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#13 海辺の暮らしは晴れも3倍、雨も3倍

毎日海を眺めて暮らせるなんてステキー!サイコー!

というのが、南房総⇔東京の二拠点生活をはじめた理由の一つでした。実際、部屋のベランダからこんな風に朝日が昇る海を見ることができます。リゾート感満載!ストレスもすーっと消えていくような、いつまでものんびり眺めていたいような景色です。

ですが、実際、海辺のマンションで毎日海を眺めて暮らしていると、海は毎日「ステキー!」なわけでもない、と気づきました。

このところ、雨が続いていました。九州では甚大な被害が出ていたようです。南房総でも雨が続いていて、毎日どんよりしていました。このところは、朝と夕方、なにも見えなくなるほど濃い霧が立ち込め、窓の外はこの世の終わりみたいな灰色になります。

大雨の日は、海底の砂が巻き上がるためか、川から泥が流れ込むためか、海が茶色く濁って、さらに怖ろしげな景色になります。最近は都会でもゲリラ豪雨がすごいですが、こちらのゲリラ豪雨は都会と違って大きな建物や地下やアーケードが無いので、逃げ場がなく、なんていうかもう、やられっぱなし、降参!という感じ。

嵐になると、風が海からダイレクトに吹きつけるので、とんでもない強風。都内でこんな強風が吹いてたら、看板もなにもかも吹き飛ばされて大ニュースになりそう!と思うような強風でも、みんな慣れているのか、大騒ぎしてません。なんでなんでー?騒いでるの私だけー?

南房総に来てから、雨とか風とかって、こんなに凄いものでしたっけ?と、いちいち驚いています。都内にいるときは、建物が多いせいか、大雨でも、大嵐でも、そこまでは気にならなかったように思います。都会なら、急に雨が降ってきても、近くのコンビニでささっと傘を買ったり、カフェでお茶しながら雨宿りしたりすることもできるので、雨、風から逃れる方法はいろいろあるんですよね。地下鉄を使い、地下通路を通って直接建物の中へ入れば、傘を差さずに移動できてしまうことすらあります。

一方、南房総では、悪天候の中、外出するには、覚悟を決めて車に乗るしかありません。ですが、車でも突風で飛ばされそうだし、道路のあちこちに穴が空いていて、結構深い水たまりができているので、車同士がザバーンと激しいスプラッシュをかけあうような感じになります。怖いよー!

こちらに来てから、地元の方から「内房線は台風とかあるとすぐに止まるのよー」と、「内房線は弱くて…」みたいな話をよく聞くのですが、こちらからすると「こんな強風で内房線よくがんばってる」と思ってしまいます。「都内だって台風とか雪とかで電車が止まることはよくありますよ。人身事故などで止まることも結構ありますし」などと擁護したくなりますが、まあ、分刻みのダイヤで何百万人という人が使っているわけで、1時間に1本の内房線とは比較にならないかな、と思って言わずにいます。

なによりつらいのが、低気圧によるウツウツ…です。年齢的に、低気圧に精神的、身体的ダメージを受けやすくなってきたということもありますが、都会にいるときは、映画館に行ってみたり、書店で立ち読みしたり、ウィンドウショッピングしたり、様々な人工物で気を紛らすことができたんです。それがこちらでは、なんというか自然の存在感が大きすぎ、都会育ちのヤワな私には受け止められず、濃い霧に飲み込まれ、ただただどんよりとソファに沈み込み、敗北するしかない状態でした…(涙)。

いくら都会育ちだからといって、自然には厳しい、怖い側面もある、ということは、もちろん知ってたんですよ。住んでいるのはリゾートマンションなので、住環境的には、都会と変わらないところですし。それでも、都会生活の中で経験してきた「自然」の3倍くらいのインパクトを感じて暮らしています。

というわけで、晴れの日は、

毎日海を眺めて暮らせるなんてステキー!サイコー!

で、都会の3倍ステキ、と思うのですが、雨の日は都会に住んでいる時より3倍くらいダメージが大きい気がして、海辺の暮らしは、晴れの日も3倍、雨の日も3倍。というのが、二拠点生活を3か月やってみた都会育ちの実感です。









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