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#11 サーフィン大会に行ってきた

サーファー息子と2人で南房総暮らしをするようになり、サーフィン大会出場に付き添う機会が増えました。以前は、サーフィン大会の付き添いは夫に任せていて、私はせいぜい年に1、2回見学に行く程度だったのですが、少しは車も運転するようになったこともあり、私が付き添うことも多くなったのです。

先日も、息子の付き添いで、土曜日は静岡県磐田の豊浜海岸の大会へ、翌日曜日は千葉県九十九里の釣ケ崎海岸(通称:志田下)の大会へ行ってきましたので、今回はあまり知られていないサーフィン競技について少し書いてみたいと思います。※私自身よく分かってないので、間違ってたらぜひご指摘をお願いします!

サーフィンの大会は日本全国あちこちの海岸で開かれていて、大会に出場する選手たちはほぼ全員、車で会場にやってきます。大きなサーフボードやウェットスーツなどを積まなければならないし、お湯を入れたシャワー用のポリタンクもいくつか運ぶ必要があるからです。

集合時間はたいてい、早朝5時半とか6時なので、遠方から参加する選手たちは、夜通し車を運転して来るか、前夜から駐車場で車中泊をするかしています。そのため、多くの車が後ろがベッドになっている車中泊仕様のワンボックスカー。どの車もサーフトリップ用にカスタマイズされていて、工夫がいっぱい。お湯を沸かしてカップラーメンを食べてる人がいたり、歯磨きしている人がいたりして、サーフィン会場の朝は、キャンプ場の朝みたいな雰囲気が漂っています。

私は近くなら運転していきますが、長距離運転は心配なので、今のところは息子と二人、大きなサーフボードケースを抱えて電車や新幹線を使い、海岸まではレンタカーを使ったりして、移動しています。

サーフィンの試合というものを見たことがある人はあまりいないかと思います。競技としてはフィギュアスケートや体操競技と同じ採点競技で、スノーボード競技のハーフパイプみたいな感じ、というのが伝わりやすいのかな?

一度に2~5名ほどの選手が赤、白、黄、青、緑などのゼッケン(というかカラフルな半袖ラッシュガードみたいなの)を着て海に入ります。どこまでも続く海ですが、一応、A会場はここからここ、B会場はここからここ、などと決まっていて、ブイが浮いていたり、旗が立っていたりして、その範囲には一般サーファーが入ったり、釣り人がいたりしないようになっています。選手たちが泳いで(パドルして)全員沖に揃ったら、選手たちに聞こえるよう、MCが「3、2、1」とカウントダウンし、「プー」というブザー音みたいなのを鳴らして試合開始(ご近所迷惑だからと旗を振ってスタートという時も)。

1ヒート(1試合)の制限時間15分~30分の間に乗った波の中で、点数の最も高かったベスト2ウェイブの点数の合計点で勝敗が決まります。といっても、やたらめったら乗ればいいわけではなく、1人で乗っていい波の本数(マキシマムウェイブ)が10本とか12本とか決められています。また、順番に乗れるように優先権を定めたプライオリティルールが採用される場合もあります。

点数は1本で10点満点なので、合計20点が最高点です。ざっくり言うと、より大きな波に、よりかっこよく乗った人が勝ち!なので、「波選び」と「技術」の両方が問われる競技です。同じ波は二度と来ないわけで、スケートボードやスノーボードなどと違って、多少「運」みたいなものもあるのですが、やはり上手い人は「波選び」も上手だし、パーフェクトではない波もパーフェクトに見せてしまう「技術」を持っています。「波に乗る」競技ではありますが「波をただ横に滑るだけ」みたいな「波乗り」ではありません。波面をスピーディに上に行ったり下に行ったり、波の上で回転したり、飛んだり…みたいなことをやって、1本毎に技の種類、難易度、創造性、スピード、パワー、流れなどを総合して点数をつけます。

試合中はMCの人が「10分経過」と経過時間を知らせたり、「現在のシチュエーションは第1位がゼッケンレッドで●点、第2位がゼッケンブルーで●点、第3位はゼッケンイエローで●点、ゼッケンイエローが逆転に必要なスコアは●点です…」などなど、試合の状況を教えてくれます。波が来るのか来ないのかは「神のみぞ知る」世界なので、「残り時間あと5分です」となってから、パタッと波が来なくなってしまうと、「波来て~波来て~」とビーチから神頼みする感じになります。熱心に祈ってると⁉終了間際にいい波が「キターーーーーー」となって逆転成功!なんてこともあるのが、自然相手のスポーツの面白いところです。

ジャッジの人は3-6名?ほどいて、ビーチにあるテントから選手たちの技を審査します。各ジャッジの最高得点と最低得点を除いた残りの点数の平均がそのライディングに対する点数になります。試合はトーナメント方式で、各ヒートの上位2名が1回戦(第1ラウンド)から2回戦(第2ラウンド)と勝ち上がっていく仕組みです。ジャッジペーパーはこんな感じ。試合後、会場に張り出されるので、自分のライディングがどう評価されたかをチェックすることができます。

大会会場はたいてい、風がビュービュー吹いていて寒いか、ものすごく暑いかのどちらかなので、ジャッジの方々の職場⁉はかなり過酷な環境です。波が大きい時は選手を見失いそうになるし、眩しくて白だか黄だか判別できないときもあるし、別々の場所で同時に2選手が乗ったりすることもあるし、朝は早いし、テントが飛ばされそうになることもあるし、雨が降ってもやるし、ほんと大変なお仕事だと思います。

というわけで、サーフィンは応援する側も寒かったり暑かったり、まあまあ過酷です。かっこいいサーファーたちの姿を間近で見ることはできますが(笑)、選手が入っているポイントがビーチから遠かったりすると、ライディングもよく見えないし、応援の声はほとんど届きません。サーフィンは、ドローン撮影などで見るとものすごく迫力あるので、2020年の東京オリンピックでは、最新の撮影技術を駆使した大迫力の映像をクーラーをの効いた家のテレビで観戦しようと思っている次第です。

ヒート直前の選手たち。「あのあたりにいい波が入ってきてるなー」などと、みんな波をチェックしています。

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