は第2ラウンド(2回戦)でまさかの敗退…。いい波もつかめず、自分の良さを全く出せず、悔しい結果になってしまいました。一方、翌日の日曜日に行われた大会では、7点台、8点台という高得点を出して優勝。全国大会への切符を勝ち取ることができました。

勝てると思っていた試合で負けてしまい、落ち込みすぎて声も出ない状態だった土曜日と、高難度の技が決まって「あー楽しかった!」と絶好調の日曜日。いったい何が違ったのか…?何が勝敗を分けたのか…?終わった後にいろいろと話しあったところ、なかなか深イイ話になったので、みなさまにシェアしたいと思います。

●波のコンディション 

土曜日の大会会場は波がほとんど無く、普通に遊びに来たら「他のポイントを探そう」となりそうな残念なコンディション。こんな時は、なかなか大技を決めるのは難しいので、たまにくる乗れそうな小波の中からいかにいい波をチョイスして乗りこなすか、といったところが勝敗を分けます。一方、日曜日の大会会場は、波のサイズもあって、練習をしている時から「楽しい~」と言っていたほど、申し分ないコンディション。

サーファーはみんなそうだと思いますが、「とにかくサーフィンが大好き」な息子は、波のコンディションがいい方が断然テンションが上がります。当然ながら、波が無かったり、波のコンディションが悪い時はやはりテンションが下がります。「早く海に入りたいなー!波乗りしたいなー!」とはならず、「試合だから仕方なく入るか」となってしまうところは否めません。

そして、不思議なことにその気分はサーフィンに出てきちゃうようなのです。サーフィンというのは自然を相手にのびのびと楽しむスポーツです。力んだり、力をこめたりするよりは、どちらかというと、力を抜いて、リラックスしてタイミングを波に合わせる方がうまくいきますし、「楽しそうにのびのびと波乗りしている」方がジャッジからも好印象です。「どんなコンディションでもテンションを上げて行かれるよう、『どんな波も楽しむ』という気持ちが必要だったよね」という話になりました。

人生もそうですね。いい波、悪い波いろんな波がきます。でも「どんな波も楽しむ」という気持ちでいれば、すべての波を味わい深く楽しむことができる。そして、どんな波でも丁寧に楽しんで乗っている姿は、見ている人を楽しませることができるものです。うん、うん。

●他の選手の存在

土曜日の試合では「他の選手を意識しちゃった」と話していました。実は、同じヒートになった選手たちはみんな年下。試合前には仲良しの選手同士でふざけて騒いでいたりして、その姿がちょっと気に障ってしまったそうです。「すぐにその場を立ち去れば良かったんだけど、なんとなく意地で、イライラしながらその場にいたんだよね。で、勝手に『こいつらには負けないぞ』なんて思ったりしていた」。試合が始まっても、なんだか他の選手が気になって集中できずにいたら、いい波を逃してしまい、その次にきたイマイチの波に乗って、パドルして戻ると、またいい波を先に乗られてしまう…というバッドサイクルに陥ってしまい、うまくリズムが掴めなかったそうです。

サーフィンは、テニスや柔道やサッカーなど、相手を負かすことで自分が勝つ競技ではありません。試合では、自分がいい波に乗って、いいパフォーマンスができればいいだけなので、対戦相手を負かす必要はありません。もちろん、ルール違反にならない程度に、相手を乗らせないようにしたり、プレッシャーをかけたりする作戦を取ることはありますが、一番大事なのは、いい波を掴んで、そのチャンスをものにすること。ただ、それだけなのです。

そして、そのために必要なのは「リラックスして波に集中すること」。いろいろなスポーツで言われる「ゾーン」「フロー」の状態をつくり出すことです。息子は、「うまくいくときは、サーフィンを楽しめている時。俺は人と争うのはあまり好きじゃないから、他の選手を意識すると勝負を意識しちゃって、ネガティブな方向に行っちゃう」と話していました。でも、「人によっては負けず嫌いで『あいつに勝ちたい』と思う方がうまくいく人もいる。人によってそれは違っていて、正解はない。自分がいい方向にいく方法を知ってればいいんだよ」とも。

確かにねぇ。トップアスリートたちは「勝ち気じゃないと勝てません」「ハングリーさが大事」「ポジティブじゃなくちゃだめ」など、いろんなアドバイスをしていて、どれが正解なのかよく分からなくなります。ですが、実際は唯一の正解などはなく、どの人も自分をよく知り、自分をいい方向に持っていく方法を語っているだけに過ぎないのかもしれません。

人生も同じ。自分はどんな時に楽しめていて、どんな時にうまくいくのか。自分は何が好きで何が嫌いなのか。どうやったら自分をいい方向へ動かせるのか。母さんはあなたの倍以上生きてるけど、まだその辺がよく分かってないかもしれないわ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?